下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

ロロ『はなればなれたち』@吉祥寺シアター

ロロ『はなればなれたち』@吉祥寺シアター

[脚本・演出]
三浦直之

[出演] ​
板橋駿谷 篠崎大悟 島田桃子 望月綾乃 森本華(以上ロロ)
大石将弘(ままごと/ナイロン100℃) 多賀麻美(青年団) 油井文寧
ひらのりょう 曽我部恵一

[劇中曲]曽我部恵一
[美術]杉山 至 [照明]富山貴之 [音響]池田野歩 [衣裳]臼井梨恵
[舞台監督]鳥養友美 櫻井健太郎 [演出助手]中村未希 [文芸協力]稲泉広平

[イラスト]矢野恵司 [デザイン]佐々木俊 [広報]浦谷晃代
[当日運営]河野 遥 山道弥栄 [制作]奥山三代都 坂本もも

[協力]jungle コムレイド écru ままごと ナイロン100℃
スイッチ総研 青年団 レトル FOGHORN ROSE RECORDS
Diet-chicken ヌトミック 木下歌舞伎
範宙遊泳 急な坂スタジオ ローソンチケット

[助成]芸術文化振興基金 アーツカウンシル東京


[提携]公益財団法人 武蔵野文化事業団
[企画制作・主催]ロロ さんかくのまど

劇中に登場する劇団が上演する劇中劇としてままごと「わが星」の抜粋がほぼそのまま上演される。柴幸男に対するオマージュではあるのだろうが、同時にそれは自分たちの世代*1のアンセムとも言っていい作品を作ったライバルへの返歌のようにも見えた。
「はなればなれたち」はいつもの三浦直之作品同様リアルというよりはかなり寓話化されてはいるのだが、劇団設立10周年記念公演として自分たちの劇団である「ロロ」のことをモチーフとしたものであることは間違いない。
 向井川淋しい(森本華)が仲間と一緒に演劇活動の中に自分の居場所を見出していくことが、劇中劇「わが星」の観客として彼女に出会うが淋しいのことはあまり知らない佐倉すい中(望月綾乃)による空想上の語りを交えながら綴られていく。
 「はなればなれたち」はこの作品のことでもあり、劇中で淋しいが「わが星」の次の公演で上演するために書いていた未完の戯曲でもある。劇中では「わが星」観劇後に感動のあまりに淋しいに会いに行ったすい中が淋しいから渡された紙の束でもあり、ロロの「はなればなれたち」はこの未完の戯曲とその未完部分を補うためにすい中が書き足して完成させたものという構造になっている。
 この作品の表題「はなればなれたち」には劇団旗揚げから10年が経過しても自分たちは劇団を続けているが、すでにおそらく他の仕事があるせいで看板男優の亀島一徳がこの公演には参加していないほか、今回は参加した板橋駿谷も最近の朝ドラ「なつぞら」などで話題になったことで、今後はこれまでよりも忙しくなり、劇団公演への参加が難しくなりそうな兆しも出てきている。以前からの仲間ではあるがすでに他の劇団の所属となっているものもいる(青年団の多賀麻美)。こうしたことは人気劇団の宿命とも言え、何もロロに限ったことではないが、姿は見えなくなってもいつでもその森に居て、皆が集まってくる縁(よすが)となっているという淋しいは自分のこのようにありたい姿を託した象徴なのかもしれない。

*1:こまばアゴラ劇場でのフェスティバル『キレなかった14才♥りたーんず』を一緒に開催した同志と書こうとして確認したら、その中には三浦直之は入ってない事が判明して、愕然とした。

劇団山の手事情社 創立35周年記念公演 『過妄女』[かもめ](原作=チェーホフ)@下北沢ザ・スズナリ

劇団山の手事情社 創立35周年記念公演 『過妄女』[かもめ](原作=チェーホフ)@下北沢ザ・スズナリ

2019年6月21日(金)~24日(月)

『過妄女』[かもめ](原作=チェーホフ
2019年6月26日(水)~30日(日)

会場=下北沢 ザ・スズナリ

構成・演出=安田雅弘

山の手事情社は今年、創立35周年を迎えます。稽古方法をご紹介する『methods』と、戯曲作品『過妄女』(原作:チェーホフ)。短期間で演劇のウラとオモテをご覧いただけます。演劇の街・下北沢で芝居三昧のひと時はいかがでしょうか。

山の手事情社は今年、創立35周年
皆さまの温かいご支援により、昨年の「存亡の(危)機」を回避し、何とか創立35周年を迎えることができました。1984年の旗揚げ以来、《構成演劇》に始まり、《集団創作》《ハイパー・コラージュ》《四畳半》といろいろな演劇スタイルに取り組み、その間メンバーもずいぶん入れ替わりました。変わらなかったのはおそらく「演劇を深く貪欲に楽しみたい」という気持ちだけです。演劇の聖地で、また新たなスタートを切ろうと思います。

■ 稽古方法《山の手メソッド》
演技様式の試行錯誤の中で、提案・開発されてきたのが《山の手メソッド》という訓練法です。『methods』では、一般にほとんどなじみのない演劇の稽古法を、お客さまに驚いたり楽しんだりしていただく中でご紹介しようと思います。〈演劇的教養〉とは、自分の「身体」や「社会」や「世界」を映し出す鏡を俳優の中に用意することです。ご覧いただければ、舞台や映像の演技の見方が変わると思います。かつて劇団でともに活動した清水宏氏も出演!

