下北沢通信

中西理の下北沢通信

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第52回岸田國士戯曲賞最終候補*3

第52回岸田國士戯曲賞最終候補作品一覧 (作者五十音順、敬称略)

青木豪『Get Back!』(上演台本)
赤堀雅秋『その夜の侍』(上演台本)
桑原裕子『甘い丘』(上演台本)
タニノクロウ『笑顔の砦』(上演台本)
前田司郎『生きてるものはいないのか』(上演台本)
本谷有希子偏路』(上演台本)
矢内原美邦『青ノ鳥』(上演台本)
山岡徳貴子『静物たちの遊泳』(上演台本)

 いささか旧聞に属する情報ではあるが岸田國士戯曲賞の最終候補作品が発表になった。昨年は受賞作なしですかされたが、今回はどうだろうか。私のイチオシは昨年同様に前田司郎だが、ベストアクト上位に選んだ矢内原美邦「青ノ鳥」が演出(つまり作品賞)ではなくて戯曲賞でノミネートされたのにはびっくりである。それほど騒がれてはいないが、実はチェルフィッチュトヨタコリオグラフィーアワードにノミネートされたのと同じぐらいの大事件であるはずなのだが。公演を見ていず戯曲も未読なためなんともいえないが、前田の最大のライバルになりそうなのは今度も本谷有希子なんだろうな。タニノクロウの「笑顔の砦」はよくできた本ではあったが、オリジナリティーという意味ではちょっと物足りない気がした。