下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

『筒井康隆入門』刊行記念、極私的ツツイ長短編ベスト対決!@三鷹SCOOL

筒井康隆入門』刊行記念、極私的ツツイ長短編ベスト対決!@三鷹SCOOL

出演
佐々木敦大森望
日程
10月15日(日)19:00スタート
料金
予約1,500円 当日2,000円(+1ドリンクオーダー)
10.15 SUN 19:00
オープンはスタートの30分前になります。

拙著『筒井康隆入門』(星海社新書)の刊行記念として、大森望さんをゲストにお迎えして、トークイベントを行います。
内容は、大森パイセンと僕がそれぞれ、筒井康隆の膨大な小説群の中から、長編のマイベスト5と短編のマイベスト10を事前に選び、その場で発表するというものです。
お互い、どんな作品を選んだのかは、当日まで秘密です。
さて、いったい何が上位に来るのでしょうか?
皆さんもぜひ、ご自分のマイベスト筒井康隆を選んだ上でご参加下さい。
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佐々木敦

筒井康隆 長編ベスト5>
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大森望
1『虚航船団』
2『ダンシング・ヴァニティ』
3『ロートレック荘事件』
4『美藝公』
5『わたしのグランパ』
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佐々木敦
1『虚人たち
2『脱走と追跡のサンバ
3『大いなる助走』
4『夢の木坂分岐点』
5『ダンシング・ヴァニティ』
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筒井康隆 短編ベスト10>
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大森望
1「鍵」
2「到着」
3「関節話法」
4「遠い座敷」
5「熊の木本線」
6「フル・ネルソン」
7「蟹甲癬」
8「繁栄の昭和」
9「魚籃観音記」
10「秒読み」
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佐々木敦
1「遠い座敷」
2「驚愕の曠野」
3「東海道戦争」
4「中隊長」
5「熊の木温泉」
6「バブリング創世記」
7「上下左右」
8「デマ」
9「ペニスに命中」
10「お紺昇天」

笑の内閣「名誉男性鈴子」(作・演出:高間響)@こまばアゴラ劇場(2回目)

笑の内閣「名誉男性鈴子」(作・演出:高間響)@こまばアゴラ劇場

平成の大合併で誕生した南アンタレス市初の女性市議会議員、黄川田鈴子は女性の社会進出の象徴として活躍していた実績をかわれ、引退する市長の後継指名を受け市長選へ出馬していた。しかし、鈴子は女性の社会進出の象徴といいながら、実際はきわめて男尊女卑的な言動を繰り返す、まさに「名誉男性」だった。
笑の内閣の次回作は、アパルトヘイト時代の南アフリカの名誉白人のごとく、男社会で男以上に女性差別を繰り返す名誉男性を笑うジェンダーフリーコメディー!


笑の内閣

2005年に京都で旗揚げ。実寸リングで本当にプロレスする芝居と時事ネタコメディを得意とする。
契約した劇場から内容が反社会的過ぎると上演拒否にあった際は、表現弾圧と戦うと称して識者やメディアとスクラムを組んで問題化したり、風営法問題を扱った芝居では初演に来場した国会議員から「法案改正の説得材料のために他の議員に見せたい」と招かれ、永田町公演を実現するなど、政治面は特に強さをみせている。CoRich舞台芸術まつり!2014春準グランプリ。

出演
中谷和代(ソノノチ)
熊谷みずほ
土肥希理子
石原正一(石原正一ショー)
諸江翔大朗(ARCHIVES PAY)
髭だるマン(爆劇戦線⚡和田謙二)
しゃくなげ謙治郎(爆劇戦線⚡和田謙二)
丹下真寿美
池川タカキヨ(ピルドレン)
神田真直(劇団なかゆび)
スタッフ

舞台監督:稲荷(十中連合)
音響:島崎健史(ドキドキぼーいず)
舞台美術:栗山万葉
演出補佐:余ティムラ
宣伝美術:脇田友
制作:渡邉裕史 新原伶(劇団なかゆび) 坪井梢
広報協力:吉岡ちひろ

フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』(作・演出:柴 幸男)@東京芸術劇場シアターウエスト 

フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』(作・演出:柴 幸男)@東京芸術劇場シアターウエス

キャスト
大石将弘 (ままごと|ナイロン100℃)
岡田智代
小山薫子
串尾一輝 (青年団)
鈴木正也
椿真由美 (青年座)
野上絹代 (FAIFAI|三月企画)
端田新菜 (ままごと|青年団)
藤谷理子
森岡光 (不思議少年)
 

