下北沢通信

中西理の下北沢通信

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「踊りに行くぜ!!」選考会in大阪

「踊りに行くぜ!!」選考会in大阪(アートシアターdB)を観劇。
 今回の大阪選考会は5組(林正美、O九、ポポル・ヴフ、松本芽紅見/森川弘和、Lolo-Lolo Dance Performance Company)がノミネート。このうち松本芽紅見/森川弘和、ポポル・ヴフの2組が選ばれ、「踊りに行くぜ!!」のどこかの会場で大阪代表として踊ることが決まった。
 これまでこの「踊りに行くぜ!!」の地方選考会は各会場で複数回見たことがあるのだが、今回は5組に絞り込んだこともあってか、平均的なレベルは高く、「これはちょっと問題外でしょ」というものはなく、見ていてなかなか面白かった。なかでも松本芽紅見/森川弘和とLolo-Lolo Dance Performance Companyは以前に見たことのある作品の再演ではあるが、その時に「もう一度再演を見たい」と書いた作品でもあり、今回見られたのも嬉しかったが、特に初演を見てすぐにこれは絶対再演すべきだから、なにかコンペや企画に応募した方がいいと本人たちにも直接薦めた松本芽紅見/森川弘和が選ばれたのは嬉しいことだった。
 この中からこの日の出来栄えとかじゃなくて、再演によってどういう風に変わっていくのかぜひ見てみたいという基準で私が選ぶなら、松本芽紅見/森川弘和、Lolo-Lolo Dance Performance Companyの2組だが、選ばれたポポル・ヴフもこれまでの美術的空間構成を重視した作品とはちょっと違って、それが今後どんな風になるのか見てみたい作品ではあり、妥当な選考結果だったのではないか。この作品ではちょっと選びにくいが、O九も本格的な作品は初めて見たが、ダンス作品としての完成度は相当に高く、これまであまりフォローできてなかったのをちょっと後悔させられるような舞台。ポポル・ヴフとO九は6月28日、29日のDance Box Selectionにこの日上演した作品を上演する予定で、この日は選考会の制約もあって、照明・音響は最低限のもので済ませ、映像は使えないなどの制約もあったので、完全な形でいわば期せずしてワーク・イン・プレグレスの実践となったこの日の上演を受けて、どのような作品に仕上げてくるかが楽しみである。