劇団チョコレートケーキ企画公演「ドキュメンタリー」@下北沢楽園
1985年、日本に新しい病気が姿を現した。その感染経路の一つは『薬』。-
1985年、後天性免疫不全症候群いわゆるAIDSの脅威が
日本の水面下に拡大しつつあった。とある製薬会社の社員の一人が
ジャーナリストに内部告発を行う。そしてジャーナリストと社員は
日本医学界の深い闇を知る・・・【脚本】古川健
【演出】日澤雄介
【出演】浅井伸治/岡本篤/西尾友樹
【劇場】小劇場 楽園 (世田谷区北沢2-10-18 藤和下北沢ハイタウンB棟 地下1階)
【公演日程】全13ステージ
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※受付は開演の40分前、開場は開演の30分前
※上演時間は1時間20分~1時間25分を予定
※チケットをご予約のお客様でも、
開演の10分前を過ぎますとお席を確保出来なくなりますので、
お早めのご来場をお願い致します。【料金】
全席指定席
前売 ¥3,500
当日 ¥3,800
U25 ¥3,000 (25歳以下。要証明書提示。)【スタッフ】
舞台美術 鎌田朋子
照明 松本大介(松本デザイン室)
音響 佐久間 修一(POCO)
衣装 藤田 友
舞台監督 本郷剛史
宣伝美術 R-design
写真 池村隆司
撮影 神之門 隆広(tran.cs)
Web ナガヤマドネルケバブ
制作 菅野佐知子
制作協力 塩田友克企画・製作 一般社団法人 劇団チョコレートケーキ
助成金 芸術文化振興基金助成事業【協力】
トム・プロジェクト
POCO
tran.cs
松本デザイン室
舞台美術研究工房 六尺堂
蒻崎今日子
(順不同・敬称略)【お問合せ】
劇団チョコレートケーキ
info@geki-choco.com
ナチズム、イスラエルから朝鮮半島の隠された歴史まで社会や歴史の問題に正面から取り組んできた劇団チョコレートケーキが今回主題に選んだのは薬害AIDSの問題である。これまでも作劇に関わり実際の事実関係を詳しくリサーチしたうえで作品化してきた同劇団だが、今回あえてその表題を「ドキュメンタリー」としたというのはかなり大きな意味合いがあるのではないかと思われた。
この作品はひとりのフリージャーナリストが内部情報を得てグリーン製薬(ミドリ十字)の薬害AIDS事件について取材していく過程でこの会社が旧日本軍731部隊と関係があると分かり、人体実験などを行ったその部隊の倫理的な逸脱がその後の薬害AIDS事件までつながる体質的なものがあったのではないかという話になっている。それは間違いではないのだろうけれどどうやら731部隊の件への作者の関心が強すぎることで、薬害AIDS事件についてのドキュメンタリー演劇としては焦点がボケてしまったきらいがある。
作中のジャーナリストの取材は内部告発者であるグリーン製薬の社員が脱落してしまうことで、途絶してしまうわけ。舞台は朝日新聞が大学教授ルートの取材で薬害AIDSの患者の存在を明らかにするスクープ記事を打つというところで終わっているのだが、この終わり方も釈然としないところがある。
11月に上演される予定の次回作「遺産」が本格的に731部隊を取り上げたものらしいので、今回だけではなく、この作品と合わせて評価すべきものなのかもしれない。