下北沢通信

中西理の下北沢通信

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ニッポンの演劇#11 佐々木敦 × 綾門優季 × 小田尚稔 × 額田大志

ニッポンの演劇#11 現代日本演劇の新潮流──テクストと、その上演 佐々木敦 × 綾門優季 × 小田尚稔 × 額田大志


日本演劇の気鋭のニューカマーが3人顔を揃えた人選が魅力的。それぞれの演劇における立ち位置の違いも分かり、刺激に溢れたイベントとなった。
まったく異なる3人だが、共通点としてはモノローグを多用していて、そのことと「twitterやの普及は関係があるのではないか」という綾門優季の指摘は一考の余地はあると思った。
綾門優季については若手有望株の多い青年団演出部のなかでも注目株として、これまでも折に触れ紹介してきたが、残りの2人については私も不勉強で最近その存在を知り、今年になっていくつかその作品を見て、この人は面白いと思ったばかりで、終演後のロビーなどで少し話を聞いたことはあったが、まとまった話が聴けたのは初めてといってもいい。
 ただ、小田尚稔が滝口悠生の小説を脚色演出した『高架線』と 額田大志作・演出による『SUPER HUMAN』はいずれもこのまま「今年の収穫」に入れてもおかしくないほどの好舞台であり、モノローグ劇の連鎖というユニークな劇構造を生み出した小田と音楽の構造から作品を組み立てる新時代の音楽劇を構築する額田はともに初めて目にするようなスタイルで綾門同様に今後が注目される作家たちであることは間違いない。
 綾門を含め一般的な知名度はまだそれほど高くないがいまこのラインナップを持ち出し、しかも会場に入りきれないような聴衆を集めた佐々木敦氏の手腕には悔しいが脱帽せざるをえないものがあった。

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