シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」上下(岩波文庫)を読了(再読)。
シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」を再読したのは、直接的には下に登場している「文学刑事サーズデイ・ネクスト1 ジェイン・エアを探せ!」を読む前にずいぶん以前に読んだままなため記憶があいまいになっているのを思い出したいためではあったのだが、読み直してみると「ジェイン・エア」は面白い。英文学の主要な柱にはジェイン・オースティンあたりからはじまってサッカレー、ディケンズの一部の小説なども含んだ家庭小説とでもいったらいいような流れがあると思うのだが、ブロンテ姉妹の作品などもやや破格なところはあってもその系譜に入る小説といえるだろうところがあって、高邁な哲学的思想を小説として語りつくすようなところがあるロシア、ドイツ、フランスの小説と比べるとずっと地味ではあるのだけれど、この世界がどうも私はけっこう好きなのである。実はミステリ作家ではあるけれどもアガサ・クリスティーも広義にはこうした英文学の系譜を引くと思っていて、それがクリスティーに引かれるひとつの動機にもなっている。