@下北沢 本多劇場(2016/07/24-8/21 33ステージ)
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全指定 前売・当日共7400円 学生割引券3800円
@北九州 北九州芸術劇場 中劇場 8/27-28 3ステージ
@大阪 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 9/1-4 5ステージ
@新潟 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場 9/10-11 2ステージ作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ[ナイロン100℃]
美術:BOKETA 照明:笠原俊幸 音響:水越佳一(モックサウンド)
映像:上田大樹(&FICTION!) 衣裳:伊賀大介(band)
ヘアメイク:宮内宏明(M’s factory) ステージング:酒井幸菜
演出助手:相田剛志 舞台監督:菅野將機(StageDoctor Co.Ltd.)
テーマ曲 ケラ&ザ・シンセサイザーズ「問題アリ」
音楽プロデュース LADER PRODUCTION 音楽:DJ TASAKA、Sachio Yoshizawa、
秋田茉梨絵 声の出演:村井國夫 アクション指導:明樂哲典
腹話術指導:わがし 軍事指導:越康広、長谷部治幸、齊藤滋、
那須佳瑛(ビッグファイタープロジェクト)
劇中イラストレーション:菅原芳人 大道具:唐崎修
小道具:高津装飾美術(天野雄太) 特殊造形:土屋武史(土屋工房)
宣伝美術:坂村健次 宣伝写真:みなもとただゆき
宣伝衣裳:溝口貴之(東京衣裳)宣伝ヘアメイク:宮内宏明(M’s factory)
プロデューサー:高橋典子 制作:佐々木悠、前田優希、川上雄一郎、仲谷正資
製作:北牧裕幸 平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業(北九州・大阪・
新潟公演)
出演:
古田新太:名探偵アラータ弁護士、アドルフ・ヒトラー、インド・ガリレイ
成海璃子:アンネ・フランク、ユダヤ人、妖女ゴルゴンゾーラ、動物園の女
賀来賢人:ガブリエル、ユダヤ人、側近、そば屋、飼育員
大倉孝二:神様、アンネのママ、守衛、マスター、警察官
入江雅人:アドルフ・ヒトラー、ユダヤ人、アンネの姉マルゴー、そば屋の客
八十田勇一:アンネのパパ、盗賊、ユダヤ人、側近、そば屋の客、主婦、警察官
犬山イヌコ:アルジャーノン少年、ユダヤ人、ヒトラーの母親
山西 惇:平山(ガブリエルの義父)、ユダヤ人、ゲッベルス、主婦、ヒトラー研究家
小津安二郎、別役実、アンネ・フランク、チャーリー・チャップリンなどハイコンテキストな引用の網目から構成されながら全体としては全く無意味、いかにもケラらしい舞台だった。
ケラは1985年に劇団健康を旗揚げし、演劇活動を開始するが、彼らが規範としたのは英国のコメディ集団、モンティ・パイソンの過激な笑いであった。劇団健康は緻密に構築された脚本と精密な演出により、それまでの既存の笑いのパターンをある時はずらし、ある時は解体していき、それをエスカレーション(増殖)させていくことで、純度の高い笑いを生み出すところに大きな特徴があった*1。その後92年に劇団健康を解散、ナイロン100℃を発足。それ以降は、笑いは大きな要素ではあるのだが、それだけに特化するということはなく、群像会話劇の手法などを取り入れながらナラティブ(物語)や世界観の体現といった作風に転向していった。
もっとも、ナイロン100℃になってからも劇団健康時代の代表作である「ウチハソバヤジャナイ」を何度かにわたって再演するなどナンセンスコメディーへの情熱は完全に枯渇したわけではない。この「ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜」で改めてケラはナンセンスに対する情熱を見せてくれた。
*1:「80年代的“笑い”のラジカリズム」STUDIO VOICE http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/00000104