下北沢通信

中西理の下北沢通信

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2005年演劇・舞踊年間総括アンケート

「シアターアーツ」06春号特集
「2005年演劇・舞踊年間総括アンケート」
ア ン ケ ー ト ☆締切=1/20
名前 中西理   
所属 フリー(演劇・舞踊評論) 

1、舞台ベスト5

1 矢内原美邦プロジェクト「3年2組」(吉祥寺シアター
2 ポかリン記憶舎「短い声で」(東京デザインセンター・ガレリア)
3 ポツドール「愛の渦」(シアターTOPS)
4 チュルフィッチュ「目的地」(びわ湖ホール
5 クロムモリブデン「ボウリング犬エクレアアイスコーヒー」(independent Theater 2nd)

2、アーティスト

三浦大輔ポツドール)、黒田育世(BATIK)、岡田利規チェルフィッチュ

3、もっとも先駆的・実験的だと思われた舞台、アーティスト

舞台 矢内原美邦プロジェクト「3年2組」
アーティスト 岡田利規チェルフィッチュ

4、コメント
 コンテンポラリーダンスの旗手的存在、矢内原美邦が叩きつけた演劇への挑戦状が「3年2組」。会話体としての台詞を温存しながら、その台詞を速射砲のように俳優が発話できる限界を超えた速さでしゃべらせることで、言語テキストにまるでダンスのようなドライブ感を持たせ、それが音楽や映像とシンクロしていくことで、高揚感が持続する舞台を作りあげ、21世紀の「夢の遊眠社」を思わせた。
 三浦大輔は「愛の渦」で性風俗店という下世話な世界に材をとり、性への欲望という松尾スズキ的主題を平田オリザを思わせる群像会話劇の形式で描いた。
 「短い声で」はある現代美術作家の不慮の死と残されたものたちに去来したさまざまな思いを描いた舞台だが、高知県立美術館での上演を前提に作品そのものが美術展示にもなっている趣向が秀逸だった。
5、舞台の本数 約220本