チェーホフに初挑戦!
湖畔の田舎屋敷を舞台に、作家志望の青年と、女優を夢見る乙女を軸に、屋敷に集まる人々のさまざまな恋愛模様が描かれます。チェーホフが『かもめ』執筆の際、出版社主宛ての手紙に書いたように「5プード(およそ80キロ)の恋」、すなわちもてあますほどの恋愛が作中に散りばめられています。チェーホフの発見は、人間の行動の根底には「過剰な妄想=恋愛」が横たわっている、ということではないでしょうか。

■ 下北沢・11時開演
大学卒業後、初めて上演した『ゆるやかなトンビリラロの身だしなみ』(本多劇場)も、現代では上演されていない歌舞伎作品『狭夜衣鴛鴦剣翅[さよごろもおしどりのつるぎば]』(ザ・スズナリ)の復曲に挑んだのも下北沢でした。ほかにもたくさんの思い出が詰まったこの街、数多くの劇場があり、海外フェスのように毎日多彩な作品が上演されるこの場所に帰ってきます。今回、劇団初となる午前11時開演の回を設けます。1日に3本鑑賞も可能。贅沢です! 

構成・演出 安田雅弘


 
 山の手事情社によるチェホフは初めて見た。以前に「ヘッダー・ガブラー」などは見た記憶はあるから、歌舞伎やギリシャ悲劇など古典劇ではない西洋の近代劇の上演を同劇団で見るのは初めてというわけではないのだけれど、SCOTや地点などでの前例を考えに入れたとしても山の手事情社のような広義の「語りの演劇」とチェホフとの相性はあまりいいとは思えなかった。
 ニーナ役を演じた中川佐織がよかった。この「かもめ(ここでは過妄女)」という作品はこれまで見た舞台では女優であるアルカージナと作家トリゴーリンを中心に置いた演出と若いニーナとトレープレフに焦点を当てた上演に大別されるが、今回はニーナ、トレープレフ、マーシャだけが生きていて、残りの人物は「剥製」という極端な演出だから、もちろん、後者の類型だ。
 それゆえ、この舞台では倉品淳子がアルカージナを演じるが、ここでのアルカージナも自らも「剥製」だと安田によってテクストに付加された傍白的なセリフによっていわれる通りに剥製のような存在として演技しているため、華やかな人気女優というよりはまるで老婆かなにかであるように演じている。そして、そのことで「女優としては失敗して」旅回りを余儀なくされながらも最初の場面とは見違うような演技を行う女優ニーナを「剥製」のアルカージナとの対比によって見事に体現してみせた。
 「剥製」というイメージはピンとこない部分もあるのだけれど、従来の解釈がカモメの剥製=ニーナ、すなわち運命の敗北者に対して、最後の場面までに、つまり女優ニーナが生まれるまでに他の登場人物がまだかろうじて生きている者も一人残らず剥製=死者となって、一人女優ニーナのみが生き残るという女優誕生の物語としているのが面白い。

青年団国際演劇交流プロジェクト2019「ジャン×Keitaの隊長退屈男」@アトリエ春風舎

青年団国際演劇交流プロジェクト2019「ジャン×Keitaの隊長退屈男」@アトリエ春風舎

台本・演出:ジャン・ランベール=ヴィルド 翻訳:平野暁人
共作:ジャン・ランベール=ヴィルド、三島景太(SPAC)、平野暁人
日本語監修・演出協力:平田オリザ


ふじのくに⇄せかい演劇祭2014での初演から5年。
新たに平田オリザが日本語監修・演出協力で加わり、孤高に生きる隊長の世界をより一層鮮烈に描く日仏合作夢芝居、アトリエ春風舎で再演!