作・演出
柴 幸男 (ままごと)

演出助手
きまたまき

舞台監督
山下 翼、高橋淳一

舞台美術
青木拓也

舞台美術補佐
濱崎賢二

音楽
柯智 豪 -Blaire KO-

音響
星野大輔 (サウンドウィーズ)

音響操作
反町瑞穂 (Sugar Sound)

照明
筆谷亮也

照明操作
しもだめぐみ、三嶋聖子


映像
鹿野護(WOW / 未来派図画工作)、曽根宏暢(東北工業大学)、稲垣拓也(WOW)、齋藤勇樹(WOW)

映像テクニカル
須藤崇規

衣裳
TRAN 泉

衣裳コーディネーター
林 秉豪 -Keith LIN-

空間構成 [エントランス]
安藤僚子 (デザインムジカ)

宣伝写真
Ivy Chen、濱田英明

宣伝写真ヘアメイク
鷲塚明寿美

宣伝美術
原田祐馬 (UMA / design farm)

記録
陳 冠宇 -Kuan-Yu CHEN-

字幕翻訳
クリス・グレゴリー

字幕翻訳監修
水谷八也

特設WEB編集
落雅季子(LittleSophy)

広報協力
ポーラ美術館

特別協力
急な坂スタジオ

協力
株式会社オポス、レトル、青年座青年団ナイロン100℃、スイッチ総研、FAIFAI、不思議少年、三月企画

制作
荒川真由子 (フェスティバル/トーキョー)、加藤仲葉 (ままごと)

制作統括
河合千佳 (フェスティバル/トーキョー)、宮永琢生 (ままごと|ZuQnZ)

台湾コーディネーター
新田幸生

インターン
グンナレ 更、小林春菜、林美沙希、山本茉惟

フロント運営
つくにうらら

主催
フェスティバル/トーキョー、一般社団法人mamagoto

新作歌舞伎・極付印度伝「マハーバーラタ戦記」@歌舞伎座

新作歌舞伎 極付印度伝「マハーバーラタ戦記」@歌舞伎座

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演 
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出

序幕 神々の場所より
大詰 戦場まで

今回演出を担当した宮城聰は自らが芸術監督を務めるSPACでも「マハーバーラタ」を上演、こちらはかつてピーター・ブルックが同作品を上演したアヴィニョン演劇祭の石切場跡地で上演され評判をよんだが、それと今回の作品はどちらも同じ叙事詩マハーバーラタの一部からテキストをとったとはいえ、まったく別の物語だ。
とはいえ、神々の導きにより、王族の一族の間の争いを戦記として壮大に描いた今回の物語は歌舞伎という古典芸能の上演形式とも極めて親和性の高いもので、今回の舞台も再演することに値するものであったが、ちょうどスーパー歌舞伎の「三国志」で次々と続編が上演されたように歌舞伎は新たな物語の鉱脈を堀り当てたのではないかと思った。

笑の内閣「名誉男性鈴子」(作・演出:高間響)@こまばアゴラ劇場

笑の内閣「名誉男性鈴子」(作・演出:高間響)@こまばアゴラ劇場

平成の大合併で誕生した南アンタレス市初の女性市議会議員、黄川田鈴子は女性の社会進出の象徴として活躍していた実績をかわれ、引退する市長の後継指名を受け市長選へ出馬していた。しかし、鈴子は女性の社会進出の象徴といいながら、実際はきわめて男尊女卑的な言動を繰り返す、まさに「名誉男性」だった。
笑の内閣の次回作は、アパルトヘイト時代の南アフリカの名誉白人のごとく、男社会で男以上に女性差別を繰り返す名誉男性を笑うジェンダーフリーコメディー!


