野村誠+野村幸弘「ズーラシアの音楽」を見る。
一昨年の横浜トリエンナーレのために制作された映像作品。山下残+野村誠「動物の演劇」の原作となったわけだが、これが面白かった。横トリではもうひとつ野村誠が建設中のトリエンアーレ会場に野村誠が入り込んで、その場でしているいろんな音(金槌の音、ドリルの音、パネルを切るのこぎりの音など)に合わせて鍵盤ハーモニカで演奏するのを記録した映像作品「アートサーカスの音楽」という作品も上映されていて、これは現地で見ることができ、非常に面白かったのだが、こちらの方を見たのは初めて。
こちらの方は横浜にある動物園「ズーラシア」に野村誠が乗り込んでいって、そこにいるいろんな動物と鍵盤ハーモニカで共演している。これが面白いのは単に動物から受けたイメージから野村が即興演奏をするという一方方向のものではなくて、野村の演奏する音楽に動物たちがちゃんと反応している(ように見える)ことで、鍵盤ハーモニカを鼻でひくオオアリクイとか、野村が持ち込んだ貝殻で鳴らす音に興味を持って、自分でもその貝殻で音を鳴らしてみせたシシオザルとか、無理やり調教してやらせるというのではなくて、音楽(音)に動物が興味を持っていて、ある種の交流がちゃんと成立してセッションのようになっているというのが面白い。
上映時間18分という短いものだということもあるが、あまり面白かったので思わず3度繰りかえして見てしまった。サルとかだと人間に近いしまだ音楽に反応するのは分からないでもないのだけれど、少しびっくりしたのはウミネコがちゃんと鍵盤ハーモニカの音に反応して近くに寄ってきたりしていたことだ。もっとも鳥の場合は求愛や威嚇のメッセージをさえずりでしたりするわけだし、それを考えると習性としてはそういうこともあるのかもしれない。
ただ、やはり不思議な人である(笑い)。世が世ならこの人はハメルンの笛吹きのような人になっていたかもしれない。
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