【スタッフ】 監督=本広克行/原作・脚本=上田誠(ヨーロッパ企画)
【キャスト】 長澤まさみ/三宅弘城/諏訪雅(ヨーロッパ企画)/中川晴樹(ヨーロッパ企画)/辻修(動物電気)/川島潤哉(コマツ企画)/岩井秀人(ハイバイ)/永野宗典(ヨーロッパ企画)/本多力(ヨーロッパ企画)/ムロツヨシ/志賀廣太郎 ほか
【製作】フジテレビジョン/ROBOT/博報堂DYメディアパートナーズ /東宝/日本映画衛星放送
【制作プロダクション】ROBOT 【配給】東宝
ヨーロッパ企画の演劇作品「冬のユリゲラー」を原作に本広克行監督が映画化。脚本は原作の脚本と同じくヨーロッパ企画の上田誠が担当した。いずれも「カフェde念力」という名の喫茶店を舞台にそこに集まる超能力者たちを描いたコメディーではあるが、大きな違いは映画版では原作でそれほど大きな役ではなかったテレビ番組のAD桜田米を主役に膨らませて、長澤まさみをキャスティングしたことであろうか。
おそらくそうでもして話題性を作らないと興行的に苦しいという政策的判断からではないかと思うのではあるが、原作の「冬のユリゲラー」と比べるとほぼ同じストーリーながらもそれぞれの超能力の描写がやや簡単になってしまっていたりするということもあって、やや物足りなさが残った。
ただ、喫茶店のマスター役の志賀廣太郎をはじめ、三宅弘城(ナイロン100℃)、辻修(動物電気)ら「カフェde念力」の常連らのキャスティングは適材適所で魅力的。いずれも舞台俳優ということもあり、このままこのキャストでの舞台版を見たいと思わせるほどだ。
本広克行、上田誠コンビによる善作「サマータイムマシンブルース」が面白かったのは緻密に構築された舞台版の脚本をあえて大きくいじることはせずにそこをベースに映画だからこそ可能なことを付け加えたことにあったと思う。