燐光群「KYOTO」@下北沢ザ・スズナリ
燐光群「KYOTO」@下北沢ザ・スズナリを観劇。燐光群の活動には作演出を務める坂手洋二作品の上演と海外戯曲の上演という二つの柱があり、特に近年はいずれにもドキュメンタリー要素の強い作品が選ばれることが多いのがひとつの特徴となっている。
その中でも「KYOTO」は地球温暖化対策を巡る「京都議定書」の締結に向けて、各国間で行われた熾烈な駆け引き、議論、交渉の内幕を実際に行われた事実をもとに再構成し、演劇にしたものだ。
その部分のどこまでが事実に基づいているのかは分からないのだが、作品の工夫として面白いのは会議の当事者ではなく、弁護士のロビイストを主人公格に置き、彼に自分がどのように議定書の締結の内外で暗躍し妨害工作に関与したかを語らせる構成としたことだろう。
この会議は先進国や産油国、中国も含む発展途上国、温暖化で直接その存在の危機にさらされる島国の国家と参加国の立場や利害関係の違いが明らかで、特に前半部分はそれぞれの国の利害を調整しなんらかの同意をこぎつけることがいかに困難であるのかが繰り返し提示されるが、そうであるのにも関わらずなぜこの会議では締結への同意が取り付けられたのかという謎が浮かび上がってくる。
あなたも国際会議に参加する!
地球温暖化は止められるのか?
高密度のセッションで体験する
〈京都議定書〉の真実。
イギリス演劇の最新話題作!1997年、先進国に対して初めて
温室効果ガス削減目標を満場一致で義務づけた〈京都議定書〉
その理想は、迷走の先に沈むのか?
立場も国力も違う代表者たちが、衝突と駆け引きを重ね、
人類未曾有の難関に立ち向かう!下北沢ザ・スズナリが、COP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)の決戦場となる。
RSC (ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー) とグッドチャンス共同製作のオリジナル版が、本年度オリヴィエ賞ノミネート。
世界に先駆けて、燐光群による初の翻訳上演!CAST
猪熊恒和 大西孝洋 葛西和雄 円城寺あや
南谷朝子 咲田とばこ 鴨川てんし 川中健次郎
宮島健 三浦知之 樋尾麻衣子 武山尚史
高木愛香 尾形可耶子 西村順子
Benjamin Beardsley(声の出演) 中山マリ(声の出演)STAFF
照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音楽○太田恵資・南谷朝子
音響○内海常葉
美術○じょん万次郎
衣裳○ぴんくぱんだー・燐光群衣裳部
舞台監督○宅間脩起
擬闘◯山村秀勝
演出助手○水野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳助手○中山マリ 遠藤いち花
インターン○斉藤洸星 野宮勇介 永瀬美陽 白鳥晃路
舞台収録・写真撮影○姫田蘭
イラスト◯石坂啓
宣伝意匠○高崎勝也
協力○森下紀彦 浅井企画 青年劇場 アットプロダクション オフィスにしむら InnocentSphere 劇団ジャブジャブサーキット 明日香壽川
制作○ Caco 尾形可耶子 島藤昌代
Company Staff○秋葉ヨリエ 桐畑理佳 田中結佳 鈴木陽介 宮島千栄
後援○ブリティッシュ・カウンシル 『KYOTO』日本版を観る会
主催○有限会社グッドフェローズ