下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

私立恵比寿中学「エビ中新メンバーオーディション合宿」3泊4日生中継@ニコニコ生放送

私立恵比寿中学エビ中新メンバーオーディション合宿」3泊4日生中継@ニコニコ生放送

f:id:simokitazawa:20210425202150j:plain

www.youtube.com

live.nicovideo.jp

私立恵比寿中学の新メンバー募集オーディションの生中継なのだが、見終わって感じたのはこれ自体が新生「私立恵比寿中学」の最高のプロモーションになっているのではないかということだ(累計とはいえすでに30万人が視聴。タイムシフトで5月25日まで視聴可能のため連休中、緊急事態宣言で家にいる人はぜひ)。最終候補に残った候補者は7000人の中から選ばれた9人でいずれも逸材。それだけに、いずれもどのオーディションに参加しても合格する可能性があるような有望株だといっていい。その彼女たちが3泊4日のオーディションという試練を通じて、喜びも挫折も感じながら成長していく。不思議なのは初めて見る子たちなのに見ているうちに次第にその魅力に惹かれて、ひとりでだけではなく何人もを応援したくなる自分がいたことだ。
 あくまで個人的な推測にすぎないが、この合宿は新メンバーになる数人(2~3人)を選ぶというものではなく、ここまでの選考で選んだ9人の候補の私立恵比寿中学新メンバーとしての適性を確認するものではないかとさえ思った。そして冒頭にも書いたように同時に新メンバーの加わる新生エビ中のプロモ―ションとしての役割も果たしているのではないか。映画も撮るからというWACK的な仕掛けが一種のカモフラージュになっていたけれども、最後の海でのラストシーンはそのまま新生エビ中としての最初の楽曲のMVのための撮影ではないか。つまり、私は現在エビ中は現メンバーの6人+新メンバー9人の15人で行くのではないか、あるいは行けばいいと思っている。
 そのように考えたことに理由は一応ある。加入した新メンバーが現メンバーの刺激になることは間違いないが、エビ中の場合はメンバーがこれまで積み上げてきたものの技術的なスキルが高すぎて、今回の合宿での参加者のパフォーマンスを見てみても、スタダの場合、すべて生歌であることを考えても数多くの楽曲を短期間で覚えてフォーメーションに加わるのは負担が大きすぎて事実上不可能である。そのため、現メンバーへの負担を勘案しても最初のいくつかのライブでは全員での新曲を除けば合わせて全体のレベルを上げていくのは時間がかかる。
 それに加えてしばらくは復帰に時間がかかる、あるいは復帰した時にフルパフォーマンスが困難な安本彩花いたポジションを新メンバーが加わり埋めて、歌とダンスのレベルのキャッチアップをはかるのが現実的ではないか。
 その間それぞれの楽曲に応じて一部のメンバーを参加させながら、徐々に全員でパフォーマンスできる楽曲を増やしていくのがいいのではないかと考える。そのため試験的に、今回3つのチームを作って競わせるということもしたのではないか。そして試して分かったのは将来性は有望だけれどこのままでは即戦力としては難しい候補者(典型的なのはリナ)、ダンスは得意だが歌がまだまだな候補者(ココナ)などメンバーにはそれぞれ一長一短があるということだ。この特性を見ながらそれぞれ鍛え上げていくのがいいのではないか。ニコ生のコメントでエビ中と一緒にやれるレベルにないというのもあったがそんなの当たり前だ。アイドルの卵である彼女たちと10年選手もいる現メンバーが同じ土俵で比べられるはずがない。
 とはいえ最後のあいさつでのリナやココナを見ていれば、本人も自分の現在の状況を自覚しており、今回できなかったことへの悔しさも感じていることも分かる。
 ダンス、歌ともに如才なくこなすメイでさえも現メンバーと一緒に何十曲もパフォーマンスできるのかというと疑問だ(歌詞を覚えるのが苦手という思わぬ弱点も露呈した)。ただ、「アイドルは可能性と伸びしろ」という見方もある意味正しい。ファンも今回のオーディションを通じてそれぞれの応援のしどころをつかんだ気もする。さらにいえばアイドル本人による配信が増えて重要さが増している昨今においてニコニコ動画のコメントを非常にうまく拾ってファンとのやりとりで楽しませてくれる才能や仲間と非常にうまくコミュニケーションを取りながら、雰囲気を良くして集団を盛り上げていく才能など直接ライブパフォーマンスには直結しないけれど、アイドルとしてきわめて有能な才能を発揮する候補もいた。そうしたところでもいろいろ楽しみで、こうしたいろんな可能性を現段階で切り捨ててしまうのはあまりにもったいないと思ったのである。

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com