笑の内閣

2005年に京都で旗揚げ。実寸リングで本当にプロレスする芝居と時事ネタコメディを得意とする。
契約した劇場から内容が反社会的過ぎると上演拒否にあった際は、表現弾圧と戦うと称して識者やメディアとスクラムを組んで問題化したり、風営法問題を扱った芝居では初演に来場した国会議員から「法案改正の説得材料のために他の議員に見せたい」と招かれ、永田町公演を実現するなど、政治面は特に強さをみせている。CoRich舞台芸術まつり!2014春準グランプリ。

出演
中谷和代(ソノノチ)
熊谷みずほ
土肥希理子
石原正一(石原正一ショー)
諸江翔大朗(ARCHIVES PAY)
髭だるマン(爆劇戦線⚡和田謙二)
しゃくなげ謙治郎(爆劇戦線⚡和田謙二)
丹下真寿美
池川タカキヨ(ピルドレン)
神田真直(劇団なかゆび)
スタッフ

舞台監督:稲荷(十中連合)
音響:島崎健史(ドキドキぼーいず)
舞台美術:栗山万葉
演出補佐:余ティムラ
宣伝美術:脇田友
制作:渡邉裕史 新原伶(劇団なかゆび) 坪井梢
広報協力:吉岡ちひろ

笑の内閣は様々な社会的な問題をコメディーに仕立てあげて上演している劇団。漫画・アニメの表現規制、クラブの深夜営業規制、ネット右翼のヘイト行為、原発事故被害に遇った福島への修学旅行などビビッドでありながら、単純に面白、おかしく取り上げることが困難な対象に果敢に斬り込んでいった。
今回選んだのは性差別の問題。昨今のように政治的な正しさ(ポリティカルコレクトネス)が重要視される世の中ではこうした問題への揶揄的な表現に少しでも差別の影が見えたというだけで最近あったテレビでの出来事のように袋叩きにされかねないような危険を孕んでいるが、その中で地方の市長選に立候補する女性候補の陣営を舞台にそれこそ政治的に正しくない言葉がここぞとばかりに飛び交う。そんな状況をどういう立場の人が見たとしても思わず「あるある」として笑えるコメディーに仕立てあげた高間響の手腕は相当のものだ。

ももクロ有安杏果、ソロ初アルバム『ココロノオト』を聴いてみた

ももクロ有安杏果、ソロ初アルバム『ココロノオト』を聴いてみた

 有安杏果の待望のソロアルバムがついに発売された。図抜けたトータルでの完成度の高さに舌をまいたが、それでいてどこを切っても有安杏果というのはこのアルバムがセルフプロデュースだからであろう。

しかも武部聡志本間昭光ら日本を代表するベテランアレンジャーを含めアルバム全体をプロデュースしたとしてもおかしくないキャリアのアレンジャー・プロデューサーらを曲ごとに入れ替えて制作していることだ。 それでいてばらついた印象にならないのはその全体を文字通りに杏果自身が統率していて一緒に作品作りをする相手に対していっさい妥協なく自分の美意識に基づいて練り込んでいることだ。

 そして「ココロノオト」のもうひとつの特徴はこのは曲順が曲が出来た順番に並んでいることである。

 実はももクロ主演映画「幕が上がる」に感じた共通項があり、それはいずれも「順撮り(録り)」だということだ。そしてそうしたことで出来上がった作品は期せずして彼女(たち)の成長の記録ともなっている。そして、結果はアイドルだと先入観を持って見始めた(聞き始めた)人をクオリティの高さで驚かせる。

 映画「幕が上がる」の成功は有安杏果に重要な経験も与えたと思っている。それは夏菜子と一緒に収録した駅のホームでの場面。メイキングを見るとよく分かるのだが、この場面で撮影したカットのうちどれを最終的に使うということについて杏果と夏菜子は本広克行監督に撮影終了後監督の判断に対し異論を唱えて強くつめよっている。この場面は結局、監督が2人の意見を考慮しながら再考しカットのつなぎを駆使してこの映画屈指の名場面となった。こういう場面で経験の浅い俳優が監督が出した結論に異論を唱えられるものなのかということに一般論としては疑問を感じなくもないのだが、杏果も夏菜子もそこで妥協を許さず努力すればそれだけ作品はよくなるということを実体験として学んだ。

 「ペダル」でアレンジャーとしては日本駆使の大御所のひとりである本間昭光に杏果が出来上がってきたアレンジに何度も注文を付けて作り直させたという話を聞いたときにいかにも杏果らしいと思った半面、「それは普通許されるのだろうか」と考えたのだが、これも映画の時の経験が生きているのかもしれない。

 一層この子容赦ないわと思ったのは1.0で「ペダル」のアコースティックギターの生演奏で披露するために本間アレンジを完全にアレンジし直してしまったこと。「ペダル」は横アリの時のミニアルバムにも収録されておらず、原アレンジを聴く機会は限られてしまっていたので、今回のソロアルバムで音源が初披露されたことは個人的には喉にささった骨がやっと取れた感もあるのだ。

