二兎社公演42『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』@東京芸術劇場
テレビ局の報道現場を通して、現代の日本を覆う奇妙な“空気”の正体に迫った
2017年の話題作『ザ・空気』。
今年の二兎社は、これをさらにバージョンアップさせた新作に挑戦します!舞台は報道各社の政治部が入居する国会記者会館。ある出来事をめぐり、考え方も立ち位置も異なる記者たちが抜き差しならない状況に追い込まれる−−
コメディとしてはうまくできているし、面白い。だが、やはりこれは政権に対する批判派のプロパガンダ的な演劇であり、思想的立場を作者と同じくする人にしか届かない類の作品と感じた。保守系の大新聞の論説委員、某公営放送の解説委員ともに戯画化され単純化されすぎていて、真の意味でのリアルさはないが、特に松尾貴史の演じる論説委員などは演じる側の芸達者も含めだからこそ笑えるというはことはある。