吉例顔見世大歌舞伎 第四部「義経千本桜 川連法眼館」 @歌舞伎座
「義経千本桜 川連法眼館」は「四の切」とも呼ばれるこの作品を代表するような場面。10年前に海老蔵による*1上演を見たのが、いまだに記憶に新しいが、中村獅童による「四の切」はよくも悪くもそれとは対照的なものであった。
獅童の狐忠信は子ぎつねの心情がよく感じられるもので、この人の人間性がよく表れていたものでそこには魅力を感じた。その一方でアクロバティックな動きが数多く要求される演技だが、その部分においてはかつて見た先代の猿之助、海老蔵のような軽やかさはなく、動き自体はどうしてもぎごちない。ただ演技にはそれを埋め合わせて余りあるような熱気が感じられて、その両方が相まって獅童らしいと感じたのである。
義経の染五郎、 静御前の中村莟玉のコンビも見栄えのする演技。染五郎にはまだ若さゆえ未熟さを感じさせる部分もないではないが、義経に関してはそれがいい方に働いていたのではないか。なんといっても立ち姿が美しいのが魅力で、この二人の組み合わせも今後長きにわたって歌舞伎界の華となっていきそうな予感さえ感じさせた。團子も悪くはないが、ここではこの役だけでは測りかねるものがあり、もう少したっぷりと演じるような役で見てみたい。
2020年11月1日(日)~26日(木)第一部 午前11時~
第二部 午後1時50分~
第三部 午後4時45分~
第四部 午後7時30分~
義経千本桜 川連法眼館
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