下北沢通信

中西理の下北沢通信

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<SCOOL パフォーマンス・シリーズ2017 Vol.6>「高架線」@三鷹SCOOL

<SCOOL パフォーマンス・シリーズ2017 Vol.6>「高架線」@三鷹SCOOL

原作 滝口悠生『高架線』(講談社

脚本・演出 小田尚稔

出演 伊藤拓、犬飼勝哉、郷田明希、助川紗和子、濱津隆之、濱野ゆき子、細井準

滝口悠生の小説「高架線」を小田尚稔が舞台化。7人の俳優が登場するが、俳優同士の掛け合いはいっさいない。舞台は全編俳優のモノローグによるひとり芝居の連鎖によって展開されていく。
このモノローグの連鎖形式は演劇であまり似たようなものを見たことがないユニークなスタイルだ。原作小説が複数の一人称描写の連鎖と言うあまり一般的でないスタイルで書かれており、それを舞台化したということもあるようだが、小田尚稔の演劇がもともとこうしたモノローグスタイルをとっていたことから、佐々木敦がプロデューサー役を買ってでて、滝口の「高架線」を小田の手で演劇にすることを依頼したということだったらしい。
 結果的にこのマッチングは相性抜群だったようで、演劇公演としてはこのスタイルで途中休憩を1回はさんで上演時間2時間40分というのは長すぎるという問題などを除けば小説原作の舞台としても出色の出来栄えだったと思う。
 俳優陣もよかった。観客には見えない相手役が舞台上に少しだけ出てくることや主として演じている役以外の役を俳優が短い時間だけ演じてみせるということはあるが原則ひとり語りで進行され、その俳優しかいないので観客の注目を集め続け、飽きさせないのには相当な俳優の力量が必要だと思われるが、出演者はその困難なミッションを全員が見事にクリアーしていて、犬飼勝哉以外は初めて見た俳優が多いと思うが、今後のそれぞれの活躍にも注目していきたいと思わせた。
高架線