下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

若手振付家、ダンサーによるダンスショーケース

 関西在住の4人の振付家と14人のダンサーが、初対面の相手と共に作品創作に行う企画、お互いに異なるバックグランドをもった身体と言葉がリハーサルを重ねてどんなダンスを生み出すか乞うご期待!

2/4 13:00-(菊池航・中西ちさと)
/15:30-(日置あつし・荒木志珠)

【会場】元・立誠小学校 職員室・自彊室
【単券料金】各回1,000円(2企画)




『セッチュウアン ってことで。』
【上演時間】約20分
【会場】元・立誠小学校 職員室
【振付】菊池航(淡水) 
【ダンサー】高木貴久恵 松尾恵美




『A子とA、Cと。』
【上演時間】約25分
【会場】元・立誠小学校 職員室
【振付】中西ちさと(ウミ下着)  
【ダンサー】小川敦子(夕暮れ社 弱男ユニット) 飼鳥愛




『4Beers 第5章 〜side story〜』
【上演時間】約30分
【会場】元・立誠小学校 自彊室
【振付】日置あつし(SUGAR&salts) 
【ダンサー】鈴木みかこ 住吉山実里 福井菜月(ウミ下着) ミスター



『真似することの問題点』
【上演時間】約20分
【会場】元・立誠小学校 自彊室
【振付】荒木志珠 
【ダンサー】齋藤亮 重里実穂 野渕杏子(KIKIKIKIKIKI) 馬場陽子(淡水)


中西ちさと/二人のイニシャルAについてのドキュメンタリー。短期間の制作ながら体と言葉とでぶつかり合い濃厚なパフォーマンスを練り上げます。冬の寒さの中、暖かでけれどすっと切れる鋭いものを。

菊池航/「え?」「うーん。」「そっち?」「ん。」「いやいやいやいや」「そっかー」「でもなー」「あ!」「だめです。」「むーん」「言い出したことだから」「気になる?」「むー」「そうは見えても」「まあね」「そうしよっか」「ホンマに?」「ホンマに。」

二人ってことについて。対人の最小単位。一番シンプルに見えてすごい色んな葛藤とか実はあるんですよね。きっと。たくさん考えちゃう。そんな二人。

荒木志珠/新年明けましておめでとうございます。本年は、なかなかスッキリとした気持ちで、こう言うことが出来ませんでした。しかしいつまでも暗く重たいものを連れて歩くわけにはいきません。今までを受けとめながら、"今"を豊かにしていきたい。私たちの国の伝統を感じる「元・立誠小学校」にて We Dance。現代を生きている若い人の身体を置いてみます。

日置あつし/性とは何か。生とは何か。人間のうつろいを10年かけて描き出すのタイトルシリーズ『4Beers』の番外作品を女性ダンサー達と作ります。このシリーズは作品中でBeerを割と飲むんやけど、ここではたぶん飲まへんと思います。たぶんやけど。ほんで、女だけの時間と空間。どんなけ頑張ってもぼくが経験して知る事の出来ひん世界を、彼女達との遣り取りの中で垣間見ながら、あぶり出してみるつもりです。

2/4 14:30-

『女3人集まるとこういうことになる』

【上演時間】約40分
【会場】元・立誠小学校 職員室
【料金】1,000円
【演出家】筒井潤(dracom)
【ダンサー】倉田翠 長洲仁美 福岡まな実

人の会話の中で、言葉以外の情報が極めて大きな役割を果たしていることは周知のとおりだが、その言葉以外の情報のみを使って、会話をしているように見える時間とそう見えない時間の境界線を探りたい。例えば家族の各々が役割を分担して食事の準備をしているときには、私が考える境界線を行ったり来たりしているように思う。もちろん、今回の作品でそれをそのまま描写するわけではないが、そのニュアンスに近いアンサンブルが生まれることを期待したい。あと、どうして女性は2人だと座りが悪く、3人だと良いのか、といったことも考えるために、女性3人組が登場する戯曲や映画などを基にして創作する。


2/4 17:00-

『先制のイメージ』

【上演時間】約40分
【会場】元・立誠小学校 職員室
【料金】1,000円
【演出家】相模友士郎
【ダンサー】野田まどか

作り手によって内発的に起こる感情やイメージを捕獲し作品として伝達するという事は、モノローグにほかならない。モノローグとは一方的な独白であって、他者との対話を拒絶するものである。対話としてのダンスを考えてみる。作り手によって捕獲され、提出されたイメージとは対話を阻害するものであり、そのイメージは身体を潤色し、身体そのものを隠蔽させてしまうように思える。対話を阻害し、身体を隠蔽する「イメージ」。それ自体を暴き、捨て去ること。そしてその源である「私」という堅牢な主体をも捨て去ること。そこから改めて対話を始める。


2/4 18:00-

『RE/PLAY』

【上演時間】約70分
【会場】元・立誠小学校 自彊室
【料金】1,500円
【演出家】多田淳之介(東京デスロック)
【ダンサー】井上大輔 今村達紀 内山大 
荻野ちよ(双子の未亡人)クリタマキ 竹ち代毬也
夏目美和子(schatzkammer) 松本芽紅見

『RE/PLAY』は、今全国ツアー中の演劇作品『再/生』に通じる、繰り返す事、繰り返せない事を取り扱います。踊ると身体は疲れていくけど楽しい気分になるし、人生は身体はどんどん死に向かうのに楽しく生きようとする。「踊る事」と「生きていく事」は似ていると思っていて作品の中で俳優を踊らせる事も多いのですが、ただダンスに於ける「踊り」とは、動機、目的も違うでしょう。でも最近そんなに変わらない気もしていて、身体に対する言葉の使い方や、言葉に対する身体の使い方の違いはあると思いますが、それは演劇の人同士でも違うので、あまり自分は演劇側だとか考えずに、演劇での経験を生かして面白い舞台作品を創りたいと思います。