ジャン・ランベール=ヴィルド プロフィール

1972年、南インド洋に位置するフランス海外県・レユニオン島生まれ。劇作家・演出家・俳優。特異な風土で培われた詩的想像力と、魔術的演出術が高く評価され、異例の若さでフランス各地の国立演劇センターの芸術監督を歴任。代表作に、偽自伝的作品群である『ヒュポゲウム(墓)』、ブラジルの原住民と制作した『脱皮』、『ゴドーを待ちながら』等。近年ではスイス人演出家ロレンゾ・マラゲラとの共同演出という形で自作にも精力的に出演しており、前出の『ゴドー』ではラッキー役を務めたほか、リチャード三世やドン・ジュアンなども演じている。2014年フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受賞。日本ではこれまで『スガンさんのやぎ』(11年)、『ジャン×Keitaの隊長退屈男』(14年)、『リチャード三世 ~道化たちの醒めない悪夢~』(18年)をいずれもSPACにて上演。

三島景太(SPAC)プロフィール

水戸芸術館ACM劇場専属俳優を経て、1997年創立時よりSPACに所属。鈴木忠志、宮城聰、今井朋彦、小野寺修二、原田一樹、多田淳之介、金森穣、イ・ユンテク、オマール・ポラス、ジャン・ランベール=ヴィルド等さまざまな演出家の作品に出演。国内外70都市以上での公演経験を持つ。2014年「ふじのくに⇄せかい演劇祭」にて一人芝居『ジャン×Keitaの隊長退屈男』を好演。これまでの主な主演作品『ロビンソンとクルーソー』、『ドン・ファン』、『ドン・キホーテ』など。

出演

三島景太(SPAC)

スタッフ

演出助手:アリシア・カルソンティ
舞台監督:播磨愛子
テクニカル補:井坂 浩
通訳:原真理子
宣伝美術:梅本恭子
制作:赤刎千久子 西尾祥子(システマ

総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

六月大歌舞伎 夜の部 三谷かぶき『月光露針路日本』 @歌舞伎座

六月大歌舞伎 夜の部 三谷かぶき『月光露針路日本』 @歌舞伎座

夜の部

「三谷かぶき『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)』風雲児たち
原作:みなもと太郎風雲児たち」より
作・演出:三谷幸喜

大黒屋光太夫松本幸四郎
庄蔵 / エカテリーナ:市川猿之助
新蔵:片岡愛之助
口上:尾上松也
キリル・ラックスマン / アダム・ラックスマン八嶋智人
マリアンナ:坂東新悟
藤助:大谷廣太郎
与惣松:中村種之助
磯吉:市川染五郎
勘太郎市川弘太郎
藤蔵:中村鶴松
幾八:尾上松之助
アレクサンドル・ベズボロドコ:市川寿猿
清七:澤村宗之助
次郎兵衛:松本錦吾
小市:市川男女蔵
アグリッピーナ市川高麗蔵
ソフィア・イワーノヴナ:坂東竹三郎
九右衛門:坂東彌十郎
三五郎 / ポチョムキン松本白鸚

 漂流によりロシアに渡ってエカテリーナ女帝に謁見した大黒屋光太夫らを描いた漫画「風雲児たち」を三谷幸喜が舞台化。全体としては歌舞伎というよりは歴史劇っぽい。大河ドラマの総集編みたいなんだけれどそういうものだと割りきれば良くできていて退屈せずに見ることが出来た。

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」@YOKOHAMA A-RIN COLECTION

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」@YOKOHAMA A-RIN COLECTION

出演:佐々木彩夏

【公演詳細】
佐々木彩夏ソロコンサート
「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

出演:佐々木彩夏
会場:神奈川県・横浜アリーナ 【MAP】
日時:2019年6月23日(日) open 17:00 / start 18:00 / (20:30終演予定)

f:id:simokitazawa:20190619142740p:plain
 ももクロの中でも佐々木彩夏が「アイドル」を担当するというのはグループ内部での活動の分担でも次第に明らかになってきている。ももクロ陣営は以前から野外ライブの外周パークやSSAの飲食ゾーンにアイドルステージを置き、アイドルフェス規模の無料ライブを開催してきたが、今回はそれがついに佐々木彩夏のソロコンでも開催されることになった。 
これまでの外周ステージでは常連組だったあゆみくりかまきやスタダ勢が今回は参加しないこともあり、アイドルにはさほど詳しくはない私には以前に見たことがあるのはまなみのりさぐらいであり、名前を聞いたことはある、まで広げても星座百景や天晴れ!原宿程度で今回は初めて知るところが多い。これは外周ステージといえども、いままではある程度声をかけたり、選んだりしていたのが、kwkmマネージャーが公募ということで発表したからかもしれない。

星座百景 2019/6/1 タワレコ川崎 第1部
f:id:simokitazawa:20190623132618j:plain
f:id:simokitazawa:20190623133931j:plain

