下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

高校演劇サミット@こまばアゴラ劇場

高校演劇サミット@こまばアゴラ劇場

高校演劇サミットは青年団演出部に所属する西村和宏、林成彦により、2010年12月に、アトリエ春風舎で第1回を開催しました。2013年度からは会場をこまばアゴラ劇場に移しました。2012年度に開催した「高校演劇サミット2012」からはプロデューサー林成彦とディレクター田中圭介の二人三脚の運営が続いています。大人の観客が高校演劇と出会う場を創出することを第一のねらいとしています。

出演
■出場校
盛岡市立高等学校『月面、着陸。』作:柳澤あゆみ
東京都立世田谷総合高等学校『レイズ』作:安達理々花+せたそー演劇部
精華高等学校『大阪、ミナミの高校生3』作:オノマリコ精華高校演劇部

スタッフ
サミット・プロデューサー:林成彦
サミット・ディレクター:田中圭
アドバイザー:平田知之(筑波大学附属駒場中学高等学校)
照明:黒太剛亮(黒猿)
音響:秋田雄治
舞台監督:黒太剛亮(黒猿)
制作:北村耕治(猫の会)
舞台監督補佐:鎌田直子、兵頭拓磨
制作補佐:仙波瑠璃
技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
芸術総監督:平田オリザ

 高校演劇のショーケース公演。高校演劇の当事者ではなく、コンクールの地方予選に足を運ぶというほどでもないものにとってはこうしたショーケース的な公演が年に1回企画され、こまばアゴラ劇場で見ることができるということは嬉しいことだ。なかでも面白かったのは盛岡市立高校「月面、着陸。」。いわゆるセカイ系なのだが、月をアイドルに擬えているのが、いかにもいまの高校生が自分たちで考えたことだと思えた。「わが星」の延長線上にある作品と思うし、まったく同じ時期にアトリエ春風舎で上演されている「せかいのおわり」や主題が純度の高いボーイ・ミーツ・ガールという意味ではロロ(三浦直之)の初期作品も連想させる。

無隣館若手自主企画 vol.26 中村企画「せかいのはじめ」(Bチーム)@小竹向原アトリエ春風舎

無隣館若手自主企画 vol.26 中村企画「せかいのはじめ」(Bチーム)@小竹向原アトリエ春風舎

脚本:中村奏太(無隣館)
演出:山内晶(青年団)、木村恵美子、中村奏太、平田知之(以上、無隣館)


せかいのはじめ、そこにはなにもなかった。
俳優という身体が舞台という空間に飛び込んだとき、そこにひとつの世界が作り上げられる。
きっとわたしじゃなくてもよかった。でも、この世界にはわたしが立っていて、あなたが見ている。

はじめという子は、胎内で死んだ兄の生まれ変わりとして名付けられた。
それならわたしはいつからはじまったんだろう。
生まれるのはわたしじゃなくてもよかったんじゃないか。
それでもわたしが生まれて、こう考えるわたしがいて、世界はここにある。
はじまりとおわりをめぐる、世界と人生と演劇のはなし。

本公演では、「せかいのはじめ」という一本の一人芝居の戯曲を、四人の演出家・俳優によって上演します。
一つのステージにつき、連続して二組の上演があります。

組み合わせはこちら。

A
①演出:中村奏太 俳優:井上みなみ
②演出:平田知之 俳優:山田舜

B
①演出:木村恵美子 俳優:外桂士朗
②演出:山内晶 俳優:石渡愛

脚本家中村自身の演出によってストレートに表現するほか、

青年団・無隣館の中から、「せかいのはじめ」に新たな価値を創出してくれそうな3名の演出家を招きました。

テキストの改編は自由。それぞれの視点によって、新たなせかいを立ち上げます。

2018年2月上演時の台本を公開中。


『せかいのはじめ』台本公開



中村奏太(無隣館三期・アルココチ)

プロデューサー。1994年3月生まれ。大阪出身。

観劇を趣味とし、年間200本~300本程度観劇をする。2018年度こまばアゴラ劇場支援会員・花まる学習会王子小劇場ユース会員・文学座支持会員。

2017年、制作者を志し無隣館に所属。第4回大阪短編学生演劇祭にて「せかいのはじめ」(団体:元気の極み)の作・演出を担当し、最優秀賞を受賞。2018年、プロデューサーとして劇作家女子会。とコラボし、高校演劇マルシェを開催。演劇ユニット・モメラスの公演の制作を担当。

