演劇計画2004「じゃぐちをひねればみずはでる」(京都芸術センターフリースペース)を観劇。
元モノクロームサーカスの飯田茂実の小説・詩などを抜粋したテキストを青年団の三浦基が構成・演出。うーん、再演で一度見たからこちらを選んだのだけれど五反田団に行けばよかったと後悔。演劇でこういうコラージュ風のことをやるとどうしてダンスと比べてこんなにカッコ悪くなってしまうのだろう。相変わらずのテキストの解体なのだけれど、自己表出系の内田淳子の演技と三浦演出の相性は「Jericho2」の時に感じたのと同様よくない。
飯田のテキストにも注目していたのだが、ここまでバラバラにされてしまうといいとかよくないとか以前の問題で判断のしようがない。評判のよかったらしい「三人姉妹」を見ていないのでなんともいえないのだが、どうせ断片化してしまうのであれば現代演劇のテキストを使用するよりはチェホフやシェイクスピアやギリシャ悲劇のように原テクストのレファランスが参照可能なもののほうが、テキストを使う意味がまだあるのじゃないかと思う。
普通は切断しないところで言葉を切断するせりふ術は以前もそうだったから、三浦の意識的なもので、おそらくテキストの文脈を宙吊りするような異化効果を狙ったものだと思うが、少なくともこの舞台ではそれほど効果的とは思われなかった。