出口典雄「シェイクスピアは止まらない」(講談社)を読了。
シェイクスピアの全作上演を敢行したシェイクスピア・シアターの演出家によるエッセイ集。古書店で見つけて購入し、読了したので現在も出版されているのかどうかは不明だが、いろんな意味で懐かしい本だった。というのは、学校で見た児童演劇などを除けば、私が最初に見た演劇がシェイクスピア・シアターの「ロミオとジュリエット」だったからだ。何回生の時だったか時期は不明*1のだが、場所は京都府立文化芸術会館だった。
実はこの時期には演劇にというよりはシェイクスピアにすごく興味があって、ちょうど英語の授業が「ハムレット」をテキストに使っていたこともあって、映画やテレビ化された作品(確かBBCのものがいくつかあったはず)は見ていたのだが、舞台は見たことがなかったので、一度見てみたいというのがきっかけであった。
渋谷のジャンジャンを拠点にジーパン、Tシャツを着た20代の若者が演じるシェイクスピアというのを売り物にしていた時代のことで、詳しい内容についてはあまり覚えてなかったのだが、ロミオとジュリエットが本当にどこにでもいるような普通な子に見える人がやっていて、これはどうなんだろうと思ったのと、第一幕がコメディっぽくてこれで大丈夫なのと思っていたら、第二幕以降に登場するロレンス神父を演じた人が明らかにひとりだけ飛びぬけてうまい人でこの人が登場すると一気に舞台が締まったことを覚えている。
ちなみにその次に見たのが当時はまだ自分と同じ京都大学の学生劇団だったそとばこまちの「夏の夜の夢」(同志社大新町別館)で、こちらはとにかく学生演劇だから演技自体はおせじにもうまいとは思えなかったが、とにかくいろんなアイデア*2が縦横無尽に盛り込まれていて、とても楽しい舞台だったことを記憶している。
そういえば確か.「Karma Chameleon」(邦題:カーマは気まぐれ、歌:CULTURE CLUB、作詞・作曲:ボーイ・ ジョージ)の歌に合わせてのダンスシーンがあったんじゃないかと記憶しているのだけれど、あれはひょっとしたら上海太郎が振付してたんだろうか。