下北沢通信

中西理の下北沢通信

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「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプと音楽 山中透編2」セミネールin東京ミニレポート

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプと音楽 山中透編2」セミネールin東京ミニレポート

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山中透

東京で再開したセミネールレクチャーの第2回として「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプと音楽 山中透編2」を開催した。内容的には前半は代表作「S/N」などと異なりあまり公開されることのない「Pleasure Life」の音源を基にしてミックスしたライブとHIVで亡くなった古橋貞二氏の編集した「Pleasure Life」の映像記録などを当時の裏話とともに紹介。この作品からの紹介となったのは
この日はフランス・メッツのポンピドセンターメッツでちょうど日本を主題にした大規模展示のメイン展示のひとつとしてダムタイプの回顧展「Expositions Dumb Type」*1が開催されていて、その展示のメインが「Pleasure Life」と関連するものになったということも踏まえて、山中さん側で用意していただいたものであった。
 「Pleasure Life」 の映像は以前京都芸術センターで見たことがあったはずだが、あまり印象は残っていなくて、かなり美術インスタレーション的な要素の強い作品だという記憶があったのだが、パフォーマーに京都在住の留学生などを起用し米国のホームドラマのパロディーめいたイメージのシーンがあり、そこの当時の日本の演劇にはないタイプのビジュアル。
 やはり京都市立芸術大学出身のアートパフォーマンスグループであるキュピキュピのメンバーでもある石橋義正の映像作品「オー! マイキー」シリーズとイメージにおいて共通点が多く、何らかの影響を与えているのではないかと思わされた。

上映会『オー!マイキー フィーバー』予告編!
今回のトークでもうひとつ興味深かったのは音楽創作について作曲にはいろんな文法があるが、そういうことではなくて「絵を描くように曲が作れないかとトライを繰り返した」、音楽において重視しているのは分かるような言葉で説明するのは難しいけれど(古橋)悌二と一緒に生み出した音楽における「なき」という概念*2

 実は山中さんの手元にはまだまだ未公開映像などがあると思われる。というのはこの日見せていただいたのは大阪でのレクチャーで見た映像とはまったく違うもので、大阪で見た映像のうち、古橋氏とのバンドのライブで使用された映像とか、今回話題にだけ出てきたスウェーデンの集団との共同制作作品の現地製作の時の古橋氏のオフショット映像などは今回は披露されることはなかった。より正確に言えば今回2回のレクチャーを経てもそうしたすべてを紹介するにはまだまだ時間が不足していた。いつかこの続きが出来る日が来たらいいなと思う。
 
 
  

【日時】2018年1月20日(土)p.m.3:00
【場所】三鷹SCOOL にて
【料金】前売:2000円
当日:2500円 (+1drinkオーダー)

【予約・お問い合わせ】
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電話での問い合わせ
090-1020-8504 中西まで。
 セミネール「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプと音楽 山中透編2」を開催します。プロジェクターによる舞台映像を見ながらダムタイプの音楽担当だった山中透さんが自ら語る作品の舞台裏。山中さん提供によるダムタイプ初期の超レア映像など見られ楽しい時間がすごせ好評だった第1回に続き、今回は前回に引き続き代表作「S/N」の話題に加え、前回は時間内にはをあまり紹介することができなかったダムタイプ以降に山中さんがかかわったオン・ケン・セン、高嶺格モノクロームサーカス、じゅんじゅん、MuDAらとの仕事も紹介。山中さん本人に映像を見ながら舞台裏を話してもらおうと思います。前回は山中さんと古橋悌二さんがダムタイプ以前に制作し、坂本龍一氏にこわれて審査に出した映像作品などほかではまず見られないものも見ることができダムタイプファン垂涎の企画となりましたが、今回もなにか隠し玉が飛び出すかもしれません。乞う期待。   
コーディネーター・中西理(演劇舞踊評論)
ゲスト・山中透
ダムタイプ「S/N」

モノクロームサーカス「D E S K」

山中透インタビュー
http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/00001205


Toru Yamanaka plays Dumb Type Era [Excerpt]


セミネールレクチャー(大阪)からダムタイプについて
simokitazawa.hatenablog.com

scool.jp

*1:Dumb Type | Centre Pompidou Metz

*2:「なき」についてはこの日は時間があまりなくて、そこを追究していくと膨大な時間を要しそうであったので、こういうのが「なき」の音楽という見本を少しだけ聴かせてもらうのにとどまった。ただ、いわゆる「泣きのギター」などという時に使う「泣き」とは全く無関係な概念であることは確認できた