下北沢通信

中西理の下北沢通信

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 金沢21世紀美術館「21世紀の出会い −共鳴、ここ・から」を見る。
 3時前に美術館に着き、2時間以上あれば見られるだろうと思ったが、予想以上に分量があり、企画展はまだしも無料の企画展や常設展示は駆け足になってしまったり、見られなかったものがあったのが残念。ただ、見たものについては面白いものがいくつかあり、見ごたえがあった。
 展示で面白かったのはジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」。約11〓四方の正方形の部屋の天井が一辺がその半分の長さの正方形の開口部が開いていて、そこから空が切り取られたように見える。見所は夕暮れ時だということだが、私が見たのもちょうどそのころだったのはラッキー。この日は雨が降っていてそれでも空は青みがかって見えたのだが、もう少し晴れた日や昼時だったらどのように見えたのかも知りたいところであった。有料の企画展示ではゲルダ・シュタイナー&ユルグ・レンツリンガーの「ブレイン・フォレスト」がよかったが、本当は時間に余裕があってもっとゆっくりと見たかった。ジェン・グエン=ハツシバも六本木・森美術館の個展では見られなかった「ハッピー・ニュー・イヤー メモリアル・プロジェクト・ヴェトナム〓」が見られたのが嬉しかった。
 同時開催の無料の企画展「モダン・マスターズ&コレクション」は内容が充実していたことにびっくり。ゲルハルト・リヒター「ベッティ」も初めて作品を真近に見て面白くはあったのだが、なんといってもよかったのはイ・ブルの作品。スケッチとフィギュアというか造形でサイボーグとも怪物ともいいがたいような異形のものたちが作られていて、それがなんともいえずモノとしての力を感じた。その時点では知らなかったのだが、これが韓国人でしかも女性の作品だと知って2度びっくりであった。