下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンスなど様々な文化的事象を批評するサイト。

ストレンジシード静岡2019@駿府城公園・静岡市役所・葵区役所など静岡市内

ストレンジシード静岡2019@駿府城公園・静岡市役所・葵区役所など静岡市

ロロ


『グッド・モーニング』(ストレンジシード静岡2019ver.)
*1

出演
望月綾乃
大場みな

スタッフ
作・演出:三浦直之
制作:奥山三代都

範宙遊泳 シリーズ おとなもこどもも
『フィッシャーマンとマーメイド』

会場
ギャラリーステージ
出演
埜本幸良
油井文寧

スタッフ
作・演出:山本卓卓
制作:坂本もも

川村美紀子+米澤一平

川村美紀子
1990年生まれ。「どこからかの惑星から落下してきたようなダンス界のアンファン・テリブル」(Dance New Air 2014/石井達朗氏)とも紹介されるその活動は、国内外の劇場にとどまらず、屋外やライブイベントでのパフォーマンス、映像・音楽制作、レース編みなど多彩に展開。

米澤一平
タップダンサー。熊谷和徳氏に師事、Kaz Tap Company所属。黒人奴隷の歴史をルーツとし米国から発祥されたオリジナルの『TAPDANCE』のカルチャーを学びながら、音楽、歌、ダンス、コミュニケーション、感情表現、“TAPする行為”から生まれる様々な対話の可能性を探ってる。

カゲヤマ気象台
渡辺尚(頭と口)
ままごと×康本雅子「無題」
出演

石倉来輝
小山薫子

スタッフ

振付:康本雅子
脚本:柴幸男
制作:加藤仲葉、宮永琢生
HURyCAN(スペイン)

 野外演劇フェスティバルである「ストレンジシード」では例年、通常の劇場空間ではない場所が上演の場として選ばれるが、時として上演される場所と作品が絶妙な組合せとなって、劇場では得られないようなサイトスペシフィックな臨場感を醸し出すことがある。今年の上演作品ではロロの『グッド・モーニング』がそんな作品であった。

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この「グッド・モーニング」は学校に忍び込んでいて一晩を過ごしていた<逆>乙女(望月綾乃)と朝一番に登校してきた白子(大場みなみ )が人気のない朝の自転車置き場で出会うという物語。
ストレンジシード静岡では実際の自転車置き場を借景として使って芝居が上演される。外の声などがすべて聞こえてきてしまうような状況だが、これが劇場にはない臨場感を生み出してい非常に面白いものに仕上がっていた。
 そういえばこのロロのいつ高シリーズはこれ以外の作品もすべて学校の校内のどこかを舞台にしているから、どこかの高校か大学を会場にして複数の作品をつないだ移動演劇にしたら面白いのではないかと思った。
次に見たのが範宙遊泳 シリーズ おとなもこどもも『フィッシャーマンとマーメイド』。こちらは基本的には静岡で行われるストレンジシードに合わせて書き下ろされた子供向けの作品。実際の自転車売り場を使ったロロとは正反対にこちらは建物の中の廊下の一部に囲い込まれた空間を作り、ここを山梨県に住んでいるある男が引き篭もっている部屋という設定でこたつ机の真ん中に広げられた青いシート状の布の中から人魚の姫が出てくるという奇想天外な物語が展開された。こども向けとは書いたが、こちらは範宙遊泳が得意とする映像との融合手法が存分に駆使された作品で、アートな感覚にも溢れたものとなっていた。
 さらに次に向かったのは川村美紀子+米澤一平。こちらは歩行者天国のように交通規制を敷いて交差点の路上に作った「札の辻」エリアでのパフォーマンス。川村美紀子はコンテンポラリーダンス振付家・ダンサー、米澤一平はタップダンサーと異ジャンルの二人が大道芸風なパフォーマンスを繰り広げるというものだった。
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川村美紀子(手前)と米澤一平(奥)