下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

MITAKA "Next" Selection 20th犬飼勝哉「ノーマル」@三鷹市芸術文化センター星のホール

MITAKA "Next" Selection 20th犬飼勝哉「ノーマル」@三鷹市芸術文化センター星のホール

2019年9月6日(金)〜16日(月•祝)
三鷹市芸術文化センター 星のホール
作・演出

犬飼勝哉
出演

浅井浩介
石渡 愛
神谷圭介
西山真来
松竹史桜

スタッフ|
舞台監督:河村竜也
舞監補佐:鐘築隼
舞台美術:中村友美
照明:南香織
演出部:犬飼勝哉、関田育子、本橋龍、宮﨑玲奈
宣伝美術:門谷風花
WEB:犬飼勝哉
制作:黒澤たける
制作協力:素素さい、梨乃

企画制作:Katsuya Inukai Works
協力:ウンゲツィーファ、株式会社メッセ、クリオネ、スターダスト、青年団、テニスコート、ホエイ、ムニ、ゆうめい、LICHT-ER、レトル

主催:公益財団法人 三鷹市スポーツと芸術財団

 犬飼勝哉のこれまでの作品は舞台装置はほとんど使わず演技はほぼ無対象で行われるなどマレビトの会との共通点が強く感じられた。今回の作品でも松田正隆のマレビトの会に俳優として出演してきた石渡愛、西山真来、脚本を提供している神谷圭介が出演。演出部としてマレビトの会の関田育子が参加した。
 ただ、演技のスタイルはマレビトの会よりやや青年団平田オリザに近い現代口語演劇といってもいいもので、石渡、西山は青年団系でもあり、日本現代演劇において会話劇の雄といえる松田、平田の両者を意識しながら、第三の立ち位置を探っているのかもしれない。
登場人物は喫茶店をいとなむ男女(神谷圭介、西山真来)とそこでバイトしている画家の卵(松竹史桜)とその友人(石渡 愛)、そして謎の男(浅井浩介)の5人。この作品で一番特徴的なのは実は舞台美術(装置)で喫茶店のテーブル、椅子、公園にあるベンチなど全ての装置が天井に吊られていて、それが必要になった時だけ降りて来る。
 冒頭に書いたように犬飼勝哉の作品はこれまで舞台装置はほとんど使わず演技はほぼ無対象で行われてきた。そのため舞台空間には抽象性(記号性)が強かったが、今回は吊るされた装置で場面の転換を行うことで、登場人物それぞれの関係の抽象的な空気感を残しながらも、空間自体はより日常的な場とも見えるように仕立てた。