下北沢通信

中西理の下北沢通信

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カンパニーデラシネラ「ある女の家」@新国立劇場中ホール

『ある女の家』
構成・振付:小野寺修二
出演 浅野和之 河内大和 竹内英明 藤田桃子 小野寺修二
スタッフ
照明:磯野眞也  美術:松岡泉
衣装:堂本教子  舞台監督:矢島健
アーティスティック・コンサルタント:デヴィッド・ビントレー

 2008年12月にシアタートラムで上演された作品の再演。キャストも竹内英明以外の4人は初演と同じなのだが、印象はかなり違う。初演は正直言って、水と油活動休止(2006年)からあまり時間が経過していなかったせいか、どうしても比較してしまい、アンサンブルにおいて若干物足りなさが残ったのだが、今回はそういう印象は薄れた。むしろ、最近の小野寺修二演出作品はかなりセリフを多用するものが増えているのに対して、この「ある女の家」はほぼ全編がセリフのないダンスパントマイム。このところ、小野寺組の常連パフォーマーとなっている竹内英明がキャストに加わったことや前回は初参加でまだ小野寺演出に不慣れだった浅野和之が「カラマーゾフの兄弟」出演などを通じてアンサンブルの一員としてもより存在感を増してきたこともあり、小野寺が得意とする群像による変幻自在のアンサンブル演出が抜群の切れ味を見せた。