「I AM Star Trek」*1(Pleasance KINGDOME)を観劇。
「スター・トレック」の生みの親であるプロデューサー、ジーン・ロッデンベリの生涯をミュージカル風の評伝劇にしたのが「I AM Star Trek」である。これは幼少のころからこの物語に親しんできたものとしてはとれもわくわくさせられるもので、わざわざここまで来た甲斐があったと思わせられるのに十分な好舞台であった。
中心になっているのはロッデンベリがシナリオライターらほかのスタッフたちと一緒にいかにしてこの物語を作り上げていったのかとストーリーなのだが、そういうメインストーリーに挿入されるようにところどころに「スター・トレック」の名場面のパロディが散りばめられていて、笑いどころも十分だし、わずか8人の俳優が次々といろんな人物を演じ分けていくところなどは日本の小劇場演劇と同質の匂いもさせていて、なかなか面白い。全体としてとてもよく出来ていて、これは日本で日本人のキャストによって上演しても当たるのじゃないかと思った。
そんなことを思ったのには別の理由もあって、主人公のロッデンベリ役の俳優が気難しいけれども気骨のあるロッデンベリ像をうまく演じていて好感がもてたのだが、彼の風貌がちょっと西田シャトナーに似ていたということもあって、思わずシャトナーにこの役をやらせたら面白いんじゃないかと思ってしまったからである。
この芝居には当然、ウィリアム・シャトナー(カーク船長)やレナード・ニモイ(スポック)、さらにはニュージュネレーションのCaptain Jean-Luc Picard (Patrick Stewart)も登場するのだが、カークとピカードはかなり本物と近い風貌で嬉しくなった。残念ながらスポックはあまり似ていなくて最初に出てきた時にはドクター・マッコイかと勘違いしてしまった。