昨年12月5日の日記http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20051226にもイチオシと書いたポツドール三浦大輔が「愛の渦」で第50回岸田國士戯曲賞http://www.hakusuisha.co.jp/current/kishida_senkou.htmlを受賞(劇団B級遊撃隊の佃典彦との同時受賞)した。パンプレスに書いた「愛の渦」のレビュー*1にも、「今もっとも刺激的な演劇を見せてくれるのはチェルフィッチュとポツドール、と昨年から飽きるほどいろんなところで言ってきたが、ポツドールの新作「愛の渦」(作演出・三浦大輔)もそうした期待にたがわぬ好舞台であった」と書き、先日提出した「悲劇喜劇」の「2005年今年の収穫」アンケート*2にも伝統ある演劇雑誌にはおそらく場違いを覚悟のうえでベスト戯曲に選んでいただけに昨年の岡田利規*3に引き続き、自分のことのように嬉しく、思わず「ざまあみろ」と快哉を叫びたい気分である。
昨年の岡田の受賞の時に「これまで戯曲賞でもダンスコンペでも私の評価している人は絶対に賞を取り逃がすというジンクスを背負って悔しい思いをしていた(死屍累々)ので」と書いたのだが、最近のこれはどういうことになっているのだろう。世間の風潮と私の波長が合い始めているということだろうか。もっとも、今年の岸田戯曲賞に関していえば審査員が入れ替わったのが大きいのだという説明が妥当なところかもしれない。佃は受賞作を見て(読んでも)いないので、なんともいえないのだが、なんとなく功労賞的な色合いがなくもなさそうと気がしないでもない。これまで何度もノミネートされているし、これが最後のチャンスかもしれない*4のでその貴重なチャンスをよくつかんだと思う。名古屋の演劇界にも刺激になって、ライバル(はせひろいち、天野天街)の刺激になればと思う。
関西勢で唯一ノミネートだった岩崎正裕は受賞を逃し残念であったが、候補作だった「音楽劇 JAPANESE IDIOT」は私には「ここからは遠い国」のような傑作を書いている岩崎の最良の作とはどうしても思えなかった。