まなみのりさ 『花びら』 (Official Music Video)
 まなみのりさはやはり広島アクターズスクールでPerfumeの後輩だっただけに歌、ダンスともに水準は高い。実は今年が設立12年目でももクロよりもデビューが早い。おそらく、何度も危機を迎えながらも、本拠地を広島という地方に置きながらここまで継続できているのは凄いことだし、ももクロのようなギミックはないけど正統派であり、この日ここに参加したような設立3年~5年にとっては激しく煽るだけではなく、柔らかく客を包みこんでいくような巧みなステージングには大いに学ぶべきことがあったのではないかと思う。 
 実は基本的にはあまり積極的には小さな事務所のアイドルの現場に行くことはないので今回は滅多にない機会なので最初は朝から見る予定だったのだが、寝過ごしてしまい見ることができたのは桃色革命から。初めて見るグループだ。
 ピンクの揃いであつらえた衣装で登場。いかにもアイドルらしいアイドルと言えそうだが、私には苦手な部類の方向性だった。ここがいい悪いではなく、ももクロをはじめとする一部のアイドルグループを除くとただ可愛い系に見えるアイドルは苦手というのを再認識した。
 星座百景は知人が応援しているアイドルグループであるということで興味を持ち、いままで見たことがなかったが、この日一番注目していた。もともとグループの成り立ちからしももクロを超えるようなグループを目指すというのがコンセプトのひとつだったらしく、この日一番入れ込んでいた集団のひとつだったのではないだろうか。
 最初タイガーマスクのマスクを全員がかぶって登場したのは仮面女子などの影響か、それとも単純にももクロオマージュだったのか、どちらだったのだろうか? 写真撮影OKのルールだったので撮影したのだが、ももクロ流に色分けのあるグループなのに舞台上の5~6人の中になぜ緑が二人いるのだろうというのがスタダのももクロフォローグループを見てきた人間としては不可解。いずれにせよスターダストとは無関係でありながら、ももクロフォロアーであることを明言する集団が現れてきているというのは面白い。
 昼食などをとるため一旦外に出た後で、最後の2グループである天晴れ!原宿とイケてるハーツを見ることができた。少し調べてみて驚いたのは「天晴れ!原宿」が6月の新曲をキングレコードから出してメジャーデビューしていた(しかもメジャーデビュー曲が浅野尚志曲)こと。ももクロの所属するEvil Lineレコードの所属ではないため、レーベルメイトとはいえないのかもしれないが、同じレコード会社の先輩としてはグループの成り立ちとしてAKB48よりはスターダストプラネットとの関係を深めていく可能性はありそう。歌のタイプとしてはももクロというよりはでんぱ組inc.寄りかなと感じたことはあったが、Evil Lineフェスで披露されることによるロッカジャポニカの後継グループとのライバル関係などのアングルを作ることで、スタダ以外の参加を歓迎するとしていた「ライブスタイルダンジョン」参加のアイドルの有力候補に浮かび上がってきたことは確かである。

【MV】天晴れ!原宿『あっぱれサマーっ‼︎』

 実はAKB48グループ、ハロプロavexなど大手事務所のアイドルが覇を競ったのがアイドル戦国時代だとすればそれを象徴するのが指原莉乃が主導してももクロも一端を担った「指祭り」であった。
 その意味ではまだ小規模とは言え、今回あーりんがこのA-RIN COLECTIONにより、27組141人のアイドルを招き、自ら頭領として「あーりん軍団」の結成を宣言したというのは今後のアイドル界を考えるとかなり画期的なことではないだろうか。

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

佐々木彩夏ソロコンサート
「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」

出演:佐々木彩夏
会場:神奈川県・横浜アリーナ 【MAP】
日時:2019年6月23日(日) open 17:00 / start 18:00 / (20:30終演予定)


佐々木彩夏「AYAKA NATION 2019 in Yokohama Arena」2019年6月23日
横浜アリーナ セットリスト

SE. あーりんちゅあ
01. Bunny Gone Bad
02. レディ・メイ
03. Ladies Night(オリジナル:浜崎あゆみ
04. My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)
05. おとなの掟(オリジナル:Doughnuts Hole)
06. Moon Revenge
07. 月のワルツ(オリジナル:諫山実生
08. Memories, Stories
09. キューティーハニー
10. My Cherry Pie(小粋なチェリーパイ)
11. ROCK THE BOAT
12. READY STEADY GO(オリジナル:L'Arc-en-Ciel)
13. HONEY(オリジナル:L'Arc-en-Ciel)
14. キミとセカイ
15. チェリーブラッサム(オリジナル:松田聖子
16. 君が好きだと叫びたい(オリジナル:BAAD
17. 天国のでたらめ
18. Grenade feat. 佐々木彩夏(オリジナル:TeddyLoid)
19. 月虹
<アンコール>
20. あーりんは反抗期!
21. チントンシャン!
22. スウィート・エイティーン・ブギ
23. Early SUMMER!!!
24. あーりんはあーりん▽
25. だって あーりんなんだもーん☆

