下北沢通信

中西理の下北沢通信

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KUNIO「椅子」@アイホール

KUNIO「椅子」アイホール)を観劇。

作=ウージェーヌ・イヨネスコ 訳=安堂信也
演出・美術=杉原邦生
出演=岩下徹,細見佳代,仁科昌幸

イヨネスコの「椅子」を若手演出家の杉原邦生が演出した。アイホールのTAKE A CHANCE PROJECTはこれまでコンテンポラリーダンスやパフォーマンス系の舞台芸術の作り手を紹介してきたのであるが、これはどこからどう見てもフィジカルシアターとさえ言い難い普通の演劇作品であり、TAKE A CHANCE PROJECTの趣旨はどうなってしまったんだろうという疑問を感じた。イヨネスコは以前に京都芸術センターで「アルマ即興」の上演を見た記憶はあるが、不条理演劇として並び称せられるベケットと比較すると、日本で上演されるのは非常に珍しいのではないだろうか。あるいは上演されるのはほとんどの場合、「授業」であり、これは私も数度の上演を見たことがある。