アルバムは順録りとは書いたが大きく分けると3つのブロックに分けられるかもしれない。最初の ブロックは自らの作詞曲を武部聡志本間昭光ら大御所クラスから始まり、

脂の乗り切った三十代半ばの久保孝一、宮崎誠らにアレンジを依頼した曲が並び、特に久保孝一にはギター演奏とギターでの曲作りも師事し作曲のノウハウを学んだ。

 ここのブロックでは「ハムスター」と「ペダル」がいい。特に「ハムスター」は実際には一番最初に作りだした曲ともいうが、自らをハムスターに準えるユーモアと自虐の絶妙なバランスがいかにも杏果らしいと思うし、自らの心情を曲にしたとはいえ、専門の作曲家のアドバイスもあったためかアルバム後半の極私的なイメージを綴った「色えんぴつ」「ヒカリの声」と比べるとキャッチーで聞きやすくもある。この曲もvol.0で披露されて以降、音源化されることもなく幻の名曲的な存在になっていたから、ここでアルバムに収録されたのは嬉しいことだった。杏果のソロ曲はももクロの楽曲とは全体としては雰囲気が違う曲が多いのだが、その中ではこの「ハムスター」はもし仮に5人に歌割りされてももクロのアルバムに収録されていたとしても比較的違和感がなかったのではないかと思う。というのはももクロの曲は彼女らが所属するスターダストプロモーション、そしてかつて所属していたキングレコードスターチャイルドレーベルにちなんで、星や宇宙についてのイメージがちりばめられていることが多いのだが、

街頭の灯りが明るい都会の空 星ひとつ見えない無色の空 だけどそこにひっそりと
月が佇むように 確かな光 放ち続けてたい

という冒頭の歌詞ひとつとっても「月」や「星」に自らをなぞらえていることがあってこれは例えばそれがももクロのことであれば夏菜子の「太陽」に対し、自分を「星」や「月」に位置づけているようにも思えるし、あるいはこの世界の輝く存在に対して自分たち(ももクロ)のことをそう感じているようにも解釈できるような要素も含んでいるからだ。

 一方、中盤の「Drive Drive」以降は杏果が個人的に大好きで楽曲をよく聴いているアーティストからの提供曲が並ぶ。ここでも選択のセンスに感心させられたが、よかったと思うのはいずれのアーティストへの依頼もレコード会社のプロデューサーである宮本淳之介を通じて行っていることだ。実はこの辺りの曲を聴いて思ったのは以前にも書いたことがあるが有安杏果ソロの楽曲はももクロの未来図だということだ。

ももクロの楽曲はつんく秋元康ら特定の作家がプロデュースするのではない、作家陣の多様性にあることは確かだ。とはいえ、方向性がまったくないわけではなくて、テイストというのはあってそれを司っているのが、音楽プロデューサーの宮本なのだ。ところが、杏果ソロ楽曲の特徴というのは通常のももクロ楽曲ならば宮本が絶対に楽曲製作を依頼しないであろうようなアーティストの楽曲も含まれている。

 「愛されたくて」「遠吠え」の風味堂渡和久)、「裸」の小谷美沙子といった人たちがそうなのだが、宮本を通じて楽曲依頼をしたことでパイプを増やしたのは将来的に大きいような気がする。もちろん、今回制作された楽曲もよい。「愛されたくて」「裸」はいずれもそれまでの杏果になかった新たな魅力を引き出してくれたという意味で注目していたが、特に「愛されたくて」は小沢健二を彷彿とさせるような小洒落た雰囲気を醸し出し「杏果はこういう歌も歌えるんだ」と感銘を受けた。

 

ココロノオト【初回限定盤A】

ココロノオト【初回限定盤A】

ココロノオト【初回限定盤B】

ココロノオト【初回限定盤B】

有安杏果
1st ALBUM「ココロノオト」
2017年10月11日(水)発売!!