佐々木彩夏「AYAKA NATION 2019」

2020年7月12日(日)神奈川県 横浜アリーナ

有安杏果のソロコンはライブだが、佐々木彩夏のソロコンはショーであるとかつて書いた記憶があるが、今回はそのショーとして最高傑作だったことは間違いない。ショーということであれば生では見ることが出来なかったが、先日行われたももいろクローバーZ「5th ALBUM『MOMOIRO CLOVER Z』SHOW at 東京キネマ倶楽部」のライブをももクロ史上最高のライブと書いたが、今回の佐々木彩夏(あーりん)ソロコンサートもそれに迫る水準のものであった。
パフォーマー本人の歌唱力の向上であるとかの1年の間の進歩ももちろん特筆べきものには違いないが、今回のソロコンで驚嘆すべきなのはアイドルの後輩(アメフラっシ、クラウンポップ、DAN→JOの女性パフォーマー)をダンサーに起用しながら全体を「森のなかに住む動物たち」というイメージでまとめていき、それを子供っぽいものではなく、大人も十分に堪能できるようなファッション性も楽しめるものとしてまとめあげた演出家としての能力の高さだ。

カルテット主題歌 おとなの掟 / Doughnuts Hole (椎名林檎 )
 動物の森がテーマと冒頭の映像でいうから、着ぐるみを着て、子供番組みたいな世界を予想したら一転して、キュートかつ大人な世界。新曲「Bunny Gone Bad」はともかく、まだキネマ倶楽部でしか生披露していない「レディ・メイ」を一人で妖艶に歌い上げたのには驚嘆した。さらに序盤戦では椎名林檎提供のドラマ主題歌「おとなの掟」(オリジナル:Doughnuts Hole)、「Moon Revenge」、「月のワルツ」(オリジナル:諫山実生)とももクロではあまり歌わなかったような大人の女性を強調した曲目が続いたが、すべて何の違和感もなく歌いこなしているところに最近、特にここ1年での著しい成長振りを感じさせた。佐々木彩夏に関しては以前は「アイドルとしてのあーりん」を意識しすぎるあまり、鼻にかかったような発声が気になったが、以前、ボイストレーナーがしゃくりの歌唱法を繰り返し練習させている動画を見て、あれは地声や癖ではなくてああいう風に演出されているのではないかとの疑問を感じていたが、今年のソロコンなどを見てみるとアイドル曲ではあーりんの歌唱、こうした大人の色気が必要な曲ではより成熟した歌声と自在に使いこなせる範囲が広がっていることがはっきりと分かった。
 それでいて、 「キューティーハニー」、「My Cherry Pie(小粋なチェリーパイ)」、「君が好きだと叫びたい(オリジナル:BAAD)」では会場に来ていたアイドルたちやバックダンサーの後輩にも見せ付けるように「アイドルあーりん」の魅力を演じつくしてみせるのもまさにプロフェッショナルなのである。
 ももクロ曲もいつもよりも多く、ソロで披露してみせたが、先の「レディ・メイ」や「ROCK THE BOAT」などはグループで見せるときとはまた違った趣きに仕立て上げてみせた。「ROCK THE BOAT」などはグループの楽曲としては印象的な「揺らしちゃう」などで玉井詩織曲のイメージが強いのだが、「この曲もらっちゃうわよ」といわんばかりで、会場にいた玉井も思わず苦笑いだったんじゃないだろうか。
 後輩のアイドルたちをどのように活用するかを見るのもあーりんソロコンの楽しみのひとつだが、今回はダンスが得意なグループを集めた。

MUSiC フェス〜私立恵比寿中学開校10周年記念 in 赤レンガ倉庫〜

MUSiC フェス〜私立恵比寿中学開校10周年記念 in 赤レンガ倉庫〜

日時:2019年6月22日(土)
open 10:00 / start 11:00
会場:横浜 赤レンガパーク特設会場

f:id:simokitazawa:20190619143327j:plain 
フェスのいいところは名前や曲の一節はテレビなどで聞いて知っていても生で本格的に聞いたことのない音楽の真髄の一端に触れられることだろうか。そういう意味ではいまさらのようではあるけれど、私にとっての最大の発見はゲスの極み乙女の演奏だった。実はこのバンド、妻がひどく気にいっていてよくライブにも出掛けているのだが、これまでただこじゃれた音楽をやるバンドとしか認識していなく*1、正直言ってこれほどの音楽性と演奏力があるバンドだとは思っていなかった。パフォーマンスの完成度の高さにも脱帽した。
 この日初めて見たバンドでは魔法少女になり隊が良かった。ゲーム的な要素(しかも、一時代前のチープなRPG)の要素をバンドの音楽と組み合わせていくコンセプトが面白い。
 岡崎体育も曲名はよく分からないのだが、心の中の中山莉子が出てくるの抱腹絶倒だった。
 10年続けてきたことで蓄積してきたエビ中の人脈の広さに驚き、ももクロとはまた異なるエビ中ならではの10年の年月の重みを感じさせたのである。とは言え、このフェスティバルの本当のテーマは別にあった。

