KERA・MAP『修道女たち』@下北沢 本多劇場
2018年10月20日(土)~11月15日(木)
会場:東京都 下北沢 本多劇場作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:
鈴木杏
緒川たまき
鈴木浩介
伊勢志摩(大人計画)
伊藤梨沙子
松永玲子(ナイロン100℃)
みのすけ(ナイロン100℃)
犬山イヌコ(ナイロン100℃)
高橋ひとみ
以前、ナイロン100℃「フローズン・ビーチ」(1998年8月/第43回岸田國士戯曲賞受賞作)、「薔薇と大砲 ~フリドニア日記 #2~」などの作風を称して「異世界を捏造する演劇」と評し、大きなウソ(虚構)をある種のリアルをもって体現するために小さな虚構を積み重ねると書いたことがあるが、「修道女たち」もそんな舞台のひとつと言ってもいいだろう。
表題どおりにほとんどの登場人物が修道女である。何者かに毒を入れられたワインを飲まされて、43人の修道女が殺された陰惨な事件の翌年の物語。ケラ作品だから笑えるのは存分に笑えるのだが、全体を覆う悲劇的な色合いが舞台の進行にしたがって濃厚になっていき最後にはカタストロフィーに雪崩れ込んでいく。
ラストの幕切れはそうなるしかないんだろうなとは感じながらもあまりにもやるせない。そうする必要はないのでないかとも感じながらももし違う終り方であればここまで強く複雑な感情は私に起こさせなかったのではないか。それこそケラ作品の魅力なのは間違いないのだ。