下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

五反田団「生きてるものか」@東京芸術劇場

 作・演出:前田司郎 舞台美術:池田ともゆき 舞台監督:榎戸源胤
 技術監督:松本謙一郎 特殊装置:岩城保 照明:山口久隆(S-B-S)
 演出助手:上松頼子(風花水月) 宣伝美術:木村敦子
 制作:尾原綾、三橋由佳、清水建志
 主催:五反田団 提携:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団
 助成:平成21年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業)
 出演:
 飯田一期 :澤田洋二
 石澤彩美 :森美紀(フリーター)
 久保亜津子[向陽舎]:今日子(主婦)
 佐藤誠[青年団]:高橋良一郎(中年フリーター)
 島田桃依 :曳田こごみ(ホステス風に紅い服の女)
 菅原直樹 :印南(編集者)
 瀬尾遠子 :素子(良一郎に好意。美紀の友人)
 飛谷映里 :祥子(澤田洋二・妻)
 野津あおい:藤堂(印南仕事関係。大原に心配される)
 枡野浩一(歌人):大原(眼鏡 時々ニヤニヤ)
 前田司郎 :小石川(個人業)

 岸田戯曲賞受賞作となった「生きてるものはいないのか」と新作「生きてるものか」の2作品連続上演。今回はチケットが手に入らず初演を見ている「生きてるものはだれなのか」はあきらめ、新作の「生きてるものか」のみの観劇となった。
「生きてるものはだれなのか」は登場人物が全員、原因不明のまま謎の死をとげてしまうという一種の不条理演劇で、結果的には岸田賞を受賞してしまったため、今後はこれが前田司郎の代表作とされるかもしれないが、それまでの作品群のなかではかなりほかの作品とは毛色が異なる異色作のイメージが強かった。ところが今回の新作「生きてるものか」は最初から2本立てとして「生きてるものはいないのか」とセットで構想されたためか、明らかに「生きてるものはいないのか」の続編的な性格を持つ作品となっている。