本企画以降は、関西の劇作家の作品を東京の演出家に演出してもらう企画や、特定の作家のTRIBUTE企画等を構想している。

出演

井上みなみ(青年団)、石渡愛、外桂士朗(以上、無隣館)、山田舜也(東大スタタリング/オーバートーン)

スタッフ

演出協力:三浦雨林(青年団
演出補佐:升味加耀(無隣館)
照明:井坂浩(青年団
音響:櫻内憧海(無隣館/お布団)
音響操作:小林遥(裏方集団Stage Line)
映像美術:柳生二千翔(青年団/女の子には内緒)
舞台監督:島田曜蔵(青年団
宣伝美術:片山裕子(劇団夜光鯨)
制作:神戸みなみ、鴨居千奈(以上、無隣館)
制作補佐:山守凌平(青年団
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

日時

2018年12月22日[土] - 2018年12月30日[日]


2 作品連続上演

A:中村奏太・井上みなみ、平田知之・山田舜

B:木村恵美子・外桂士朗、山内 晶・石渡 愛<< 
 

ももいろクローバーZももいろクリスマス2018外周ライブ「堀アキラ」(2日目)

ももいろクローバーZももいろクリスマス2018外周ライブ「堀アキラ」(2日目)

www.sdp-sp.net


[あゆみくりかまき]

RH
ゴマスリッパー
ナキムシヒーロー
蝋人形の館
反抗声明
ジェットクマスター(short ver.)
アナログマガール’18
未来トレイル

あゆみくりかまきは大阪出身の3人組のアイドルグループ。初めて自分たちを見に来た観客を巻き込み、乗らせていくステージングに長けていて、若いグループは絶対に自分たちのライブに生かせるはずだからここのパフォーマンスを注視すべきだ。

ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」DAY2LV@埼玉・MOVIXさいたま

ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」DAY2LV@埼玉・MOVIXさいたま

DAY2 2018年12月25日(火)
ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」
2018年12月25日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. MOON PRIDE
02. ミライボウル
03. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
04. ピンキージョーンズ
05. きみゆき(2018クリスマスver.)
06. GODSPEED
07. 『Z』の誓い
08. 天国のでたらめ
09. Re:Story
10. DECORATION
11. サンタさん
12. Sweet Wanderer
13. 走れ! -ZZ ver.-
14. クローバーとダイヤモンド
15. デモンストレーション
16. 灰とダイヤモンド(2018クリスマスver.)
17. 白い風(2018クリスマスver.)
18. 空のカーテン(2018クリスマスver.)
19. JUMP!!!!!
<アンコール>
20. 勝手に君に
21. ザ・ゴールデン・ヒストリー
22. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
23. 今宵、ライブの下で(2018クリスマスver.)

2日目はチケットは取れず会場近くのMOVIXさいたまでライブビューイングを観戦。1日目同様歌とダンスのパフォーマンスの完成度はこれまでのライブ中でもピカイチといっていい出来栄えだった。中でも圧巻を感じさせたのはライブ中段に置かれた16. 灰とダイヤモンド(2018クリスマスver.)17. 白い風(2018クリスマスver.)
18. 空のカーテン(2018クリスマスver.)
と並べられたバラードブロックの充実振りだ。これらの楽曲はこれまでも要の存在として毎回クリスマスライブでは歌われてきたけれども、演者への負担が大きいこともあり、この日のように連続して歌うなどということはなかったのではないかと思われる。
 この日のもうひとつの注目はサプライズで発表された明治座での佐々木彩夏座長公演。本広克行、鈴木聡というDYWDの黄金コンビの再登板でもあり、楽しみでならない。

ももいろクローバーZももいろクリスマス2018外周ライブ「堀アキラ」(1日目)

ももいろクローバーZももいろクリスマス2018外周ライブ「堀アキラ」(1日目)

