下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

演劇におけるさまざまなことについて vol.1@SCOOL

演劇におけるさまざまなことについて vol.1@SCOOL

出演

山縣太一(オフィスマウンテン)、岡田利規チェルフィッチュ)、中村茜(プリコグ)、黄木多美子(プリコグ)

ゲスト出演

田中美希恵、徳永京子

司会進行

和久田賴男

日程

6月4日(火)14:00スタート

料金

予約 500円 当日 800円
(+1ドリンクオーダー)

◎俳優予約
1ドリンクオーダーのみ(予約限定)
※当日受付時に出演作品のチラシ、あるいは出演情報が記載されたウェブページをご提示ください。


6.4 TUE 14:00
オープンはスタートの30分前になります。



こんにちは。山縣太一です。僕は俳優をやってきました。でも俳優というのをちゃんと考えだしたのはチェルフィッチュを離れてからです。考えれば考えるほど知れば知るほど俳優というのがわからなくなります。意見や主張は極力しない。契約面の話し合いを自分からはしない。できない。でも舞台に立つのは結局俳優。身体や心がしんどくなるのは必然なんじゃないか? 俳優という職業というのを再考し再構築するべきではないか? もちろん俳優だけではなく作家や演出家や制作など現場に関わる人があたりまえになっていることをもう一度二度考える機会があれば僕らはルーティーンの機械にはならないんじゃないか? っていう話し合いをしまーす。

予約方法:
※定員に達したため、予約受付を終了しました。当日券も若干枚お出しします。なお、立ち見のご案内になる可能性がありますので、予めご了承ください。
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info@scool.jp にてメール予約受付。
※件名「6/4」本文に「名前」「電話番号」「枚数」をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。
※「俳優予約」を希望の方はその旨ご明記ください。
※予約キャンセルの場合は、お手数おかけしますが、 必ず事前にご一報ください。

お問合せ:SCOOL
メール info@scool.jp

発起人:山縣太一
主催:オフィスマウンテン
共催:株式会社precog、一般社団法人チェルフィッチュ
協力:SCOOL

  元チェルフィッチュの山縣太一(オフィスマウンテン)、チェルフィッチュ岡田利規チェルフィッチュ制作も手がけるプリコグの中村茜、黄木多美子らによる対論。非常に多くの多様な問題が提起されて有意義な会合であった。ただ、そのため、逆に問題によってはまだまだとばぐちで論議が終わってしまったと感じられるものもあったのも確か。
 個人的に考えさせられたのは舞台の共同製作者が舞台に対し持つ権利とは何かという問題。山縣太一が、作品を一緒に製作した俳優にはその権利があるはずだと主張したことから論議された問題だが、岡田利規が発言したように現行の著作権法では劇作にしかそれはなく、演出も振り付けも著作権はないということはそれでいいのかも含みいろいろ考えさせられることがあった。
 最後に話題になった演劇現場におけるパワハラの問題は本格的な論議に至るには時間がなくなったので次がもしあるならこの問題から再び話を続けてもいいのではないか、とも思った。こうした問題についての意識において若い人と高齢世代では乖離があるという話も出てきて、確かになと思うところもある半面、年齢のこととかを言われてしまうと高齢世代に属する人間としてはつらいところがある。
 個人的には相手を人格否定して罵倒するような演出は昔はあったかもしれないけれど、今はもうだめだというのは当たり前のことではあるけれど、稽古場などで演出家と俳優が完全にフラットな関係にあるということがありえるのだろうかという疑問がある。
 あくまで個人的な見解だがやはり作品作りにおいては絶対的な決定をひとりでする人(多くの場合は演出家)が一人いて、その人が作品の隅々まで責任を持って作るというようなことでないとどうしてもひとつの統一体として作品の体をなしているようなものはできないのではないかと思ってしまうのだ。実際に作品を見ても面白い部分はあるのだけれど、全体の方向性として何をしたいか分からないような作品はそういう人がいなくて、作り手の方でも制作におけるプロセスの権力的構造を極力排除することを重視するあまり、散漫なものになっていることが多いように思われる。