下北沢通信

中西理の下北沢通信

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丹野賢一/NUMBERING MACHINE+石川雷太「026-METAL」が中止

 本来はこの日2本のダンスプログラムを見る予定であったのだが、このうち丹野賢一/NUMBERING MACHINE+石川雷太「026-METAL」栗東芸術文化会館さきら)が中止。維新派が台風のため2日間公演中止になっていたので、すでに中止の情報は入っていて、当然台風のためだと思い込んでいたのが現地で中止に関しての情報を聞き、唖然。詳しい事情はこちらのサイト*1を参照してほしいが、3日間の公演のうち2日間を中止にしたのは近隣のマンション住民から音がうるさいという苦情があったからということが理由だというのである。
 丹野賢一/NUMBERING MACHINE+石川雷太「026-METAL」の公演を栗東芸術文化会館さきらの前の公開空地で行うという話を最初に聞いたときから、音の問題などは大丈夫なのかと内心危ぐしてはいたのだが、公演を実際に行うという発表があった時点で当然そういう問題はクリアーされたと思っていたので、なんたる見通しの甘さとちょっとびっくりしてしまった。
 さらに聞けば聞くほど大きな問題は、中止の理由を劇場側はアーティスト側の承諾なく一方的にウェブサイトで台風のために中止と発表するなどその後の対応も最悪*2だったことである。おそらくこういう事態になるまでにいろんなところでボタンの掛け違えみたいなことが起こって、事態は雪だるま的に悪化していったのではないかとも思われ、いまのところアーティスト側の言い分しか聞いていないので劇場側には劇場側の言い分があるのかもしれないが、それにしてもなんでこんなことになってしまうのか。特に栗東芸術文化会館さきらは地方の公立ホールとしては珍しいほど意欲的に独自のダンスプログラムに取り組み、発条トの白井剛による長期のワークショップなどこれまで数々の成果を上げてきた実績もあり、期待もしていただけにそこでこういうことが起こったというのが残念でならない。
 この問題は1公演の問題にとどまらずむしろ今後日本のどこでも起こりうることだとも思うので、起こってしまったことは起こってしまったこととして取り返しがつかないが、今後できるだけ同じようなことが起こらないためにもなんでこんなことが起こってしまったのかということについて検証していくことが大切だと思う。