HOTPOT [Japan.2]小暮香帆・倉田翠@横浜赤レンガ倉庫
横浜赤レンガ倉庫は遠い。小暮香帆の開演時間にはぎりぎり間に合わず二演目からの観劇となる。とはいうもののこの日のメインの目的は何度か見る機会があったのに仕事の関係で都合がつかずなかば諦めていた倉田翠「家族写真」を見ることだったので仕方ない。
倉田翠「家族写真」は奇妙な作品であった。ダンス作品とはいうが、筒井潤の演じる父親と佐藤健太郎の演じるライフプランのプランナーがモノローグのセリフを語り続けるのに合わせて、バレエ音楽(「眠れる森の美女」から「花のワルツ」)がかかり、ダンサーたちが踊りまわる。そして、舞台上にはそれをあたかも家族写真でもあるかのように撮影を続けている写真家もいるわけだが、その関係は曖昧模糊としている。
ダンス作品としては東京ではめったにその姿を見ることができない寺田みさこや佐藤健太郎が踊る姿を見ることができて嬉しくはあった。高く評価されているようどが、作品そのものの意味合いは私にはいまひとつピンとはこないものなのだった。
2.15 [sat] 18:00
横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
Photo: Hatori Naoshi
『ミモザ -short version-』
振付・出演:小暮香帆
Photo: Maetani Kai
『家族写真』
振付:倉田翠 [akakilike]
出演:倉田翠、迫沼莉子、竹内英明、筒井潤、
寺田みさこ、前谷開、佐藤健大郎
小暮香帆
Photo: Kaneko Manaho
小暮香帆
1989年生まれ。ダンサー、振付家。これまで笠井叡をはじめ多数作品に出演しながら、2012年よりソロ活動を開始。国内外合わせて7カ国21都市で踊る。また様々なミュージシャン、アーティストとのセッション、映画、CM、MVに出演など活動は多岐に渡る。めぐりめぐるものを大切にして踊っている。横浜ダンスコレクションEX2015 コンペティションⅠ奨励賞受賞。
倉田翠<
Photo: Maetani Kai
倉田翠
演出家・振付家・ダンサー。<akakilike>主宰。作品ごとに自身や他者と向かい合い、そこに生じる事象を舞台構造を使ってフィクションとして立ち上がらせることで「ダンス」の可能性を探求している。2019年ロームシアター京都×京都芸術センターU35創造支援プログラム「KIPPU」選出。2019年度からセゾン文化財団ジュニア・フェロー。