下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

大森望著「50歳からのアイドル入門」を再読

大森望著「50歳からのアイドル入門」を再読 「ハロプロ」にハマったSF評論家・翻訳家の大森望さんが書き上げた、実用的アイドル入門書。初版が発行されたのが2016年2月。確かゲンロンのトークショーでそのことを知りすぐ購入して読んだのを記憶している。201…

「AKB48白熱論争」@幻冬舎新書

「AKB48白熱論争」@幻冬舎新書 私がももいろクローバーZの論考を書くきっかけになった書籍。AKB48全盛期と言っても過言ではない2012年の出版。最近家にある書籍の不要なものを古書店に売却処分するなど整理している中で本棚の奥からこの著作を発見。思わず…

エラリー・クイーン「青の殺人」(原書房)

エラリー・クイーン「青の殺人」(原書房) エラリー・クイーン「青の殺人」(原書房)を読了。エラリー・クイーン名義だが、作者は短編小説の名手として知られるエドワード・D・ホック。クイーンの作品と考えれば重厚さが足りないなどの評はうなずける部分…

文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 「犯人当て」的なミステリの論理を数学と対比させる構造を持つ連作短編集である。読後すぐに法月綸太郎、麻耶雄嵩、綾辻行人ら京大ミステリ研出身の作家たちの強い影響を受けていることが分かる。 各作品は「連…

後期クイーン論に向けた序章として(番外編4)  エラリー・クイーン「レーン最後の悲劇」(角川文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(番外編4) エラリー・クイーン「レーン最後の悲劇」(角川文庫) ドルリー・レーンの四部作はバーナビー・ロスというまったく別名義のペンネームを使用していて、そのことの意味が明らかにされた後はそのペンネームは封…

後期クイーン論に向けた序章として(番外編3)  エラリー・クイーン「Zの悲劇」(角川文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(番外編3) エラリー・クイーン「Zの悲劇」(角川文庫) クイーンの作品を最初に読んだのが実は「Zの悲劇」だった。というのはマニア傾向のあるミステリファンにはよくありがちなことではあるが、その時点でネタ晴らしの…

後期クイーン論に向けた序章として(番外編2)  エラリー・クイーン「Yの悲劇」(角川文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(番外編2) エラリー・クイーン「Yの悲劇」(角川文庫) 一昔前には意外な犯人のトリックの傑作としてエラリイ・クイーンならびに本格推理小説の代表作品とされていたのが「Yの悲劇」だったといっていいだろう。ただ、精神…

東浩紀「ゲンロン戦記 『知の観客』をつくる」(中公新書ラクレ)

東浩紀「ゲンロン戦記 『知の観客』をつくる」(中公新書ラクレ) 東浩紀「ゲンロン戦記 『知の観客』をつくる」(中公新書ラクレ)を読了。ゲンロンカフェには以前は足しげく通っていたのだが、最近はいつの間にか遠ざかっていた。ましてやコロナ禍以降は有…

後期クイーン論に向けた序章として(番外編)  エラリー・クイーン「Xの悲劇」(創元推理文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(番外編) エラリー・クイーン「Xの悲劇」(創元推理文庫) 「Xの悲劇」はエラリイ・クイーンの初期作品のうちバーナビー・ロス名義で発表されたドルリー・レーン四部作の最初の作品である。第一の殺人の犯人像を絞り込む…

後期クイーン論に向けた序章として(4)  エラリイ・クイーン「九尾の猫」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(4) エラリイ・クイーン「九尾の猫」(ハヤカワ・ミステリ文庫) 次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめず…

後期クイーン論に向けた序章として(1)  エラリイ・クイーン「災厄の町」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

後期クイーン論に向けた序章として(1) エラリイ・クイーン「災厄の町」(ハヤカワ・ミステリ文庫) 「災厄の町」はエラリイ・クイーンの後期の代表的作品。ニューヨークの北方に位置する山麓の街であるライツヴィルを舞台とする連作「ライツヴィルもの」…

ジョン・ディクスン・カー「四つの凶器」@創元推理文庫

ジョン・ディクスン・カー「四つの凶器」@創元推理文庫 アガサ・クリスティーとエラリー・クイーンは一部ノンミステリやジェビナイルを除いて、ほとんどの作品を複数回読んでいるはずだが、それと比較すると三大巨匠と言われている中で、ジョン・ディクスン…

佐々木敦「小さな演劇の大きさについて」

佐々木敦「小さな演劇の大きさについて」 佐々木敦の演劇論集「小さな演劇の大きさについて」を読んだ。演劇論集とは書いたが、演劇についてのまとまった論考というよりはこれまでさまざまな媒体に書いた演劇に関する文章をまとめて一冊にしたものだというこ…

ルース・レンデル「悪意の傷跡」@ハヤカワ・ミステリ

ルース・レンデル「悪意の傷跡」@ハヤカワ・ミステリ 「悪意の傷跡」(1999年)はウェクスフォード警部シリーズとしては日本語に翻訳された最後の作品である。この後も「 The Babes in the Wood」(2002年)、「End in Tears 」(2005年)、「Not in the Fl…