東京女子流
SE:鼓動の秘密 (instrumental)
キスひとつで
雨と雫
おんなじキモチ
ちいさな奇跡
ゆるめるモ!
逃げろ! 
ロッカジャポニカ
SE OVERTURE
M1 教歌SHOCK!
M2 最the高
M3 BUSY
M4 タコ感 ロッカジャポニカ
M5 アブラカダブラ アルジェブラ
M6 MUGEN
M7 ぶっちぎりデイズ!!
M8 だけどユメ見る
たこやきレインボー
M1.クリぼっちONE DAY!!
M2.なにわのはにわ(CLUB RAINBOW ver.)
M3.卒業ラブテイスティ
M4.ナナイロダン
M5.輝け!おっサンシャイン!
M6.シャナナ☆
M7.RAINBOW~私は私やねんから~

 ももクロ以外のアイドルのライブにも時折出掛けたりするので、私のことをアイドルファンだと思っているかもしれないが、いわゆるアイドルオタクではまったくないといっていい。ライブはともかくとして握手会やいろんな接触イベントはあまり興味がないどころかどちらかというと苦手なので、いわゆる無銭イベントのようなものに出掛けるということはほぼない。
 それでも例えば対象がももクロだったとしてもそれがどういうものなのかを知るためには井の中の蛙のようにそれだけを見ていたらだめで、比較対象にできるようなものをいくつも見た時に初めてももクロの魅力が逆説的に明確になってきたりするのだ。
 そうした中で実はももクロの妹グループのたこやきレインボーだけは偶然デビューとなった瞬間に立ち会っていたこともあり、ファンである虹家族と名乗るにはおこがましいけれども、その存在が気になり「中野サンプラザ」「幕張」「ZEPPTOKYO」「日比谷野音」(OIFとツアーの2回)とめぼしいライブには参戦していることもあり、関心ないといったら嘘になるだろう(笑)。
 他のアイドルについてはわざわざ足を運んでライブを見に行くというのはなかなか難しいので、ももクロ陣営がこういう形で参加者を募り、外周ステージをやってくれるのはとても有難いことだ。この日は最初のいくつかのグループは見られなかったが、東京女子流以降のいくつかのグループは見ることができた。

東京女子流 / おんなじキモチ
 東京女子流ももクロ、アンジェルム(スマイレージ)の3グループはデビューの時期がほぼ同じだったこともあり、特にももくろクローバー時代には対バンも含めていろんなイベントでの共演があった。このところは離れていたが2年前の味の素スタジアムでの周回ライブにひさびさに東京女子流が現れ、たこやきレインボーとの間に茶番を繰り広げて、その後、同じavexの所属の先輩後輩の縁もあり、たこ虹主宰のアイドルイベントに参加するなど交流が深まっていたところ、今年はももいろ歌合戦への参加も決まり、ももクロ、たこ虹のスターダストとの距離を縮めてきて、今回の外周パーク参加となったようだ。

ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」(1日目)@埼玉県・さいたまスーパーアリーナ

ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」(1日目)@埼玉県・さいたまスーパーアリーナ

DAY1 2018年12月24日(月・休)
open 15:45 / start 17:00 / (20:00終演予定)

OPENING映像
PRIDEのテーマ(生演奏)
猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
MOON PRIDE
ピンキー・ジョーンズ
ミライボウル
JUMP!!!!!
MC(自己紹介)
あんた飛ばしすぎ
DECORATION
天国のでたらめ
吼えろ
Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~
DIAMOND PHILHARMONY演奏
サンタさん
Sweet Wanderers
MC(ももいろ歌合戦告知)
スターダストセレナーデ
クローバーとダイヤモンド
イマジネーション
MC(あーりんブランド&ポシュレ告知)
灰とダイヤモンド
きみゆき
空のカーテン
行くぜっ!! 怪盗少女 ZZver
MC
アンコール
Overture
SECRET LOVE STORY
笑ー笑
フィルハーモニー紹介
今宵、ライブの下で
白い風
ED映像

