尾崎なずな「MU:ZIK 銅版画+α)展」(フィネガンズウェイク)を見る。
常連となっている上本町にあるボックスギャラリー&バー「フィネガンズウェイク(FINNEGANS WAKE)」が今年いっぱいで立ち退きのため、次の場所が見つかるまでの間しばらく閉店となり、それで店の最後を飾る形で連続の個展が閉店までの約1ヶ月間開催される。
この展覧会はその第一弾だった。音楽を題材にした版画と白と黒に塗った木の棒(ピアノの黒鍵と白鍵を意味しているらしい)を組み合わせたインスタレーション。版画は悪くはなのだけれど、どことなく、パウル・クレーやカンディンスキーを想起させるところもあって、どこで見たことがあるという感覚を完全には拭い去れない。初めて作ったというせいかちょっとまだ作者が本当にやりたいことが見えてない感じがした。もっとも、これは音楽という主題がそう思わせた部分もあるだろうし、最近つくづく思ったのだけれど、抽象画に関しては私はまったく見る目というものがないようなので、これは素人の感想として聞いておいてほしい。