下北沢通信

中西理の下北沢通信

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lal banshees vol.2「ムーンライトプール」@三軒茶屋シアタートラム

lal banshees vol.2「ムーンライトプール」@三軒茶屋シアタートラム

【振付・演出 / 出演】横山彰乃
【出演】asamicro 北川結 後藤ゆう 菅彩夏 菅原理子 仁科幸
2018/6/8(fri) - 10(sun) 
会場 シアタートラム

6/8(fri) 19:30 開演
6/9(sat) 15:00 開演
6/10(sun) 15:00 開演
【Ticket】一般前売り 3,300円 / 当日 3,800円
     学生前売 2,500円 / 当日3,000円 他

KENTARO!!が率いるダンスカンパニー「東京 ELECTROCK STAIRS」の主要メンバーである横山彰乃によるダンスカンパニーlal bansheesの2年ぶりの公演。
 東京 ELECTROCK STAIRSでは高橋萌登がこまばアゴラ劇場でソロ公演を終えたばかりだが、個々のメンバーの個人による個別の活動が盛んになってきている。
 前回公演の感想で「物語性は特にないが、単に音楽に合わせて群舞で踊るというようなありがちなものではなくて暗い森の中で何かよく分からない生き物たちが蠢いている、というような一種不可思議なイメージがあってこうした個性的な世界観が色濃く出ている」と書いたが、今回もそうした持ち味は受け継がれている。
人間が人間として踊る群舞というよりも、集団で群生する人間以外の生物の群れのようなものを集団で表現するような印象。実は集団表現による異世界生物の表現と言えば横浜ダンスコレクションの審査員賞を一昨年受賞した黒須育海(現ブッシュマン)の作品などを連想させるが、黒須の作品があくまで例えばスタニスワフ・レムに出てくるようなハードSF的な異世界異生物を想起させるのに対し、横山彰乃のはジブリに出てくるようなファンタジーなイメージが紡ぎ出される。
 ただ、前回も多用された舞台上にいるダンサーをソロ、デュオ、トリオなど変えてみせる構成は今回も健在。ただ、横山彰乃本人を含め、前回参加の5人のダンサーのうち今回も4人が参加したほか、新たに3人のダンサー(asamicro、菅原理子 、仁科幸)が加わったこと、劇場空間がこまばアゴラ劇場からシアタートラムへと大幅に拡大したことで、ダンスの構成は格段に複雑さを増した。
 

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