ももクロのクリスマスライブがももいろクリスマス(ももクリと略)。ももクロの大規模ライブは季節ごとに毎年ほぼ同時期に開催され春が「春の一大事(春一と略)」、夏がスタジアムでの巨大野外ライブ*1、そして冬がこのももクリである。実はそれぞれ方向性も異なり、ももクリは今回のさいたまスーパーアリーナのように比較的音響環境のよい閉鎖空間での作りこんだライブとなることが多い。
 昨年は埼玉、大阪と1週間間隔でそれぞれ1日ずつという異例のスケジュールもあり、元カシオペアのドラマー、神保彰によるドラムとシンセドラムによりすべての楽器の音色をひとりで演奏するという「ワンマンオーケストラ」と宗本康兵率いるアコースティックカルテットが参加するという異例の構成だったが今年は「DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」の表題でも予想できたように大人数のストリングス隊を含む、総勢33人のオーケストラ編成による生演奏がももクロの音楽を支えることになった。
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 OPENING映像が終わって、PRIDEのテーマが流れるのまではいつものももいろクリスマスなのだが、気がついて仰天し、大興奮したのは今年はオケが生演奏でテーマを演奏しているのが、分かったこと。暗闇の中からその全貌が姿を現すとそれだけで思わず「ついにここまで来たのか」と全身が沸騰し総毛立つ思いがした。ここからオーケストラバージョンのアレンジでももクロ初期の楽曲が次々と披露されるのだが、4人バージョンでの公開ということもあるけれども、歌割りやダンスのフォーメーションをただ単に変えたというだけではない。アレンジの変更に伴い歌い方なども細かいけれど最初の収録時とは若干異なる今現在の彼女たちの歌い方のニュアンスが付け加えられている。
 今回のライブが「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」からスタートするのは「DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-」との副題と呼応したイメージを強く感じるからであるが、もうひとつは最初のさいたまスーパーアリーナでのライブ「ももいろクリスマス2011」の白眉が大貫浩史指揮による100人編成の合唱団「東響コーラス」、さらにスペシャルゲストのマーティ・フリードマン(G)を交えた壮大な「猛烈宇宙交響曲」のパフォーマンスであり、いまだにSSアリーナのももクリといえばそのイメージは強い。それだけに今回は総勢33人のオーケストラ編成による生演奏とその時とは比べ物にならないほど進歩した4人の歌唱でそれを凌駕することに挑戦したのではないだろうかと思わせるところがあった。交響楽にふさわしい壮大な曲想をパワーボーカルで支えた有安杏果のプレゼンスはこの曲の場合も大きかったが
こういう部分は例えばこの曲では高城れにが肩代わりして遜色のないレベルに仕立て上げてきた。
過去の名演とも比肩できる出来栄えだったのではないか。
 ここからは「MOON PRIDE」「ピンキー・ジョーンズ」「ミライボウル」と再構築した過去曲が並んだが、いずれもただ一生懸命に声を張り上げているだけではなく、ちゃんと言葉が観客席まで届く歌い方に変化したのがはっきり分かる。ももクロの場合は例えば2010年前後と現在とでは使いこなせる歌唱のテクニックがまるきり違っていても、実際のライブでの歌唱では初めてレコーディングした時の歌割りや演出に基づいてかなり厳密歌い方が決められている。そのため、最近の歌では現在の歌唱力が反映された曲想、歌い方になっているが、例えばクリスマスライブについていけば「サンタさん」がそうだが、当時にヒャダインがつけた演出をそのまま今も遂行している。特に夏菜子の歌い方などは意図的に子供っぽく歌わせるような演出がほどこされており、地上派のテレビでは冬の「サンタさん」、夏の「ココナツ」とヒャダインによるコミカル風味の強い楽曲が披露されることが多いこともあり、そのことが「ももクロは歌が下手」の一部の人の持つ世間的イメージを助長することになっているのは間違いないだろう。生演奏によるアレンジの変更で少しそうしたイメージを払拭したいとの意図が今回はあったのではないかとも思う。そももっとも典型的な形がオーケストラ演奏で歌った「行くぜっ!! 怪盗少女 ZZver」の冒頭部分で、少しテンポをゆったり目にして大人の風味を取り混ぜながら披露したそれは「ももクロの未来像」を感じさせるところもあった。
 ただ、なんといっても今回のライブの最大の魅力は「灰とダイヤモンド」「空のカーテン」「白い風」といった珠玉のバラード曲のリニューアルであろう。バラード曲は以前からももいろクリスマスの最大の売りのひとつではあったが、「灰とダイヤモンド」「白い風」などは有安杏果の圧倒的な歌唱力がその魅力を支えてきた感がかなりあった。春一で初披露された4人版「灰とダイヤモンド」では旧有安パートのハイトーン領域を佐々木彩夏が埋めるということになり、その頑張りには目を見張る思いがあったのだが、それでも「頑張り」というのは所詮「頑張り」でしかなく、杏果の元歌唱との間には正直言って埋めることのできない大きな差を感じたのも確かなのであった。とはいえ、「ローマは1日にしてならず」。杏果にしたところで実は冷静に思い起こしてみせばこうしたハイトーン部分の歌唱は容易に達成できていたわけではない。下手をするとその一発でかかる音圧ののどへの負担で、声帯を痛めてしまいかねないところを試行錯誤の挙句なんとか一定以上の到達点を見せたのが昨年ももクリでの有安杏果だった。
 今回の「灰とダイヤモンド」でのあーりんはその意味でいえば杏果とまったく異なる経路であーりん独自のハイトーン発声を見せて、過去の最高傑作とも言われた昨年のももクリでの5人版「灰とダイヤモンド」に並びかけてみせた。歌唱の細かい技術的な側面ではまだ至らないところもあるけれど、常々ももクロのボイストレーナーである美音が何度も指摘していたことではあるが、あーりんには潜在的に出すことが可能な音域の広さとその声量の大きさにおいて大きなポテンシャルがある。これまではそれがうまくコントロールできなかったり、中途半端なところで抜けてしまったりしたことが多かったが、今回はそうしたタスクを相当以上にうまくこなしてみせることができた。そして、これがうまく制御できるようになればロック系の楽曲のハイトーンボイスなどにも応用は広がるはずで、今後が楽しみで仕方がない。
 さらにいえば、この歌は元々、ももクロのテーマ曲的な色彩が強かったが、歌詞の意味合いをもう一度反芻してみたところ残された現在の4人(チーム・ダイヤモンド・フォー=TDF)のことを歌ったテーマ曲としか思えないほど、現在の状況と響きあうものを感じさせた。
 