*1:妻とは音楽の趣味が全然違う上に彼女が全力でももクロの音楽を否定してくるので、ついついこちらも対抗したくなる。ちなみに杏果の音楽は許せると言っている。

劇団山の手事情社 創立35周年記念公演 『methods』[メソッズ]@下北沢ザ…スズナリ

劇団山の手事情社 創立35周年記念公演 『methods』[メソッズ]@下北沢ザ…スズナ

2019年6月21日(金)~24日(月)

『過妄女』[かもめ](原作=チェーホフ
2019年6月26日(水)~30日(日)

会場=下北沢 ザ・スズナリ

構成・演出=安田雅弘

山の手事情社は今年、創立35周年を迎えます。稽古方法をご紹介する『methods』と、戯曲作品『過妄女』(原作:チェーホフ)。短期間で演劇のウラとオモテをご覧いただけます。演劇の街・下北沢で芝居三昧のひと時はいかがでしょうか。

山の手事情社は今年、創立35周年
皆さまの温かいご支援により、昨年の「存亡の(危)機」を回避し、何とか創立35周年を迎えることができました。1984年の旗揚げ以来、《構成演劇》に始まり、《集団創作》《ハイパー・コラージュ》《四畳半》といろいろな演劇スタイルに取り組み、その間メンバーもずいぶん入れ替わりました。変わらなかったのはおそらく「演劇を深く貪欲に楽しみたい」という気持ちだけです。演劇の聖地で、また新たなスタートを切ろうと思います。

■ 稽古方法《山の手メソッド》
演技様式の試行錯誤の中で、提案・開発されてきたのが《山の手メソッド》という訓練法です。『methods』では、一般にほとんどなじみのない演劇の稽古法を、お客さまに驚いたり楽しんだりしていただく中でご紹介しようと思います。〈演劇的教養〉とは、自分の「身体」や「社会」や「世界」を映し出す鏡を俳優の中に用意することです。ご覧いただければ、舞台や映像の演技の見方が変わると思います。かつて劇団でともに活動した清水宏氏も出演!

チェーホフに初挑戦!
湖畔の田舎屋敷を舞台に、作家志望の青年と、女優を夢見る乙女を軸に、屋敷に集まる人々のさまざまな恋愛模様が描かれます。チェーホフが『かもめ』執筆の際、出版社主宛ての手紙に書いたように「5プード(およそ80キロ)の恋」、すなわちもてあますほどの恋愛が作中に散りばめられています。チェーホフの発見は、人間の行動の根底には「過剰な妄想=恋愛」が横たわっている、ということではないでしょうか。

■ 下北沢・11時開演
大学卒業後、初めて上演した『ゆるやかなトンビリラロの身だしなみ』(本多劇場)も、現代では上演されていない歌舞伎作品『狭夜衣鴛鴦剣翅[さよごろもおしどりのつるぎば]』(ザ・スズナリ)の復曲に挑んだのも下北沢でした。ほかにもたくさんの思い出が詰まったこの街、数多くの劇場があり、海外フェスのように毎日多彩な作品が上演されるこの場所に帰ってきます。今回、劇団初となる午前11時開演の回を設けます。1日に3本鑑賞も可能。贅沢です! 

構成・演出 安田雅弘

 劇団山の手事情社創立35周年記念公演。この日の演目は同劇団の俳優訓練のための方法論を作品として公開したもので、どのような劇団で元来どのような劇団だったのかが、覗き見られるような構成となっていた。
 思い出してみれば20年以上前に「演劇とは何か」と考えはじめていた私の前に現れ、強烈な刺激を与え続けてくれた劇団(演出家)が青年団(平田オリザ)、ク・ナウカ(宮城聰)、上海太郎舞踏公司(上海太郎)、そして、山の手事情社(安田雅弘)だった。
simokitazawa.hatenablog.com

 日本の現代演劇における正史においてはこの後、平田、宮城が彼らに続く演劇人に強い影響を与え、海外での評価も高めていくが、私は個人的には安田と上海のいわば無謀とも言える挑戦に激しく惹かれる部分があった。 
  最近の若手の演劇作家の一部に明らかに彼ら(彼女ら)の先行世代と比べると実験的(以前は前衛的とも言ったが最近はあまり使われない気がする)な作風が目立つ傾向が顕著だが、歴史的に見てそういう実験精神の担い手となってきたのが早稲田大学演劇研究会(劇研)であった。
 こうしたことも若い人たちに取ってはもはや老人の繰り言にしか聞こえないかもしれないが、鴻上尚史
 

