下北沢通信

中西理の下北沢通信

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栗東芸術文化会館さきら

作家・ヤサぐれ舞踊評論家の乗越たかお氏が11月24日付のウェブログ*1栗東芸術文化会館さきらを運営してきた「財団法人栗東市文化体育振興事業団」が指定管理者制度にともない運営からはずされ、後がまに民間の不動産業者が指定されそうだという顛末を同事業団職員である山本達也氏から来たメールの引用の形で紹介している。
 さきらについては以前、このサイトで丹野賢一/NUMBERING MACHINE+石川雷太「026-METAL」の公演中止*2を巡って、批判をしたことはあったものの、地方の公共ホールでありながら「踊りに行くぜ!!」*3の主催をはじめ、独自のダンスプログラムやワークショップにも力を入れてくるなど評価すべき点は数多くあり、注目してきただけに今回の決定にはちょっとビックリ。確かに指定管理制度というのはそういうものだといえばそれまでのことなのだが、せっかくのこれまでの蓄積をまったくの無に帰するような行為にはもしこれがそのまま決定事項となるのだとすれば愕然とせざるをえないところである。
 特にコンテンポラリーダンスについては営利ということを重点に考えるならば運営者が変わってしまえばすべてプログラムからははずされてしまう可能性が高く、なんの変哲もない地方の公共ホールになってしまうことになりそうで、もしそうであるならば残念というしかない。今回の決定がいかなる経緯によるものかは現段階でははっきりしないので、なんともいいがたい面があるのだが、この決定が多少なりとも公演中止にともなって起こった事件に対する市側のことなかれ主義にあるというようなことがあるのだとすればより以上に許しがたいというところがあるのだが、その辺はどうなのだろうか。いずれにせよ、以前から問題もあるのじゃないかといわれていた指定管理制度だが、こういう風にごく近くでそうした危惧が現実に起こってくるということになればなんとかしなくちゃいけないのではないかと思ってしまう。
 大阪市フェスティバルゲートとアートNPOの問題などでも感じたが、しょせん行政とはそんなものだからなどと言っていられないような事象が今後次々に連鎖して起こる前兆でなければいいのであるが。

 さらに検索エンジンで調べてみると毎日新聞の記事で続報*4が報じられていたようだ。この問題は今後*5どうなっていくのだろうか。