下北沢通信

中西理の下北沢通信

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JCDN国際クリエイティブレジデンシープログラム(アメリカ編)「ユー・アー・ソー・ビューティフル!」  “Arrowhead project “You Are So Beautiful!”

JCDN国際クリエイティブレジデンシープログラム(アメリカ編)「ユー・アー・ソー・ビューティフル!」  “Arrowhead project “You Are So Beautiful!”(京都芸術センター)は14、15日の本番が仕事で見られないため、無理を言ってリハーサルを見せてもらうことにした。

 ヤザキタケシ&アローダンスコミュニケーション(日本)とヘッドロング・ダンス・シアター(アメリカ)によるコラボレーションプロジェクトである。

 日米のダンスカンパニーの共同製作はどうもボタンの掛け違い的舞台に思われた昨年のニブロールの例があるため若干の危ぐを持ち出掛けたのだが、これは面白い。本番が見られる人は必見である。

 誤解を恐れずにあえて説明すれば「日米馬鹿ダンス対決」とで呼びたくなる(笑い)。もちろん、最大の褒め言葉のつもりである。とにかく、楽しめるダンスに仕上がったうえで日米のカルテュラルギャップのおかしさにも踏み込んでいっているのが評価に値すると思う。特に「キルビル」を引用したダンスなどあまりのバカバカしさにお腹がよじれるほど笑ってしまった。

東京から見ると関西のコンテンポラリーダンストップランナートヨタアワードの受賞もあって、砂連尾理+寺田みさこに見えるかもしれないが、先日のパリ公演(http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20031128)とこの合同公演などを見て、砂連尾らの急成長は認めたうえで、まだまだそれはヤザキタケシだと思った。逆に言えば東京で本格的な公演をしてないせいで、正当な評価を受けていないことがなんとも口惜しい。

この作品は京都の後、2月にはフィラデルフィアのダンスフェスティバルとニューヨークのジャパンソサエティでの公演が決まっているのだが、おそらく向こうの方がより受けることになりそうなので、その反応を聞くのも楽しみである。