下北沢通信

中西理の下北沢通信

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アメフラっシが新曲と冠ラジオ番組発表。アメフラっシ「きんよるライブ」@duo MUSICEXCHANGE

アメフラっシ「きんよるライブ」@duo MUSIC EXCHANGE

アメフラっシの単独有観客ライブである。duo Music EXCHANGEという会場は悪くはない会場ではあるが、キャパと時期から考えるとどうしても配信ではなく、観客の前でのイベントでないといけないということがないといまのタイミングでは考えにくい会場である。何か特別なことがありそうとの嗅覚からチケットを予約することにした。タイミングとしては有観客のイベントが動き出しているタイミングで考えてみれば昨年末に「Staring at You」が新曲として披露されてからもう半年近くが立っていて、次の何かの展開が出てくるはずの時期とも言えそう。
ただ、すぐにメジャーデビュークラスのサプライズがあると考えるのはモノノフの悪い癖で、頭を使う演出などと配信番組で言っていたから、何かこれまでにない新しい演出を試してみる、程度のことかもしれない。
さて、実際はどうだったか。メジャーデビューやツアー発表のような大きなサプライズニュースはなかったが、アイドルフェス行脚の中途にして、新曲を投入。既存曲も振り付けやアレンジに細かく手直しを入れるなどより一層のパワーアップのためのテコ入れを図ったのではないか。新曲「Sensitive」は「Bad Girl」に引き続き、洋楽系のカッコよさを前面に押し出した楽曲。ガールクラッシュと呼ばれる*1ようなクールなパフォーマンスだった。
ひとつの色に縛られることなく、クールからエモーショナル、果てはメタルやパンクなどバンド系の音楽まで変幻自在な多彩なパフォーマンスを展開するのが アメフラっシの武器ではあるが、それは単独ライブに来てもらってある程度以上の尺でライブを見てもらって初めて分かること。ファンを増やそうとする過程ではどこでフックを作りファンを獲得するのかという戦略が必要かもしれない。そういう意味ではアメフラっシのパフォーマンスはこれまでのスターダストプラネットのグループにはなかったタイプのもので、例えば26時のマスカレードがトリを務めたMX IDOL FESTIVALでは他の出演グループと異質な存在で、アメフラっシが新たなファンを獲得する場としては難しいとも思ったのであった。実はこの日は本編で1回、アンコールでもう1回と新曲「Sensitive」は2回にわたって披露されたが、高度な歌唱力が要求される難曲であるにもかかわらず初回の披露から不安定さは微塵もなく、アメフラっシのポテンシャルの高さを見せつけることになった。アイドル好き界隈からまた否定的な意味合いで「K-POPみたい」などの声が出てきそうだが、あえてそちらの方にシフトして、女性ファンの獲得を意図的に試みるという戦略もひとつの狙いとしては「あり」かもしれない。
この日は最後に次回単独ライブの予定(8月8日)とinterFMでのレギュラー番組のスタートも発表された。ラジオはアイドルトークと音楽の番組ということで、音楽番組の要素があるということはそんなに急激には効果はなくても愛来が好きな韓国アイドルの楽曲の紹介のラインアップのなかで自分たちの楽曲を混ぜ込んでいくようなプロモーションの展開で女性ファンを取り込んでいくという作戦はどうだろうか。

きんよるライブ
duo MUSIC EXCHANGE

M1 Rain Makers!!
M2 MICHI
M3 轟音
M4 グロウアップ・マイ・ハート
MC 自己紹介
M5 [新]Sensitive
M6 BAD GIRL
M7 ミクロコスモス・マクロコスモス
MC
M8 Over the rainbow
M9 フロムレター
M10 アダムスキーじいさん~ハムとみかん~
M11 バカップルになりたい!
M12 メタモルフォーズ(飛可)
M13 Staring at You
EN1 Sensitive
EN2 STATEMENT
MC
告知コーナー
7/5 23時 レギュラーラジオ開始
8/8 ライブat同所
【日時】2021年6月18日(金)
open 18:00 / start 18:30
【会場】duo MUSIC EXCHANGE

InterFM897「アメフラっシの大雨注意報!
2021年7月5日(月)23:00~23:30
※以降、毎週月曜日放送。

*1:ガールクラッシュとは 同性である女性が思わず惚れ込んでしまうような魅力を備えた女性を指す言い方。 かわいいだけでなく、格好良い、憧れる、といった好印象の総体として捉えられる。