下北沢通信

中西理の下北沢通信

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笑の内閣「小劇場ボードゲーム( 仮)試遊会」中継

笑の内閣「小劇場ボードゲーム( 仮)試遊会」中継


小劇場ボードゲーム( 仮)試遊会中継

「小劇場ボードゲームを作ることにしました」
「事業をしねえとおりねえ(助成金より給付だろ)」という相変わらず使いづらい文化庁助成金(7月に募集開始して10月中に事業が終われとか、そんなん元々助成金がなくても企画してた事業じゃねえと無理だろ)ですが、それでも予算が余ると文化行政へ悪影響ということで、意地でも「この助成金がなかったらやらなかった事業をしたる」と思って考えた結果、演劇のボードゲームを作ることにしました。
Covid-19の影響で、オリザさんはじめ叩かれまくって、安易に「中止にすればいいじゃん」「配信にすればいいじゃん」ということをいくら言葉を尽くしても理解されない現状、どうやって伝えれば良いのかと考えていた時に、ふと見たのが人生ゲームでした。
私は、カタンの近畿チャンピオンを取ったことがあるくらいかなりボードゲームが強いので、人生ゲームなんて「ほとんどルーレット運で決まるゲーム」など全く面白いと思わないのですが、しかしあれは盛り上がってるんですね。改めて何が面白いんだと見たら、「ゲームの勝敗そのものより人生というものをロールプレイングすることが面白い」ようなのです。
なら、小劇場がいかに儲からなくて大変なものかをロールプレイングできるゲームを作って遊んでもらえば伝わるのではないかと思った次第で、「いや、ゲーム作りがどこが芸術振興になんねん」と突っ込まれないよう、申請書には「コロナ時代において、市民の文化芸術への理解のためには、口で説明するよりもゲームをしてもらうのが一番」という口先八丁な文章を書いたら見事採択された次第です。
ということで現在鋭意作成中ですが、ぜひ皆さんにもルール作りテストプレイをしていただければと思っています。こんな感じのゲームです
イントロダクション
あなたは大学3回生、学生劇団の同期が劇団を旗揚げするため制作者として、小劇場の世界へ飛び込みます。あなたは、信頼する天才脚本家をマネージメントし、役者をスカウトし動員をあげチャンスを生かし、トラブルを処理し、より大きな劇場に進出します。規定のラウンドが終わった段階で一番名声を高めた劇団はどこだ?
最低3ラウンド、最高は何ラウンドでも(遊びたい時間によって変えられる)の間に名声点を高めたプレイヤーの勝ちです。お金を稼ぐゲームではありませんが、ゲーム途中で破産をした場合は大きなマイナス点をくらいます
名声点は基本的に公演の成功によって高めます。とはいえ、動員が少ないといくら名声点が高くても赤字になります。スカウトする客演は、上手いけど動員をあまり呼ばない役者、下手だけどたくさん呼ぶ役者、どちらも高いがギャラが高い役者など様々な役者がいます。それらをうまく組み合わせ、かつ自分の劇団のカラーにあった客演を呼んで、動員・質共に芝居を成功させましょう。また、劇場は各ラウンドごと早い者勝ち、しかも次のラウンドの劇場を先に予約が出来ます。次の公演の結果が出来てないのに、次の次の劇場を予約するのはリスキーですが、先に他のプレイヤーに取られると希望の劇場を取られるジレンマを悩みましょう。
そして、良いイベントも悪いイベントも起こります。それらをうまく対処し、劇団の名声を高める、今回のCOVID-19の影響でオリザさんが叩かれたように世間の人が演劇がどれだけ苦しいかわかっていないので、それを遊びながら理解できるように作った劇団経営ロールプレイングボードゲームです。
1・役者カード
このゲームの基本は役者にオファーをしていくゲームです。
役者にはそれぞれ、コメディ力、シリアス力、アクション力、ヴォイス力の4つのパラメーターがあり、それぞれの力が高い方が優秀な役者です。しかし、優秀な役者が要求するギャラも高く、また一定の名声点がないとオファーに応じない役者もいるため序盤ではなかなかオファーは出せません。また、役者には動員力もあります。劇団の基礎動員だけでは確実に赤字です。下手だけども滅茶苦茶、チケットを売る役者もいます。お金を稼ぐことが目的のゲームではありませんが、動員が増えなければお金は足りなくなります。下手な点は妥協し、チケットを売る役者を呼ぶのも大切です。
また、役者には特殊能力を持つ者も多いため、「麻雀」のようにうまく役を作ることが大切です。
2・プレイする劇団を選ぶ
各プレイヤーは劇団ボードを選びます。
劇団はそれぞれの特色があります。全ての劇団は初期名声点として10点を持っていて、それに10をかけた数がが基礎動員になります。初期資金として劇団員で出し合った10万円を持っています。