【初回限定盤A(CD+Blu-ray)】
品番:KICS-93535
価格:,704+税

[CD]
1. 心の旋律
2. Catch up
3. ハムスター
4. ペダル
5. feel a heartbeat
6. Another story
7. Drive Drive
8. 裸
9. 愛されたくて
10. 遠吠え
11. 小さな勇気
12. TRAVEL FANTASISTA
13. 色えんぴつ
14. ヒカリの声

[Blu-ray]

「ヒカリの声」
「色えんぴつ」
「Catch up」

特典映像
「ヒカリの声」Music Video メイキング映像

フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』(作・演出:柴幸男)@東京芸術劇場シアターイースト 

フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』(作・演出:柴 幸男)@東京芸術劇場シアターイース

キャスト
大石将弘 (ままごと|ナイロン100℃)
岡田智代
小山薫子
串尾一輝 (青年団)
鈴木正也
椿真由美 (青年座)
野上絹代 (FAIFAI|三月企画)
端田新菜 (ままごと|青年団)
藤谷理子
森岡光 (不思議少年)
 

作・演出
柴 幸男 (ままごと)

演出助手
きまたまき

舞台監督
山下 翼、高橋淳一

舞台美術
青木拓也

舞台美術補佐
濱崎賢二

音楽
柯智 豪 -Blaire KO-

音響
星野大輔 (サウンドウィーズ)

音響操作
反町瑞穂 (Sugar Sound)

照明
筆谷亮也

照明操作
しもだめぐみ、三嶋聖子


映像
鹿野護(WOW / 未来派図画工作)、曽根宏暢(東北工業大学)、稲垣拓也(WOW)、齋藤勇樹(WOW)

映像テクニカル
須藤崇規

衣裳
TRAN 泉

衣裳コーディネーター
林 秉豪 -Keith LIN-

空間構成 [エントランス]
安藤僚子 (デザインムジカ)

宣伝写真
Ivy Chen、濱田英明

宣伝写真ヘアメイク
鷲塚明寿美

宣伝美術
原田祐馬 (UMA / design farm)

記録
陳 冠宇 -Kuan-Yu CHEN-

字幕翻訳
クリス・グレゴリー

字幕翻訳監修
水谷八也

特設WEB編集
落雅季子(LittleSophy)

広報協力
ポーラ美術館

特別協力
急な坂スタジオ

協力
株式会社オポス、レトル、青年座青年団ナイロン100℃、スイッチ総研、FAIFAI、不思議少年、三月企画

制作
荒川真由子 (フェスティバル/トーキョー)、加藤仲葉 (ままごと)

制作統括
河合千佳 (フェスティバル/トーキョー)、宮永琢生 (ままごと|ZuQnZ)

台湾コーディネーター
新田幸生

インターン
グンナレ 更、小林春菜、林美沙希、山本茉惟

フロント運営
つくにうらら

主催
フェスティバル/トーキョー、一般社団法人mamagoto


柴幸男の「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」からは新海誠監督の映画 「ほしのこえ」「君の名は。」と似た空気感を感じた。それはいずれの作品も人と人を隔てる「距離」がメインモチーフとなっていたからなのかもしれない。
距離の広がりは「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」では病院の隣のベッドで生まれた時からはじまり、「あなた」が隣の家、川をへだてた隣町、そして震災の悲劇に出会った西の都市(明らかに神戸がモデル)へと引っ越しいくことで広がっていく。さらに「あなた」は引っ越して劇場がテロに襲われた海外の都市(パリの劇場襲撃テロ事件)へとその距離を広げていく。
 具体的な描写はないけれど最後にはこの距離の隔たりは宇宙まで広がることさえ示唆され、それが「ほしのこえ」を連想させた一因にもなったのだけれど最後は現世の空間的距離を越えて、すでにこの世を去った霊的な存在と今を生きる人間として再び出会うことで終わる*1
 ただ、柴と新海が違うのは新海の場合はその距離感は男女間のものでもあり(そして「君の名は。」では時間的距離も)であり、それは究極状況の遠距離恋愛といってもいい。
 柴の場合はこの「わたしが~」にも、そして代表作である「わが星」には男女間の恋愛は出てこない*2。ともに幼なじみの女性の友情の物語になっているのが、恋愛要素ばやりの昨今の作品の中では珍しくもあり面白い。
なお、この作品の最大の特徴は「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」@シアターイーストと同@シアターウエストと隣り合った2つの劇場で劇世界を共有した2つの作品が同時進行することだ。今回見たのはシアターイースト(東の劇場)の舞台で、途中随時登場人物の東から西への、あるいは西から東への移動はあるのだが、それぞれの劇場(世界)で展開されていることは別の劇場(世界)からは見えない。シアターウエストでの上演は2日後(13日)に観劇の予定だが、悲劇がここではないどこか他所で起こるのを静かに見守るだけのこちらの世界に対してより動的(ダイナミック)な世界が展開されるだろうということを予想しているが果たしてどうなることだろうか。
 

