下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

オフィスコットーネトライアル公演「ブカブカジョーシブカジョーシ」@下北沢シアターB1

フィスコットーネトライアル公演「ブカブカジョーシブカジョーシ」@下北沢シアターB1

 コロナによりほぼ全面的に休止状態に追い込まれていた小劇場演劇だが、先月ぐらいからぽつぽつとコロナ対策に合致したような演出、客席構成で公演を再開しつつあり、これもそういう1本。
 コロナで非常事態宣言が出て、演劇がほぼ全面的に休止になる前に最後に見た舞台がやはりのオフィスコットーネの大竹野正典作品「山の声 ―ある登山者の追想―」*1であったから、オフィスコットーネとしても7カ月ぶりの活動再開となった。
コロナに合致した演出と書いたが、今回は初演では8人の出演者を2人の役者が劇中、紙でできた仮面のようなものを次々と着けて演じ分けていくことで2人にした。もっともこの舞台の場合、主要登場人物はモモチ(高田恵篤)とアメミヤ(野坂弘)の2人なので、この演出にはコロナ対策以上の説得力があった。
ブカブカジョーシブカジョーシ」はある企業で実際に起こった部下が上司を金属バットで撲殺した事件がモデル。大竹野正典が得意とした事件ものではあるが、作品そのものは女性を主人公としリアルに感情の手触りを伝えていく「夜、ナク、鳥」 「海のホタル」などと比べるとスラップスティックでドタバタの笑劇の要素が強く感じられ、今回の演出はそれによく合ったものと感じた。実は初演のくじら企画による上演をこの作品は珍しく見ておらず、それだけにこんな作品があったのかと余計に面白く思えた。

作:大竹野正典
演出:佃 典彦
プロデューサー:綿貫 凜
出演:高田恵篤、野坂弘

まるで雲の上を早足で行くように、その男は現れた。
彼こそは、「ジョーシ」と呼ばれる男である。

いつもオフィスコットーネを応援いただき誠にありがとうございます。オフィスコットーネでは、急遽、トライアル公演と銘打ちまして大竹野正典作品を上演いたします。
今回上演致します「ブカブカジョーシブカジョーシ」は、登場人物が8人ですが、 すべての役を二人で、そして俳優が身体を駆使してお贈り致します。 演出はいま「半沢直樹」のTVドラマ・曾根崎役で話題の佃典彦さんが担当、不条理でブラックな独特の世界観で創り上げます。

収録配信も予定しておりますが、是非劇場でライブ感たっぷりの本作品をお楽しみ下さい。 新型コロナウイルス感染予防対策を万全に劇場にてお待ちしております。

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