新春浅草歌舞伎第一部@浅草公会堂
第一部お年玉<年始ご挨拶>
一、義経千本桜よしつねせんぼんざくら 鳥居前
二、元禄忠臣蔵げんろくちゅうしんぐら
御浜御殿綱豊卿
第二部お年玉<年始ご挨拶>
一、操あやつり三番叟さんばそう
双蝶々曲輪日記
二、引窓ひきまど
銘作左小刀
三、京人形きょうにんぎょう
「第一部」だけを見たが諸事情で「義経千本桜よしつねせんぼんざくら 鳥居前」は見られず、「元禄忠臣蔵げんろくちゅうしんぐら 御浜御殿綱豊卿」のみの観劇となった。「元禄忠臣蔵」といえば「大石最後の一日」として知られる部分は見た記憶があったが、「御浜御殿綱豊卿」は初めて見た*1 。地味な演目だと思いそれほど期待していなかったのだが、これが綱豊を演じた尾上松也のことのほか堅実な演技と相俟ってとても好印象な初芝居となった。
元禄忠臣蔵は、新歌舞伎の演目で劇作家真山青果作。昭和9年2月に最終の第10編『大石最後の一日』が初演されたのを皮切りに、昭和16年11月に第8編『泉岳寺の一日』が初演されるまでの7年間に、計10編11作が上演された。 (ウィキペディア)
尾上松也は今回の「新春浅草歌舞伎」では座頭的な位置づけ。若手では人気のある方だが、今後一枚看板としてやっていけるのかどうかという試金石がこの「新春浅草歌舞伎」だろう。テレビのFNS歌謡祭で見て歌がうまいことには感心させられたのだが、正直言ってこれまで何度か見た舞台では演技が軽い感じがつきまとい、あまり好印象を持ってはいなかった。
ところが今回の「元禄忠臣蔵げんろくちゅうしんぐら 御浜御殿綱豊卿」 は綱豊を重厚な演技で体現し、そうした評価を塗り替えるのに十分な存在感を見せてくれた。