白昼夢 第十回公演 「麒麟大天覧」@花まる学習会王子小劇場
脚本・音楽・映像
米山昂
演出
石坂雷雨
振付
髙橋沙耶
出演
万葉蜜子
大蔵麻月
鶴田理紗
左藤英美
(以上、白昼夢)
くわのけんるい(KuWa)
花里弘二
宮崎卓真(style office)
白昼夢「麒麟大天覧」@花まる学習会王子小劇場観劇。登場キャラの名前を見て京極夏彦と「帝都物語」の影を感じる。昭和を背景にした妖怪たちによるオリンピックを平成の次の時代に開催される2020年東京五輪に重ね合わそうというアイデアも興味深いがやや盛り込みすぎたかもしれない。異色な作品であることは間違いがない。
白昼夢は日大芸術学部OBによる劇団だが、最近日芸出身者が多い青年団系とはそのスタイルに於いて一線を画するところがありそう。主宰兼演出の石坂雷雨は2年ほど少年王者舘に在籍していたそうで俳優をフォーメーショナルに使う動きなどにはそうした影響もないではない。ただ、天野天街の作品あるいは少年王者舘にそれほど似ているわけではない。
複数の俳優による集団演技は最近はあまりないが、80年代にはあったスタイル。結局のところ、例えば夢の遊眠社がそうであったように、あるいは惑星ピスタチオがそうだったようにいかに自分らならではの独自の身体表現様式を確立していけるかだろう。それには集団としての試行錯誤を含む訓練が必要だし、時間がかかるが何かしら面白いものが出てくるか注目していきたい。
俳優では鶴田理紗がいい。無隣館2期生だがもと自分がいた劇団に残ることになったようだ。今回は主役の男(麒麟)役だが、男装しての立ち姿に凛としたところがあり、これまで彼女を見てきた群像会話劇系の作品では見たことのない演技を見せてくれた。