*1:君の名は。」的な要素が多少あるかも

*2:地球を見守る少年という象徴的な存在はでてくるが、これは恋愛ではないだろう。

F/Tシンポジウム「劇評の今から見る 国際フェスティバル事情」@早稲田大学戸山キャンパス

F/Tシンポジウム「劇評の今から見る 国際フェスティバル事情」@早稲田大学戸山キャンパス

シンポジウム「劇評の今から見る、国際フェスティバル事情」
10/9(月祝) 14:00-17:00 早稲田大学戸山キャンパス 33号館3階第1会議室にて、入場無料。登壇者は、ユンチョル・キム、オクタヴィアン・サイウ、藤井慎太郎、野田学、市村作知雄。

東京芸術祭についての市村作知雄の発言


東京芸術祭とフェスティバル/トーキョーのある意味微妙な関係がその一方であるF/T側の当事者から聞けてそれだけでも刺激的なシンポジウムだった。東京芸術祭は豊島区の芸術事業(あうるすぽっとなど)、東京芸術劇場、F/T、アジア国際芸術祭の4つの事業が統合して寄り大きな規模で開催される国際フェスティバルという触れ込みであったが、F/T側には何の連絡もなかった。東京芸術祭側の関係者から一部F/Tはなくなってここに統合されるというような趣旨の発言があったようだが、F/Tをやるかどうかを決められるのはF/Tだけであり、東京都(アーツカウンシル東京)には助成金を止める権限はあるとしても、東京都からの助成金がゼロになっても何とかほかに財源を見つけて実行するだけである。私の知る限りすでに言われたような統合した形での東京芸術祭が行われるということは来年はもうなくなった。その先のことについては未定である。

マレビトの会 / Marebito フェスティバル/トーキョー17『福島を上演する』(2回目)@池袋シアターグリーンBASETHETER

マレビトの会 / Marebito フェスティバル/トーキョー17『福島を上演する』(2回目)@池袋シアターグリーンBASETHETER

過ぎ去っていく数々の「出来事」から、福島の「いま」を垣間見る

複数の作家が福島に取材し書いた戯曲を、いかに現在の「出来事」として劇場に立ち上げるのか。ごくシンプルな空間で、俳優の身体のみを使い、各エピソードにつき一度きりの上演に挑戦したマレビトの会『福島を上演する』が、昨年に引き続き、フェスティバル/トーキョーに登場する。前身となった『長崎を上演する』(2013−16) と同様、歴史に回収されるのではない、日常の時間に潜むドラマを採集、舞台化する本プロジェクト。2年目となる今回は、これまで福島市内に限定していた取材範囲を県内全域まで拡大、場所や時間、登場人物はもちろん、戯曲のスタイルまでさまざまに異なる戯曲の連続上演を通じ、より多面的な福島の姿を浮かび上がらせる。全12回にわたる公演に登場するエピソードの一つひとつは、とらえどころのない、過ぎ去っていく時間の断片にも思えるだろう。だが、眼前に現れては消えるその風景の連続には、福島の「いま」が、確かに映し込まれているはずだ。

チラシはこちらから。

◇本作品は1公演につき、複数の書き手(アイダミツル、神谷圭介、草野なつか、島崇、高橋知由、松田正隆、三宅一平、山田咲)による複数の戯曲で構成されています。
◇12公演全体で1つの作品というコンセプトのもと、各回、上演される戯曲・構成が異なります。
◇日本語上演
◇『福島を上演する』は『長崎を上演する』(13〜16)から続く長期プロジェクトです。上演戯曲・構成および関連インタビュー等、ご観劇の参考にご覧ください。(『長崎を上演する』アーカイブ

○上演戯曲
10月7日(土)16:00
国宝白水阿弥陀堂(山田 咲)
パークウィンズ(草野なつか)

10月7日(土)19:30
握手会にて(島 崇)
石炭・化石館 ほるる(松田正隆
老人の話(三宅一平)

10月8日(日)14:00
ヒミツホテル(アイダミツル)
国道6号線(草野なつか)

10月8日(日)17:30
エブリデイ・エブリナイト(松田正隆
遺骨収集(三宅一平)

10月9日(月祝)14:00
衛星、船着場、または新しい軌跡(高橋知由)
回転寿司にて(神谷圭介
こずえと茂吉(三宅一平)

