下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

振り返る私の2007

◎「振り返る私の2007」 中西理(中西理の大阪日記)http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/

1.維新派「nostalgia」@大阪ウルトラマーケット

2.五反田団+演劇計画2007「生きてるものはいないのか」@京都芸術センター

3.MIYUKI YANAIHARA PROJECT「青ノ鳥」@吉祥寺シアター

 維新派「nostalgia」の第1位は動かしがたい。「<彼>と旅する20世紀三部作#1」という副題がつけられ三部作の始まりとなる。主題(モチーフ)的にもこのところ続いた絵画的ビジュアル重視から物語(ナラティブ)の要素が強まり次の段階(フェーズ)に入った。もっとも注目される劇作家・演出家を挙げるとすると五反田団の前田司郎、ニブロール矢内原美邦の2人になりそう。前田は京都芸術センターとの共同製作となった「生きてるものはいないのか」で昨年に引き続きその才気を見せ付けた。アウトサイダーながら90年代にもっともラジカルな方法論的実験を行った山の手事情社の安田雅弘を思わせる矢内原の「演劇」はきわめて刺激的だ。