下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

浪花花形歌舞伎@大阪松竹座

 浪花花形歌舞伎大阪松竹座)を観劇。

第二部
3:00開演 一、 曽根崎心中
 第一場 生玉社境内の場 第二場 北新地天満屋の場 第三場 曽根崎の森の場
第三部
6:00開演 一、 女殺油地獄
 序幕  徳庵堤の場 二幕目 河内屋内の場 三幕目 豊嶋屋油店の場
(主な出演者)
中村翫雀 中村扇雀 片岡孝太郎 片岡愛之助 中村亀鶴 坂東竹三郎 中村鴈治郎(特別出演)

 近松門左衛門の世話物の3本立て(もう1本は「河庄」)を中村鴈治郎の指導のもと上方歌舞伎に所縁の若手役者たちが演じるという企画が今回の大阪松竹座の浪花花形歌舞伎である。今回のキャストのうちは主要キャストがいずれもダブルキャストにより演じられることで、この日は「曽根崎心中」が扇雀のお初(もう1人は翫雀)に鴈治郎の徳兵衛、「女殺油地獄」は与兵衛に亀鶴(もう1人は片岡愛之助)。
 「曽根崎心中」は昨年、鴈治郎翫雀で見ているのだが、その時と比べるとちょっと大人しい印象がある。亀鶴の与兵衛は悪くはないのだが、この役は本当は愛之助がどう演じたのかが見たかった。こちらの方はどうしてもスケジュールの関係で見ることができなかったのだが、亀鶴はどうもこの役を演じるに関しては愛嬌が足りないように見えてしまった。
 血のつながりはないものの、最近とみに叔父の仁左衛門の若いときに似てきたと評判の愛之助で孝夫時代の出世作だった「女殺油地獄」をどう演じたのかが見たかったのである。