スペースノットブランク「すべては原子で満満ちている」@こまばアゴラ劇場

スペースノットブランク「すべては原子で満満ちている」@こまばアゴラ劇場

f:id:simokitazawa:20190621101458j:plain
スペースノットブランク「すべては原子で満満ちている」より。(撮影:月館森)

演出:小野彩加、中澤陽

ドラマとカオスが交錯する。そこに表れるすべての事象。とすべてのすべてについて。

いくつかの舞台に表れるいくつかの事象を、作者たちの独自性と物語たちの虚構性を交え、モキュメンタリーとして描きます。人間と人間の表現を探究するスペースノットブランクが、自己と他者の存在を受容し、いくつかの舞台で作者たちと物語たちを展開することで、舞台によるコミュニケーションを行ないながら、すべての事象に ある ない 意味を表します。


スペースノットブランク

小野彩加と中澤陽が舞台芸術を制作する組織として2012年に設立。舞台芸術の既成概念に捉われず新しい表現思考や制作手法を取り入れながら舞台芸術の在り方と価値を探究している。環境や人との関わり合いと自然なコミュニケーションを基に作品は形成され、作品ごとに異なるアーティストとのコラボレーションを積極的に行なっている。2017年〈第8回せんがわ劇場演劇コンクール〉にてグランプリ受賞。2018年〈下北ウェーブ2018〉に選出、〈高松アーティスト・イン・レジデンス2018〉に招聘。

出演

荒木知佳、古賀友樹、近藤千紘、高嶋柚衣、瀧腰教寛、西井裕美
スタッフ

舞台監督|河井朗
舞台美術|古舘壮真
音響・照明|櫻内憧海
制作|河野遥
宣伝写真|ダンオゥケ・カールソン

芸術総監督|平田オリザ
技術協力|鈴木健介(アゴラ企画)
制作協力|木元太郎(アゴラ企画)

 スペースノットブランクの作品はこれまで何回か見たことはあったのだが、単独の本公演は初めて。正直言って今回の作品はどのように受け取ったらいいのかが、よく分からなくて当惑させられた。
 始まってからしばらくはセリフはあまりなく、パフォーマーの身体所作も非常に緩やかなものだったため、太田省吾の沈黙劇のようなものだろうかと思いながら眺めていたが、ほどなくセリフが語られるようになると、そういうものではないというのが分かった。
 普通はことさら書かない「⚪⚪ではない」などということをこんな風にわざわざ書いたのは実はこの集団が行ったことはあまり他の集団の舞台では見たことがないものだったからだ。部分部分で何かを想起させることはあっても、全体を取ってみるとそこに独自性(オリジナリティー)があることは間違いなく思えた。ただ、見ていて気になったのはそれが表現として魅力的なものになっているという風にいえるのかどうかだ。セリフの形をとってはいるが、ここで発せられるセリフはイメージの断片でしかない。まとまった意味を形作るようなものにはどうしても思えなかったが、同時にそれは失敗してそうなったというよりは確信犯と思われた。
 その意味ではその舞台の感触自体はそれほど似てはいないが、意味の塊を持たず、言葉としての手触りを感じさせるところはオフィスマウンテンの山縣太一の言語テキストと若干類似したところがあるようにも思えた。
 とはいえ、それもあくまで若干の類似にとどまる。両者の間には決定的な差異も含まれている。ひとつは今回のスペースノットブランクのセリフには大別して、モノローグに聞こえるような長尺のセリフと掛け合いのような短いセリフの両方があることだ。
 このうちモノローグ的なセリフはひとりのパフォーマーが連続して語ることにはなるが、実は誰の言葉であるかはよく分からないようなものとなっている。
 会場で販売していた上演台本から少しだけ引用してみるとそれはこんな風になっている。
 「歩いている。ところからはじまっていて、どこ、こここここ、ばばば。外は暗い暗い夜道をずっと歩いているところがはじまった場所で。電話でいない人と喋る。1日のはじまりを電話ではじめて、5時間ぐらい喋って、暗くなって、床に転がって、天井の電気が1個切れて、誕生日だったことをすっかり忘れていた夜。焦りました朝。本を6冊ぐらい縦に並べて、電球が届いて、すっきりして、冷蔵庫開けて、卵が12個入ってて、オムレツでも作ろうかとなと卵を割って、フライパンに茶色く染まってしまって、理想の黄色はバリバリのパリパリしたオムレツがフライパン。」
 見てすぐ分かるのは一見モノローグのようでもここには「(私は)電話でいない人と喋る」と主語の私を補ったほうが分かりやすいモノローグ(1人称的な語り)と、「天井の電気が1個切れて」「電球が届いて」などの3人称的な「語り」が混然と交じり合ってしまっている。
 ここではある程度は具体的な情景も見えてくるような部分も含まれているが、「バリバリのパリパリしたオムレツがフライパン」のような発話した時の響きが重要な言葉も確かにある。この少し後には「人を見る人を見るのが嫌いで川が好きだな川が好きで川を見ると川に向かって話しかけるようにしてる川を見た川に願い事を話すと川は前から知っていました風に流れ続けてくれるから楽になる」などと畳み掛けるような「川」の連続が意味以上に次々と重なる「川」の響きの調子に重心がかかっている。
 一方ではダイアローグというよりはむしろ掛け合いのようなセリフもある。
 「来て。来て。来て。来て。来て。来て。来て。来て。」「息。」「来て。」「息。」「来て。」「息。」「来て。」」「息。」「来て。」「息。」「息していこう。誰かのための身体になるかもしれない。息していないと。大切にしよう。成長するために踏んでいこう。踏み出す。レゴブロック。ガチャガチャ。作る」。
 これも意味というよりは掛け合いのリズムと語感を大事にしていると思われる。
 本来はこうしたセリフ部分の構造的な差異が身体的な所作とシンクロしていくようなところがより明晰にあればもう少し見え方も違って見えるようだが、実際のパフォーマンスを見る限りはそれがそこまで意識されているように見えない。
 ただ、実は上演にはそれ以外に大きな魅力もある。それは出演者のなかにダンスでも演劇でも似たものをそれまで見たことがないような特異な身体の有り様を感じさせる人がいることだ。
 ところがこれが方法論的にどのように作品に寄与しているのかが今のところうまく受けとることができていない。少なくとも私には出来ていないと見えてしまう。方法論が個人のものにとどまっていて共通言語化していない弱さがあるためではないか。
 そうした不満もあるため、現時点で積極的な評価する気にはなかなかならないのだが、いずれにせよ気になる表現であるのは確かで、引き続き次の作品がどうなるかは注目していきたい集団だ。

