Project Nyx「星の王子さま」@東京芸術劇場
作:寺山修司 構成・美術:宇野亞喜良 演出:金守珍
キャスト:水嶋カンナ、江本純子、遠藤好、佐藤梟、傳田圭菜、森永理科、日和佐美香、柏木亜優美、史椛穂、金井由妃、本山由乃、寺田結美、落合苗穂子/若林美保、ヴィヴィアン佐藤、エロチカ・バンブー、フラワー・メグ、中山ラビ 《演奏・出演》 黒色すみれ 《人形遣い》 ルナティコ
スタッフ:照明:泉次雄+ライズ/ 舞台美術・衣装:宇野亞喜良/ 美術・衣装助手:野村直子/ 音響:大貫誉/ 振付:大川妙子/ 衣装製作:前田和美/ 宣伝美術:宇野亞喜良/福田真一 /プロデューサー:水嶋カンナ/制作:Project Nyx/ 制作協力:JSK/新宿梁山泊
寺山修司の「星の王子さま」はサン=テグジュペリの童話がモチーフ。「毛皮のマリー」の姉妹編で、女性出演者による「男装劇」として上演された。今回の演出もそれを引き継いだものとなっている*1。天井桟敷による初演は1968年。今から50年も前なのだが、いまでもなお新しいと思われる部分もあるのが寺山の凄さかもしれない。
パパとその娘の少女・点子が、あるホテルに宿泊しようとするところから話は始まる。 そこはサン=テグジュペリの「星の王子さま」に憧れるウワバミ(水嶋カンナ)が経営する宿である。ウワバミは昼は天体望遠鏡でみえない星を観察、夜は星の王子様の衣装を着て今風に言えばコスプレごっこをしている。現実の汚い部分に目を背け空想の世界にのみ溺れる彼女は点子を捕らえて仲間に引き入れようとするが、逆に現実を突きつけられ、老女の欺瞞にみちた虚構世界は少女によって崩れていく。