*1:「夏のバカ騒ぎ」「桃神祭」など毎年コンセプトにより名前が変わる

屋根裏ハイツ 第5回演劇公演 『ここは出口ではない』@横浜STSPOT

屋根裏ハイツ 第5回演劇公演 『ここは出口ではない』@横浜STSPOT(風邪の発熱で観劇できず)

2018年12月21日(金)-12月23日(日)

わたしとあなたの間には通訳が必要だ。
なぜならわたしとあなたの使う言葉はかたちが違う。
テレパシーを使えない私たちは、
文字通り手を尽くし身を尽くし、
そのかたちを触り合うところからはじめるしかない。
さながら宇宙人との肉弾戦。
どこかで交われないかと期待している、
きっとこの先が出口ではない、とどこかで思いながら。

作・演出:中村大地

出演:
横山 真(丸福ボンバーズ
村岡佳奈(屋根裏ハイツ)
佐藤 駿(犬など)
宮川紗絵

日程:
2018年12月21日(金)-12月23日(日)
12月21日(金)19:30
12月22日(土)14:00/19:30
12月23日(日)14:00

チケット:
一般 2,800円 U-25割 1,800円
当日500円増
※U-25割・・・当日は年齢を証明できるものを受付にてご提示ください。

チケット取り扱い:
当日精算(Confetti とりおきシステム) https://torioki.confetti-web.com/form/521
事前精算(LivePocket) http://t.livepocket.jp/t/yaneura5f

お問い合わせ:
屋根裏ハイツ
mail:yaneura.heights@gmail.com
tel:090-2976-4839(担当)
Web:https://yaneuraheights.wixsite.com/home
Twitter:@yaneura_heights
Facebookhttps://www.facebook.com/yaneuraheights/

スタッフ:
舞台監督 山澤和幸
舞台美術 大沢佐智子
宣伝美術 渡邉時生
制作 三澤一弥
広報協力 大河原芙由子

企画・制作・主催 屋根裏ハイツ
助成 公益財団法人仙台市市民文化事業団
公益財団法人宮城県文化振興財団

無隣館若手自主企画 vol.26 中村企画「せかいのはじめ」@小竹向原アトリエ春風舎

無隣館若手自主企画 vol.26 中村企画「せかいのはじめ」(Bプログラム)@小竹向原アトリエ春風舎(風邪のために観劇できず)

脚本:中村奏太(無隣館)
演出:山内晶(青年団)、木村恵美子、中村奏太、平田知之(以上、無隣館)
B
①演出:木村恵美子 俳優:外桂士朗
②演出:山内晶 俳優:石渡愛

せかいのはじめ、そこにはなにもなかった。
俳優という身体が舞台という空間に飛び込んだとき、そこにひとつの世界が作り上げられる。
きっとわたしじゃなくてもよかった。でも、この世界にはわたしが立っていて、あなたが見ている。

はじめという子は、胎内で死んだ兄の生まれ変わりとして名付けられた。
それならわたしはいつからはじまったんだろう。
生まれるのはわたしじゃなくてもよかったんじゃないか。
それでもわたしが生まれて、こう考えるわたしがいて、世界はここにある。
はじまりとおわりをめぐる、世界と人生と演劇のはなし。

本公演では、「せかいのはじめ」という一本の一人芝居の戯曲を、四人の演出家・俳優によって上演します。
一つのステージにつき、連続して二組の上演があります。

組み合わせはこちら。

A
①演出:中村奏太 俳優:井上みなみ
②演出:平田知之 俳優:山田舜

B
①演出:木村恵美子 俳優:外桂士朗
②演出:山内晶 俳優:石渡愛

脚本家中村自身の演出によってストレートに表現するほか、

青年団・無隣館の中から、「せかいのはじめ」に新たな価値を創出してくれそうな3名の演出家を招きました。

テキストの改編は自由。それぞれの視点によって、新たなせかいを立ち上げます。

2018年2月上演時の台本を公開中。


『せかいのはじめ』台本公開



中村奏太(無隣館三期・アルココチ)

プロデューサー。1994年3月生まれ。大阪出身。

観劇を趣味とし、年間200本~300本程度観劇をする。2018年度こまばアゴラ劇場支援会員・花まる学習会王子小劇場ユース会員・文学座支持会員。

2017年、制作者を志し無隣館に所属。第4回大阪短編学生演劇祭にて「せかいのはじめ」(団体:元気の極み)の作・演出を担当し、最優秀賞を受賞。2018年、プロデューサーとして劇作家女子会。とコラボし、高校演劇マルシェを開催。演劇ユニット・モメラスの公演の制作を担当。

本企画以降は、関西の劇作家の作品を東京の演出家に演出してもらう企画や、特定の作家のTRIBUTE企画等を構想している。

出演

井上みなみ(青年団)、石渡愛、外桂士朗(以上、無隣館)、山田舜也(東大スタタリング/オーバートーン)

スタッフ

演出協力:三浦雨林(青年団
演出補佐:升味加耀(無隣館)
照明:井坂浩(青年団
音響:櫻内憧海(無隣館/お布団)
音響操作:小林遥(裏方集団Stage Line)
映像美術:柳生二千翔(青年団/女の子には内緒)
舞台監督:島田曜蔵(青年団
宣伝美術:片山裕子(劇団夜光鯨)
制作:神戸みなみ、鴨居千奈(以上、無隣館)
制作補佐:山守凌平(青年団
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

日時

2018年12月22日[土] - 2018年12月30日[日]


2 作品連続上演

A:中村奏太・井上みなみ、平田知之・山田舜

B:木村恵美子・外桂士朗、山内 晶・石渡 愛

サファリ・P「財産没収」@駒場東大前こまばアゴラ劇場

サファリ・P「財産没収」@駒場東大前こまばアゴラ劇場(風邪の発熱で観劇できず)