劇団には、それぞれ座付き作家の作風があり、その作品にあった客演にオファーしなければなりません。例えば、「笑の内閣」がモデルの劇団では、劇団ボードに
コメディ力8Pでー1点、9・10 Pで0点、11・12P で1点、13・14 Pで2点、
15P以上で3点という表があります。ようは、役者のオファーの段階で、客演の合計コメディ力が8に満たないと−ポイントになってしまいます。3点稼ごうと思ったら15P分オファーを出さないとなりません。逆に、笑の内閣は身体力はほとんどいらないので、アクション力がマイナスになるのは1P時のみ、4Pあれば1点のような形になり、逆にアクション系の劇団だとコメディ力は低くてもいいけど、アクション力は高ポイントがいるというような形になります。
劇団はそれぞれ客演へのギャラ以外にも、制作費や衣装費、スタッフ人件費など固定費があり、それはラウンドが増えるごとにどんどん支出も増えます(スタッフのオファーまでゲームに取り入れると複雑になりすぎるため断念しました、スタッフは固定です)。1ラウンドでは15万円で程度ですが、5ラウンドになると100万円のようになる劇団もあります。一方、劇団員にスタッフがいる劇団は固定費がそんなにかからないというメリットがあります
また、劇団には固有能力があり、笑の内閣であれば「大物アフタートークゲストを呼ぶ」といった、点数を高めるための特殊効果があります
3 劇場
公演をするためには劇場が必要です(実際は屋外でも出来るけど)。劇場には、動員限界値と値段、チケット価格(チケットの値段は劇団で決めるとゲームが複雑化しすぎるため、劇場を使う際は固定にします。また、ロングランによるステージ数の増加もゲームの複雑化に繋がるため、劇場はどの劇場でも5日借りて仕込みは2日ステージ数は6ステということで固定します)が決まっています。
動員が低いのに高い劇場を借りると赤字になるけども、動員限界が低い劇場を借りると大評判を得ても満席になって動員が増えない、そのジレンマを抱えながら劇場を取ってください。また、劇場は先に他プレイヤーに取られると使用できません
4・ゲームの進行
基本的には、客演ドラフト→イベントの処理→点数計算の繰り返しです。
役者カードは全50枚からプレイヤーの数✖︎3枚が候補になります
まず、1ラウンド目は会場費のかからない、学内の劇場をとります。学内の劇場は、2ラウンド目まで使用でき(3ラウンド目からは卒業するので必ず、外の劇場を借りてください)、制限はありません。
先手からほしい役者を順番に、取っていきます。また、役者カードを取る代わりに劇場カードを取ることも出来ます。このゲームの特徴は次ラウンドの劇場をあらかじめとることもできます。先に劇場を取ることで他プレイヤーに先んじて別な劇場を取れますし、もちろん安全策のために結果が出てから2ラウンド目で2ラウンド目の劇場を取ることも出来ますが、そうした場合、役者ドラフトの1巡目は絶対に、劇場を取らないとならないためほしい役者を獲得できる可能性が減ります。劇場には、前ラウンドじゃないと取れないとか、前ラウンドだと安いという劇場もあるので、そこの兼ね合いも大事です。
役者や劇場を取り終わって、このラウンドではこれ以上は取らないと宣言した人が次のラウンドの先手になり、そこから時計回りになります
・イベントの処理
その後イベントの処理をします。イベントカードを引いて、その対応によって芝居の出来や動員が変わります。良いイベントも悪いイベントもありますが、適切に処理し制作としての力を見せつけましょう
・精算
イベントフェイズが終わったら、計算です。集めた役者の能力とイベントの効果を計算し、今ラウンドで獲得した点と、動員を計算しましょう。アップした点数分、点数ボードをあげ(その10倍が、次回ラウンドの基礎動員になります)動員✖︎チケットの値段のお金を受け取り、固定支出と劇場費役者のギャラを払います(基本、演劇は後払いです)。ここで貯金が赤字になった場合は、破産回避方法がいくつかありますが、いずれもかなりの痛手(マイナス点)になるのでなるべく赤字は回避しましょう
・次ラウンドになったら、役者の候補を3枚ずつ増やします。そしてこのラウンドを繰り返し、最終的に一番名声点が高い劇団の勝ちです
今後の課題
・劇団ボードの作成(5つくらい?)
・劇場カードの作成(10くらい?)
・役者カードの作成(50枚くらい)
・イベントカードの作成(50枚くらい)
これらのアイディアはどんどん募集してます。よろしくです
例えば、劇団、劇場、役者はモデルになるようなものと、特殊効果などを
イベントは「親が倒れた」とか「演出家が女優に手を出して揉める」のようなバッドイベントから「戯曲賞受賞」や「助成金が取れる」などのグッドイベントが半々くらいあると良いです

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