コリン・デクスター「謎まで三マイル」@早川ミステリ文庫

コリン・デクスター「謎まで三マイル」@早川ミステリ文庫 「謎まで三マイル」も人物の失踪と身元不明の遺体の発見からはじまるが、こちらの方は失踪したのが退官まじかのオックスフォード大学の教授たちであり、その意味ではその後のシリーズの展開などを考…

コリン・デクスター「ウッドストック行最終バス」@ハヤカワ・ミステリ文庫

コリン・デクスター「ウッドストック行最終バス」@ハヤカワ・ミステリ文庫 ウッドストック行最終バス モース主任警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:コリン デクスター発売日: 2015/09/30メディア: Kindle版 夕闇のせまるオックスフォード。なかなか来ない…

コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」@ハヤカワ・ミステリ文庫

コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」@ハヤカワ・ミステリ文庫 キドリントンから消えた娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:コリン デクスター発売日: 1989/12/01メディア: 文庫

ルース・レンデル「聖なる森」@早川書房

ルース・レンデル「聖なる森」@早川書房 風光明媚な英国の田舎町キングズマーカムでは、ロンドンへの交通の便を良くするため、かねてからの懸案だったバイパス道路建設計画が、急ピッチで進められていた。しかし自然を愛する地元住民や環境保護団体が、反対…

ルース・レンデル「もはや死は存在しない」(角川文庫)

ルース・レンデル「もはや死は存在しない」@角川文庫 もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)作者:ルース・レンデルメディア: 文庫 「もはや死は存在しない」 “聖ルカの小さな夏”と呼ばれる小春日和の一日が終ろうとする頃、少年行…

ルース・レンデル「運命のチェスボード」(創元推理文庫)

ルース・レンデル「運命のチェスボード」(創元推理文庫) アンという女が殺された。犯人はジェフ・スミスだ―そんな匿名の手紙がキングズマーカム署に届いた。ウェクスフォード警部は調査を開始したが、死体さえ発見されない状況に困惑せざるを得ない。本当…

ルース・レンデル「もはや死は存在しない」@角川文庫

ルース・レンデル「もはや死は存在しない」@角川文庫 もはや死は存在しない (角川文庫―ウェクスフォード警部シリーズ)作者:ルース・レンデルメディア: 文庫 「もはや死は存在しない」 “聖ルカの小さな夏”と呼ばれる小春日和の一日が終ろうとする頃、少年行…

青崎有吾「水族館の殺人」「図書館の殺人」(創元推理文庫)

青崎有吾「水族館の殺人」「図書館の殺人」(創元推理文庫) 水族館の殺人 (創元推理文庫)作者:青崎 有吾発売日: 2016/07/28メディア: 文庫図書館の殺人 (創元推理文庫)作者:青崎 有吾発売日: 2018/09/12メディア: 文庫

「体育館の殺人」(青崎有吾著)@創元推理文庫

「体育館の殺人」(青崎有吾著)@創元推理文庫 今年の夏頃、京大ミステリ研の設立45周年記念のシンポジウムでゲストとなっていた著者と会い、すぐこの著書の問題編を読み、推理のために読み返そうと思ったままそのままになっていたのをやっと全編を読み通すこ…

ももクロとAKB 対談 さやわか×西兼志 アイドル〈の/と〉歴史(「エクリヲ10」から)

対談 さやわか×西兼志 アイドル〈の/と〉歴史(「エクリヲ10」から) 「エクリオ」は佐々木敦主宰の「映画美学校 批評家養成ギブス第3期」のメンバーを中心に刊行された批評誌。お布団の公演のロビーで手に入れた「エクリオ10」は「一〇年代ポピュラー文化…

ゲンロンカフェ「木ノ下裕一 × 東浩紀」とエラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」(創元推理文庫)

[トーク]ゲンロンカフェ「木ノ下裕一 × 東浩紀」 小松左京が復活する?!──SFアマチュア読者2人がそれぞれの仕事と絡めて考える偉人の現代的可能性 [本]エラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」(創元推理文庫) エラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」(創元推…

コリン・デクスターが死去

英国の人気警察小説「主任警部モース」シリーズの作家コリン・デクスターさんが21日、オックスフォードの自宅で死去した。出版元が発表した。86歳だった。最後のモース警部の本を読んでから16年もたっていた。テレビシリーズは時々見ていたけれど。2001年2月…

村上春樹著「騎士団長殺し 第1部」

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/02/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (57件) を見る村上春樹著「騎士団長殺し 第1部」amazonから自宅に到着。読み始める。

早川ミステリマガジン2017年3月号 アガサ・クリスティー特集

ミステリマガジン 2017年 03 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/01/25メディア: 雑誌この商品を含むブログ (3件) を見る 京大ミステリ研時代に書いて機関誌「蒼鴉城」に発表したクリスティ論*1を書き直したいと思ったがまだ果たせていない。…

フランシス・M・ネヴィンズ「エラリー・クイーン 推理の芸術」

エラリー・クイーン 推理の芸術作者: フランシス・M.ネヴィンズ,Francis M. Nevins,飯城勇三出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/11/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る

柴那典「ヒットの崩壊」(講談社現代新書)

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)作者: 柴那典出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/11/16メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る CD売り上げをランキングするオリコンチャートなどが本来の意味を失っていく中で音楽消費はどうなっているのか…