下北沢通信

中西理の下北沢通信

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スタプラの新たなキラーコンテンツになりうるライブ ひさしぶりに川上節を堪能 「東京やかんランド vol.1」@原宿RUIDO

「東京やかんランド vol.1」@原宿RUIDO



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 「東京やかんランド」Youtubeチャンネル「やかんとアイドル」による主催イベントだが、寸劇を交えたライブショーで原宿RUIDOの狭い空間では贅沢すぎるような「神イベント」だった。スターダストプラネットのアイドルから選抜されたメンバーだが現在はスタプラではない元たこ虹の根岸可蓮も参加。元たこ虹のファンとしては根岸可蓮(れんれん)が小さな会場ゆえにすぐ近くで楽しそうに歌い踊るのを見ることができたというだけでも至福の時間を過ごせた。
 カバー曲を歌うというので「ガチンコ・スタプラ」のようなものを予想していたが、全然違い先述したように参加メンバーによる寸劇とそれとつながりのある曲の歌唱が交互に行われて進行していくというショーアップされたライブとなっており、「ガチンコ」や「フォーク村」あるいはももクロのライブ「白秋」のように難しい曲に挑戦させるのではなく、それぞれの魅力が発揮されるような選曲になっていたのもよかったのではないか。
 それぞれのグループで例えばCROWN POPならば三田美吹ではなく田中咲帆/藤田愛理/雪月心愛の3人が選ばれるなど、ファン以外への知名度が高いわけではないが、個性的な魅力を持つメンバーを選んだ人選が光った。
 これはファンの欲目も入っているかもしれないが、そんなことは無関係に素晴らしいと思ったのが小島はな。冒頭の雪月心愛を伴っての「ジャンボリミッキー」から小島はなワールド全開の状態。今回は各グループの歌唱メンバーを集めたというわけではないこともあり、余計に強く感じたがとにかく歌の安定度は抜群。アイドルはもちろん歌唱力だけじゃないことは小島はなのソロ歌唱の後に登場した雪月心愛がその「あざと可愛さ」で一歩も引けを取らずにその存在感を見せつけたことが証明しているが、それでも小島がいるといないとでは「東京やかんランド」のショーとしての完成度の印象は大違いだったのではないかと思う。
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 寸劇を交えたショー仕立てということもあり、描かれる世界観の広がりを見せるという意味でもイケメンも演じることができる彼女の存在は貴重であったと思う。
 ライブのラストが全員によるTOKIO「AMBITIOUS JAPAN!」の歌唱で終わったのには驚いて???となったが、「これぞ川上節」と思い嬉しくなった。すでにvol.2の開催も発表されたが、スタプラの新たなキラーコンテンツになりうるライブだと思う。考えてみればスタプラフェスは年に一度あっても参加メンバーが多すぎるとシンデレラの企画はあっても個人個人に光が当たる機会は限られていた。すでに浪江女子発組合では浪江オリジナル楽曲だけではないところでそうしたことを試みており、「東京やかんランド」ならびに「やかんとアイドル」はそうした成果をへての新たな試みではないかと思う。

出演者:葵るり/小島はな/田中咲帆/藤田愛理/雪月心愛/根岸可蓮