下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

小松台東”east”公演「仮面」@新宿眼科画廊 スペース地下

小松台東”east”公演「仮面」@新宿眼科画廊 スペース地下

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2019年3月8日(金)−12日(火)

それぞれ 隠していること。
そして 居場所について。
    
【作・演出】松本哲也
【出 演】
瓜生和成 今村裕次郎 小園茉奈
ナイロン100℃)廣川真菜美 松本哲也

 小松台東はこれまで松本哲也のひとりユニットだったのだが、今回の公演から瓜生和成、今村裕次郎、広川真菜美の3人が正式に劇団メンバーに加わり、新体制でスタートすることになった。体制一新に伴いこれまでのような宮崎弁(方言)を使った群像会話劇ではない作風も新たに試みることにした。今回の「仮面」はその第一弾である。
「仮面」が面白いのは狭い地下空間という新宿眼科画廊スペース地下の空間的特性を生かしたサイトスペシフィックな舞台となっていること。
 劇場空間に入場すると舞台への作品アンケートと一緒に「恩赦の請求についてのアンケート」が挟み込まれていて、ここが天皇の代替わりに伴う恩赦を希望する人たち向けの説明会の会場となぞらえていることが分かる。
 開演前の前説が説明会の開始前の案内のように始められた後で、遅れた観客が入ってくるが、それは本当の観客ではなく、俳優であり、実際にはもう舞台は始まっている。ほかの出演俳優もすでに観客に混ざり込んで、会場の壁際でアクティングエリアとなる中央の空間を取り囲んでいる観客に混じって観客席に座っており、小松台東の出演俳優は以前にも公演を見たことがあるので、それと分かるが、少なくとも最初の方は本当の観客か、出演者の区別が難しいほどである。