下北沢通信

中西理の下北沢通信

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地点『山山』@KAAT

地点『山山』@KAAT

作 松原俊太郎
演出 三浦基  

出演 安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気 麻上しおり

舞台美術|杉山至(山・忘)
衣裳|コレット・ウシャール (山・忘)
照明|横原由祐(山)、大石真一郎 (忘)
音響|徳久礼子(山)、稲住祐平(忘)
舞台監督|藤田有紀彦(山)、小金井伸一(忘)

プロダクション・マネージャー|山本園子(山)、安田武司(忘)
技術監督|堀内真人(山・忘)
宣伝美術|松本久木(山・忘)
写真|石川竜一(山・忘)
制作|千葉乃梨子(山)、田嶋結菜(山・忘)

地点という劇団は少し苦手。というのは本当に名実ともに素晴らしいと思われる舞台と困惑して「うーん」と考え込んでしまう舞台が両方あって、チェホフの4大戯曲の連続上演*1などは前者だが、正直言って今回の舞台は後者。作家の松原俊太郎も評価が高いし、おそらくこの舞台を絶賛する人が一定数以上出てきそうだが、私には正直よさがよく分からないものだった。 
  杉山至の印象的な舞台美術を活用した空間造形など評価すべきところはなくはないのだが、この舞台は私にはどうも相性がよくないようだ。テキストを切り刻んでばらばらにしてしまうような三浦基の演出アプローチはそれがチェーホフシェイクスピアのような元テキストがよく知られたものについては物語の再構築という意味である種の効果をおよぼすことは確かだが、新人劇作家の新作上演にはあまり向いていないのではないか。