10月9日(月祝)17:30
トミー理髪店(アイダミツル)
涙の木(三宅一平)
アクアマリンふくしまサンゴ礁の海」にて(松田正隆
スポーツショップ(神谷圭介

10月12日(木)19:30
上演と陰謀(松田正隆
革命(神谷圭介

10月13日(金)19:30
あなたはわたしの劇場(松田正隆
富岡川 子安橋より(島 崇)

10月14日(土)16:00
イオンシネマのベンチにて(松田正隆
メタスタ(アイダミツル)

10月14日(土)19:30
帰れない2n人(高橋知由)
磐越東線、いわき行き(松田正隆

10月15日(日)14:00
番外編 大阪の福島にて(島 崇)
点字図書館にて(神谷圭介
塩屋埼灯台(山田 咲)

10月15日(日)17:30
パン屋の跡地にて(高橋知由)
守山さんの受難(草野なつか)
北白河宮家和子さま、道の駅「よつくら港」来訪のこと(松田正隆

演目順は変更になる場合があります。

○日時:
10/7(土) 16:00 / 19:30
10/8(日) 14:00 / 17:30★(英語字幕あり)
10/9(月・祝) 14:00 / 17:30
10/10(火) 休演日
10/11(水) 休演日
10/12(木) 19:30
10/13(金) 19:30 ★
10/14(土) 16:00 / 19:30★
10/15(日) 14:00 / 17:30

受付開始は開演60分前、開場は15分前。
上演時間:約60〜80分(演目ごとに異なります)

10/8(日)17:30の回のみ、英語字幕が入ります。あらかじめご了承ください。

本公演は演出の都合上、開演時間を過ぎてからのご入場ができない場合がございます。お早めのご来場をお願いいたします。

★=終演後、ポスト・パフォーマンストークあり
10/8(日)17:30|松田正隆×マレビトの会プロジェクトメンバー
10/13(金)19:30|松田正隆×伊藤キム(フィジカルシアターカンパニーGERO主宰・振付家・ダンサー)
【NEWトーク決定!!】
10/14(土)19:30|松田正隆×諏訪敦彦(映画監督)

○会場:シアターグリーン BASE THEATER(豊島区南池袋2-20-4) アクセス:
JR他「池袋駅」地下通路39番出口より徒歩2分、東口より徒歩6分
東京メトロ有楽町線東池袋駅」より徒歩5分
都電荒川線雑司ヶ谷駅」より徒歩7分

○チケット(整理番号付き自由席) 8月27日(日)~発売
取り扱い:F/Tチケットセンター
一般前売り   ¥3,000(当日 +¥500)
先行割引* ¥2,100
5演目セット** ¥2,400
3演目セット** ¥2,600
1日セット券*** ¥5,000(10/7、8、9、14、15のみ)
学生      ¥2,000 ※当日券共通。当日受付で要学生証提示。
高校生以下   ¥1,000 ※当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示。

先行割引*=8月23日(水)~26日(土)の期間中、お得な早割券を発売します。枚数限定。
5演目セット券・3演目セット券**=F/T17の他の演目と組み合わせてご購入いただけるチケットです。『福島を上演する』は12公演中1公演のみ選択可能です。
1日セット券***=同日16:00の回と19:30の回(7日、14日)、14:00の回と17:30の回のセット券(8日、9日、15日)となります。F/Tチケットセンターで前売のみ取り扱い。

この日(マチネ)は「ヒミツホテル」*1
(アイダミツル)、「国道6号線」(草野なつか)の2本立て。
「ヒミツホテル」は郊外にあるラブホテルに出入りする人々の群像スケッチである。「国道6号線」の方は何と国道6号線を通過する車の運転者らのスケッチだ。どちらも通常の演劇がフォーカスして取り扱うような物語化あるいはフレーム化を拒絶して、そこであったであろうことを俳優の演技のみで俯瞰的に切り取り「描く」(文字通りスケッチする)ことをしている。
 
 
http://www.marebito.org/text/engekiron2017.pdf

東京デスロック 「3人いる!」@横浜STスポット

東京デスロック「3人いる!」@横浜STスポット

東京デスロック「ARE YOU HAPPY ???~幸せ占う3本立て~」@横浜STスポット
「3人いる!」
作・演出:多田淳之介
出演:李そじん、原田つむぎ、松崎義邦(「崎」の字は立つ崎(たつさき)が正式表記)

東京デスロック「3人いる!」 – ワンダーランド wonderland