作:テネシー・ウィリアムズ 翻訳:倉橋健 演出:山口茜


だまし絵的演劇。浮かび上がるのはトムとウィリーに投影したテネシー自身の人生

短編戯曲「財産没収」には作者テネシー・ウィリアムズの人生やその後の戯曲の要素が凝縮されている。本来は線路脇で話す男の子と女の子の二人芝居。しかしサファリ・Pの上演では、「財産没収」を執筆しているテネシー自身を登場人物に設定し、戯曲には登場しない彼の恋人や姉、郡の調査官らと出会わせることで彼が戯曲に込めた苦悩・絶望・愛・希望をより濃密に抽出する。それは現代を生きる私達にとっても切実な問題である。

2015年7月、利賀演劇人コンクール2015にて「財産没収」(作:テネシー・ウィリアムズ 演出:山口茜)を上演し、優秀演出家賞一席を受賞したことを契機に旗揚げ。既成戯曲・小説から作品を立ち上げる。物語よりも作者の生い立ち、時代背景などを重視してテキストを紐解き、独自の身体性と発話により舞台化する。

出演

高杉征司、達矢、佐々木ヤス子

スタッフ

ドラマトゥルギー:朴建雄
舞台監督:浜村修司
照明:池辺茜
音響:森永恭代
衣装:南野詩恵
宣伝デザイン:清水俊洋
制作:合同会社stamp
協力:井内純一郎、中筋捺喜

日時

2018年12月20日[木] - 2018年12月23日[日]



12月20日 木 19:30
21日 金 15:00 ◯ 19:30 ※1
22日 土 15:00 ◯ 19:00 ※2⭐︎
23日 日 11:00 ※3◎ 15:00 ◯

受付開始は開演の40分前、開場は開演の20分前



※の回はポストパフォーマンストーク開催
ゲスト:※1 横山義志氏
   (SPAC-静岡県舞台芸術センター文芸部
    東京芸術祭直轄事業ディレクター)
    ※2 深田晃司氏(映画監督)
    ※3 針貝真理子氏(演劇研究者)
◎/無料託児サービス有(要予約・人数制限あり)
◯/開演前に1階ロビーにて作品解説トーク開催
 (14時から20分間、トークだけの参加可、要予約)
⭐︎/聴覚障碍者向け字幕サービス有(要予約・人数制限あり)

「テアトロコント vol.32」@渋谷・ユーロライブ

「テアトロコント vol.32」@渋谷・ユーロライブ

「テアトロコント vol.32」が、12月21・22日に東京・ユーロライブで開催される。

コント師”と“演劇人”の4ユニットが、交代で約30分のステージを繰り広げる「テアトロコント」。今回の演劇枠には、テアトロコント初参加となるマレビト・コントとTHE ROB CARLTONが登場する。マレビト・コントはマレビトの会のメンバーを中心にして結成された団体。彼らは出演に際し、「どんな舞台になるのか楽しみですが、緊張もしています。一番の心配は声が聞こえるだろうかということです」とコメントしている。一方、THE ROB CARLTONの村角太洋は、「きっと私たちの歴史の中でも極めて重要な1ページになると思います」と、出演に向け期待を語った。

なお、21日の公演には岡野陽一ファイヤーサンダー、22日の公演にはAマッソとかが屋がコント枠で出演する。
マレビト・コント コメント

マレビト・コント
マレビト・コント

マレビト・コントは、今回初めてのテアトロコント出演になります。どうぞよろしくお願いします。どんな舞台になるのか楽しみですが、緊張もしています。一番の心配は声が聞こえるだろうかということです。コントという概念には、笑いをモチーフにするということだけではなく、その場で即座に上演を立ち上げるという本質的な劇の可能性があります。コントのことをじっくり丁寧に考えて、本番に臨みたいです。
村角太洋(THE ROB CARLTON)コメント

THE ROB CARLTON
THE ROB CARLTON

京都のTHE ROB CARLTONのCaptain、村角太洋です。
私たちの「限りなくコメディに近い小芝居」が渋谷の地でどのようにお楽しみいただけるのか、メンバー一同非常に高揚しております。
京都で稽古をして東京でご披露をすること、なんてロマン溢れる話でしょうか。
THE ROB CARLTONとして初めて東京でお声掛けをいただいた「テアトロコント」は、きっと私たちの歴史の中でも極めて重要な1ページになると思います。
劇場でお待ちしております。