平倉圭 × 大谷能生 × 山縣太一「俳優の身体には何が宿るのか?」@ゲンロンカフェ

平倉圭 × 大谷能生 × 山縣太一「俳優の身体には何が宿るのか?」@ゲンロンカフェ

──『身体と言葉:舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド』刊行記念イベント


【イベント概要】

オフィスマウンテン主宰・山縣太一氏と、
楽家/批評家の大谷能生氏による共著『身体と言葉』が2019年5月15日に発売される!

その刊行を記念して著者両氏に加え、これまで山縣氏の身体に注目し続けてきた、
平倉圭氏を交えて、「俳優の身体」に迫るトークイベントをゲンロンカフェにて開催いたします。

山縣氏は、2000年代に日本の現代演劇シーンを牽引してきた劇団「チェルフィッチュ」のメンバーとして、
『三月の5日間』をはじめ多くの作品に出演、活躍し、その後自身の演劇ユニット「オフィスマウンテン」を始動しました。
「オフィスマウンテン」では自身の演劇作品を上演するほか、
独自のメソッドを伝えるワークショップも数多くおこなっており、
国内の若手俳優、また舞台研究者らにも大きな影響を与えています。

トークでは、山縣氏とともに数々の創作をおこなってきた大谷氏と、
本人以上に山縣氏の身体を観察してきた平倉氏が「俳優の身体」を徹底解剖!
身体と言葉の可能性から、演劇の可能性を追及し、俳優の身体には一体、何が宿るのかを探ります。ぜひ会場で、その身体に注目しながら、ご参加ください。

きょうのゲンロンカフェは刺激的な内容だが、密度が濃すぎて咀嚼にはなかなか時間がかかりそう。
著書の「身体と言葉:舞台に立つために 山縣太一の『演劇』メソッド」についてはすでに一度目を通していた。内容はこれまであまり他の人が論じていないことが多く、刺激的なものだったが、一読しただけではその真髄に触れられたとはいえないほど多岐にわたっている。
 実はうかつなことに正式な書名が「身体(ことば)と言葉(からだ)—舞台に立つために 山縣太一の『演劇』メソッド」と身体(ことば)と言葉(からだ)と読み方と表記を入れ替えているということにさえ気がついてなかった。
 この日のトークはただ著書を読んだだけでは意味合いが分からない、山縣特有のこだわりがいくつも浮かび上がってくるような内容で、これを踏まえてもう一度本を読み返してみたいと思った。
 特にこの日のトークの最後の方で出てきた「ダンス(や身体所作)において言葉との関係は重要だが、それは意味ということじゃない」というのが面白かった。

身体(ことば)と言葉(からだ)?舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド

身体(ことば)と言葉(からだ)?舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド