ダンスパフォーマンスとしてのAMEFURASSHIについて（準備の一環として）

実は以前アイドル系のパフォーマンスをダンスとして考えるとどのようなことが言えるのかということについて論考を書き*1、さらにダンスの専門家である振付家の木皮成さんを講師に招きレクチャー*2を行ったことがあった。実はその時に議論の対象としたのはももいろクローバーZであり、さらに講師を呼んでのレクチャーではその対象項としてPerfumeと乃木坂46など坂道グループの振り付けなどを取り上げたが、こうした分析の続きをAMEFURASSHIのパフォーマンスのダンスについて行うことができないかと考えたのである。
AMEFURASSHIの楽曲については最近「『ももクロを聴け！』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI『Coffee』について聴く」*3と題したインタビューを行い、専門家の詳しい話を聴くことができた。本当は前回講師に招いた木皮成さんを再び講師に招き、技術的な側面で詳しい話を聴きたいところではあるのだが、どう考えても現在のAMEFURASSHIの知名度を考えると講師に若干のギャラが払えるような集客イベントを実施するのは困難であるし、ももクロ、乃木坂の時にはその時点ですでにそれぞれの振り付けを知っていることが明らかだったが、AMEFURASSHIをそれほど知らない相手にそれを依頼した場合の相手側の負担を考えても現時点ではレクチャー実施は困難。それゆえに将来への準備も含めて、まずダンスの技術的な側面については素人ながらもコンテンポラリーダンスなどには批評経験はそれなりにある私が現時点でそれをどのように考えているのかについてレクチャーかインタビューの準備の一環として考察を開始することにしたい。
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まずは最初に基礎的な知識を共有するために整理をしておきたい。AMEFURASSHIのダンスを指導し、振り付けも担当しているのは宇野木杏奈（ファンにはANNA先生として知られている）である。彼女は最近は石川ゆみから引き継いだような形でももクロの振り付けも担当しているばかりではなく、佐々木彩夏や高城れにのソロコンでは作品全体の振り付けを担当するだけではなく、自らダンサーを率いてANNAダンサーズとして客前に姿も見せているから、モノノフの間にも知る人は少なくないはずだ。
ただ、ことももクロの場合には前任の振付家である石川ゆみがメンバーと一緒に構築した「ももクロ特有のダンス」というのがあることもあり、現在のももクロのパフォーマンス＝ANNA先生の作品と短絡的に考えることはできないと思う。
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同じ振付家が手掛けているわけだし、事務所の後輩でもあるわけだからAMEFURASSHIがダンスパフォーマンスとしてのももクロの後継であると考える人も多いかもしれないが、私は個人的にはあまりそういう風には思わない。振り付け自体に似たところがあるというわけではないが、AMEFURASSHIのダンスは「子供時代から１対１で育て上げられてきた振付家とダンサーの阿吽の呼吸の伝達で生み出された表現」「指先まで制御された動きの精度」などにおいて日本のダンス＆ボーカルグループの中で比較するとすればPerfumeのメンバーとMIKIKO先生の関係性に一番酷似してるのではないかと思っている。
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もちろん、それはダンスの精度とそれぞれの個人の個性に合わせて振り付けが構築されていること（もっともこれはももクロもそうなっている）などということでの一致点であって、ダンスのムーブメント自体が似ているということではない。ただ、ここまで書いてきて気が付いたのだけれどAMEFURASSHIの場合はやはりK-POP系のガールズグループ（BLACK PINK*4、TWICE*5、NewJeans*6、LE SSERAFIMなど）との比較もせざるを得ないはないかと思い始めてきた。個人的な感触としてはAMEFURASSHIのダンスはダンスの技術的水準が高いということ以外でK-POP系のガールズグループとはあまり似ている点はなくて、むしろ愛来のダンスカバーがTik TokでバズったPSYの「That That」のように男性アーティストの振り付けを意識している部分があるような気がする。
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下記のダンスプラクティス動画で取り上げている「Drop Drop」「DISCO-TRAIN」の振り付けなどは足を開き気味にして重心を低くしたり、TWICEなどによくある曲線的な女性らしい動きではなく、力感に満ちた直線的な動きが特徴で、振付家自身がこういうのは男性グループにはある動きだが、筋力が必要なのであまり女性グループにはないのではないか*7、と話していた記憶がある。
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